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地方の中核市(中堅都市)にUターンしての暮らし


私、自分の故郷である県にUターンしたのは、かれこれ10年前になります。
それまでは、音源を作ったり表現活動したり、労働したり、オシャレにいうとパラレルワーカー(複業者)として東京に住んでおりました。

今でこそ、転職や複業などいくつもの顔をもったり、地方に移住しリモートワークをすることなんて当たり前になりつつありますが、当時は、都会から地元に帰ると、何故か『よしよし、頑張ってきたんやね、お疲れ様、お帰りなさい』と迎えられる雰囲気を感じてました(笑)

帰郷した大きな理由として以下のことがありました。
・親が年を取り、介護の可能性が出てきた(長男)
・長く待たせた状態の彼女がいた(現妻)
・それらを踏まえて安定した収入を得て貯蓄をしたかった

東京での楽しい生活と天秤にかけながら、地元に戻った二十代最後の歳。
まだ、スマホやネットがそれほど浸透していなかった時代でした。


今と違った「地方住まい」のイメージ

ITが一般的になった今は、パソコンやスマホさえあれば
どこにいても仕事ができるシチュエーションになっていると思います。

ですが、「ノマドワーカー」なんて言葉が使われ始めたのもこの頃ぐらいからで、当時のパソコンはネットサーフィンを楽しむか、オフラインの仕事をこなすことが主な用途だったように思います。

なので不勉強であった私は、地方で働いて生活するということは、都市部に比べて低めの賃金で、レジャーなども(アウトドアが好きな方は別)長期の休業に、泊りがけで都市部に遊びに行く…みたいなイメージをしてました。
(都会で派手に遊ぶために、地方で地味に稼ぐ…貧乏人マインド…地元に謝りたい)

もちろん働き方としても、きちっと雇用先のニーズに合わせて自分の生活やリソースを修正をしながら、定年まで根気強く働くスタイルが基本概念であった時代です。

ところが、SNS(FBやTwitter、Instagram、YouTubeなど)が一般的になり、2016年に「LIFE SHIFT」が出版されたあたりから、体感が変わってきたように思います。

都会からの移住者が少しずつ増えたり(海に近い街なのでサーファーの方、土地開拓して有機野菜の栽培をする方など)、おしゃれなお店が増えたり、おしゃれな人が街に増えたり…

都市部の発信に追随して、ローカル番組の質が変わったりSNSの声を番組内で取り入れたり、IT系の会社が増えてきたりなどなど…。



事業者はニッチに攻め、消費者は選択肢が増えた

都市部でも同じことが起きているとは思いますが、2017,2018年あたりから、大手の企業だけでなく個人の小さなお店にも、企業に負けないくらいの話題性が出てきた感じがあります。
というのも、SNSが一般的になる前はチラシや地方紙、ローカル雑誌が強かった!
今では、順番が変わってきているように感じます。


 チラシ、地方紙、ローカル雑誌、テレビで取り上げられる → お客さんに認知される → SNSで若年層に細々とシェア


 SNSで話題になる → チラシ、地方紙、ローカル雑誌、テレビで取り上げられる → 幅広い層に認知される

そのため、「え!こんなとこにホントに店あんの?」というような山奥にcafeを構えても、上記のルートで認知さえされれば、たくさんの人が集まる仕組みができているように感じます。(ただし車移動を考えて駐車場などの土地が必要)

我々もしょっちゅうInstagramで話題のお店を見つけては、県内のマニアックな場所に車を走らせて開拓するようになりました。

コロナ禍では特に、市街地の百貨店や大きなショッピングモールに行くより、リスクも少なく安心ですしね!



地方在住者にも生き方の選択肢が広がった

よく、地方のコミュニティ問題として取りざたされる「村八分」であったり「ご近所付き合い」「職場や地域での同調圧力」などがあります。

ですが、以下の要因が浸透してきて雰囲気が変わってきています。
・働き方改革によるワークライフバランスの充実化が一般的な価値観に
・副業を許可する会社が増えてきた
・コロナにより、ご近所との接触も制限され町内会のイベントもことごとく中止に

・コロナにより孫とのコミュニケーションにスマホやタブレットを使う高齢の方が増えた

などの要因で、個別化が当たり前になってきているのが体感としてあります。(いいのか悪いのか)

例えば「雇用の形態も、勤務の在り方もそれぞれ。」が浸透してきた。
いくつもの肩書をもつ人が身の回りに増えてきた。
地域のイベントやご近所づきあいに強制力が無くなった。
県外在住のお孫さんに会うためにスマホ、タブレットが当たり前に使われることで、高齢層の方にとっても「直接顔を見て伝えにゃいかん!」という固定概念が無くなってきている。

我々地方在住者も、こうしたキャリアスタイルや地域での生活様式が変わったことで、より自分軸で生活できているように感じます。(ある意味コロナの強制力も働いて)

こうしたことから、都市部から気負いなく移住される方も増えている印象です。


移住してきた方の声

・食いもんがうまいね
・有機野菜が手に入りやすい
・サーフィンがし放題
・トレッキングや沢登り、渓流釣りサイコー
・キャンプするとこが近い
・パーソナルスペースが広がった(のびのび)
・欲しいものはネットで買えばいいしね(衝動買い激減)
・意外といい店多い
・人が少ない(もっと刺激欲しい)
・物価が安い(物件も)
・地価が安い(都会に比べたらそりゃーね!)
・ライブとかイベント集客がちとムズイ(都会より人口少ないので)

これらは、私の数名の知り合いからのお声です。
物をリアルで売るには人が少ないので、ネットを通して販路を全国に広げるなどの工夫が必要なのだそうですが、
生活そのものは、何だかのびのびとしているようです。


まとめ

10年前Uターンしたときには少ない選択肢の中で生きていくことを覚悟していた面もありましたが、ITやSNSの台頭、国の働きかけ(働き方改革、子ども支援制度など)、コロナなどにより生活様式がずいぶん変わってきたように感じます。

もともと地方の組織で長く働いている人には、書籍「LIFESHIFT」に書かれていたような、職業もライフスタイルも柔軟に変化しながらの生き方に、多少抵抗感のある方もいるかもしれません。

でも、SNSやネット発信に垣根がなくなった今、どこに住んでいても、複数の顔を持ち、変化に富んだ生き方が可能になってきたのではないでしょうか。

『ねばならない』から『したい』生き方にシフトしてきているように思います。


地方の良さは、すぐ近くに農家さんがたくさんいること。
有機野菜はじめ、良い食材が比較的安く手に入りやすい。
また、良質な食材で料理やお菓子を作っているお店も増えています。
また、物価や住まいにかかる費用も安いですね。ただ車移動が増えて車代やガソリン代がかかりますが。(早くEV車や水素車なんかが一般的にならないかな)
地方のネガティブな面としては、狭い人間関係でのお付き合いなど。
これも多様化や個別化により、だいぶ溶けて自分軸で生きやすくなっていると感じています。

こうした体感を得ながらも毎日、子育てと組織の中で自転車操業の私ですが、より自分軸の自立した人生を目指して少しずつアクションを重ねていきたいところです(汗)。
一軒家を購入して暮らしていることや、家族が増えたこと、こちらの暮らしを気に入っていることから、これからも、この暮らしを続けていきたいです。

何だか感覚的な話になりました。

また、地方暮らしでの子育てやキャリア形成など、掘り下げたものも書いていきますね。

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