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好きなもの#6 寒さ

寒い日が好き。寒い場所が好き。
決して郷里を思い出して懐かしさを嚙み締めたり、叙情的になるからではない。(そもそも生まれも育ちも神奈川である)
ただ寒いと沸々と気分が上がってくるのだ。

台風や雷、地震やハリケーンに対し、テンションが上がる人は一定いると聞いたことがある。
どうやらそれは、これから災害に巻き込まれるかもしれないという状況に対し直感的に脳が”命が危ないかも!”と判断し、アドレナリンが分泌されるからとのこと。
かくいう私も台風の日、自宅の窓から轟轟と唸る風や雨音を聴いていると、なんだかよくわからないボルテージが上がってくる感覚になる。
もしかしたら学生の頃の”大雨警報により休校になった”という記憶とひもづいているのかもしれないけども。

寒い日のワクワク感も、上記に近い気がしている。
鼻や耳にピンとした痛みがはしり、手先を裾に入れ込んだりポッケに突っ込まないと耐えられないような寒さの日、「(うぉぉ寒いぜ~、、、、)」とテンションゲージが一気に上昇する。風が強いと尚よい。しっかり防寒をしたにも関わらず小さい隙間を縫って寒さが伝ってくる感覚に高揚する。
寒いと空気も澄んでいる気がする。深呼吸して冷気が肺に入り込んでくると、二つの意味で鳥肌が立つ。

寒い時に飲むあったかい飲み物なんて、世界一美味しい。
小学生の頃、真冬に友達と公園でバスケの練習をしていた帰り、その友達のお兄ちゃんが自販機で買ってくれた紅茶花伝がびっくりするほど美味しかったのを今でも覚えている。
普段は午後の紅茶の方が好きだけど、寒い日はやっぱり甘ったるい紅茶花伝に限る。

ちなみに自分のBEST of 寒いは、「秋口の夕暮れ時に拭く木枯らし」が断トツタイプ。河川敷とか埋め立て地とかだとボルテージがMaxに跳ね上がる。
この感覚を味わうためだけに、ここ数年は冬が近づく時期に東雲や新木場のあたりを一人でぷらつく。
寒いなぁっていいながら数時間歩き、求めていた寒さを噛み締め、そしてちゃんと風邪をひく。

これはちょっと出来すぎ


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