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相手のノーをイエスに変える!実践心理テクニック5選

フォレスト出版編集部の寺崎です。

一般的に仕事の場面で意見が対立することはよくあることだと思います。

自分はこうしたい。

でも、相手はそうしたくない。

こういう場合、みなさんだったらどうしますか?

おそらく対応策は3つ。

①自分の主張を押し通す
②譲歩して相手の主張を受け入れる
③両者の中間ポイントを探って落としどころをつける

私の場合、さほどこだわりのないことであれば、②もしくは③をチョイスしますが、書籍タイトルや基本コンセプト、カバーデザインといった売れ行きに重大な影響を及ぼす問題で著者と意見が対立したときは、まずは「①自分の主張を押し通す」を考えるべきだと思います。

「自分の主張を押し通す」というと、ずいぶんわがままなヤツだと思われるかもしれません。しかし、自分の主張に間違いはないと確信しているのであれば、そこはブレずに著者を説得することに腐心したほうが、あとあと「あー、あのとき日和らずに、主張すればよかった」なんて後悔しなくて済みます。

でも、そこは人間感情。なかなか、説得して「NO」を「YES」に変えるのは難しいものです。

これって、仕事だけじゃなくて、恋人同士や夫婦関係でもよくあることではないでしょうか。「恋人を説得する」「奥さんを説得する」というシーンは誰しも「あー、あるある」と共感していただけるはずです。

この相手の「NO」を簡単に「YES」にしてしまう心理テクニックがあったら、知りたいと思いませんか?

私は知りたいです。

というわけで・・・今日発売の新刊『思い通りに人をあやつる心理テクニック101』(神岡真司・著)から「ノーをイエスに変える実践心理テク」のうち厳選5つをご紹介したいと思います!

相手の知性に鑑みてイエスと言わせる

「仲人口(なこうどぐち)」と言うのがあります。

「優子さんは、とてもチャーミングで、お人柄もお優しく、才媛でいらっしゃいますよ」
「良夫さんは、一流企業のエリート社員ですが、気さくな性格のスポーツマンですよ」

 縁談の際、両者を取りまとめるために、両方によいことばかりを言い、あまり当てにならないたとえとしても用いられるのが、この「仲人口」というものです。
 営業で売り込む際に、自社製品の優秀性ばかりを強調すると、かえって信用されなくなるというのも、同じ原理によるものです。
 心理学では「片面提示」「両面提示」といって、よいことばかりをアピールする「片面提示」が信用されるのは、相手に経験や知識が乏しい場合に限られるとされます。
 知性の高い人ほど、よいことだけでなく、ウィークポイントまでも「両面提示」されるほうが、信用度が高まり、説得力が増すのです。次のように使いましょう。

当方「 新製品なので価格は高いですが、機能は3倍優秀です」

「親近化効果(本書69ページ参照)」がはたらきますから、ネガティブ情報は必ず先に言うことが肝心です。
 後のほうで「高い」などと言うと、ネガティブな記憶が強まり、悪印象になるからです。

「アレレ?」と思わせてイエスと言わせる

 人は、自分にふさわしくないと思ったり、矛盾を感じることがあると納得がいかなくなります。「なんで?」と混乱し、真意を知りたくなります。

部下「 課長! なぜですか? なぜ、入社10年の私に、K社を担当させるのですか? はっきり言ってK社はうちの代理店として、並はずれた不良代理店ですよ。契約は守らない、入金は遅れる、他社製品を扱う、うちの純正品を横流しする……。本来ならば、代理店契約を解除すべき最低の代理店です!」

上司「うむ。きみの言う通りだが、きみのキャリアアップのためには必要なんだよ」

部下「えっ? 私のキャリアアップですか? そ、それはいったい、どういうことで……?」

 こう言われると、部下の頭の中には、さらにハテナマークがひろがることでしょう。
 上司は、このあと、もっともらしい理屈で回答してやればよいのです。
「弱小代理店の担当経験がないことが、きみの昇進の弱点になっているから」とか何とかです。
 人は、何かの出来事に遭遇し、それが自分の考えていたことと違っていると、「何で?」と不快になります。これを心理学では「認知的不協和」と呼んでいます。
 この不快感を解消するためには、出来事への対処の仕方を変えるか、認識や考え方を改めるよりありません。この上司は、部下の認知的不協和を利用して説得を図ったのです。
 矛盾を解消してやるには、本人がなるほどーーと腑に落ちる何か別のロジックを用いてやればよいのです。
「会社は、仕事をするところじゃないぞ!」などと常識を覆すような、逆説的なことを上司が言えば、部下たちは一斉に「え? 何それ? なんで?」などと注目してきます。
 あとから、「会社はなあ、社会的貢献を模索する場なんだ」などと言えば、納得します。
 近頃では「顧客の要望なんか聞くな!」といった過激な書籍タイトルなどに使われています。「なんで?」と認知的不協和状態を作られると、思わず注目が高まるからなのです。

ほどほどにけなすことでイエスと言わせる

 他人をけなしてばかりいる人は、周囲から嫌われて、誰も寄りつかなくなるでしょう。
 だからといって、誰にでも愛想よく振る舞い、お世辞やおべんちゃらを言う八方美人が好かれるかといえば、これまた誰からも信用されなかったりします。
 他人をけなさず、いつもほめていれば万事うまくいくと思ったら大間違いなのです。
 心理学での有名な実験があります。

A・最初から最後までほめっぱなし
B・最初から最後までけなしっぱなし
C・最初にほめて、最後にけなす
D・最初にけなして、最後にほめる

 被験者が、好感度を感じた相手は、《D →A →B →C 》の順になったのです。
 最初にけなされても、最後にほめられる――のが、最も好感度が高かったのです。最初にほめられても、最後にけなされる――のが、最も好感度が低かったのです。
 ここでも、あとよし効果の「親近化効果(本書69ページ参照)」が生じて、最後の記憶が強化されるメカニズムがはたらいていることがうかがえます。一番、信憑性が高くなるのです。

上司「 きみは、そそっかしくてミスも多い。しかし、誰にも負けない粘りと根性がある。その点が高く評価されて、事務職から営業職に配置変えになるんだよ」

部下「そうだったんですか。じゃ、喜ぶべきことなんですね。左遷じゃないんですね?」

上司「もちろんだよ。3〜4年でまた戻ってもらわないと、うちの部も困るからね」


 このように、相手を丸め込むのに使えます。気をつけるべきは、最初にけなして、あとからほめると好感度が高く信憑性が増す――といっても、ボロカスにけなしすぎると身も蓋ふたもなくなるということです。あくまで「ほどほどにけなす」程度と心得ましょう。

ロジックの枠をはめ直してイエスと言わせる

 同じ内容を伝える場合でも、言い方次第でイメージは変わります。
「手術が失敗する確率は30%あります」と言われるより、「手術が成功する確率は70%もあります」と言われたほうが手術を受ける方向への説得力が増します。
「タウリン1000ミリグラム配合」の栄養剤はすごく効きそうですが、単位を変えれば、たったの1グラムのことです。
「50名様に1人、お買い上げ商品代金が無料になるキャンペーン」と言われるとスゴイことのようですが、当選者はわずか2%です。
「世界がもし100人の村だったら、アジア人は57人」と言われるとわかりやすいです。
 心理学では、このように枠組みを変えて、相手の心理を誘導する「フレーミング効果」が知られています。相手の思考の枠組みをどう変えるかで勝負が決まるのです。

息子「 やっぱり父さん、ぼくは起業しようと思います。いま、20代だからこそできることをやりたいんです。ネットの世界は、早く起業しないと意味がないからなんです」

父親「 せっかく大企業に入れたのにもったいない話だな。20代で起業した人の99・9%の人が失敗してるぞ。失敗すると無職になるか、非正規雇用しか道はないぞ」

 こう言われると、息子も内心ぐらついて、考え直してくれるかもしれませんが、仲間に次のようにけしかけられると、やはり脱サラ・独立起業へと突っ走るかもしれません。

仲間「 オレたちが、失敗するなんて誰が予想できる? 1000人に1人しか成功しないなんて統計はどこにもないよ。大企業のサラリーマンだからって安心出来ない時代だよ。将来中高年になってリストラされてからじゃ、ツブシも利かなくて大変なんだぜ。貪欲になれ──、馬鹿になれ──っていうジョブズの言葉を噛みしめようぜ」

 マイナス思考が習い性になっている人には、ポジティブ思考の枠組みが効きます。

「お願いされる側」の立場に回ってイエスと言わせる

 交渉事は、「お願いする側」の立場のほうが、圧倒的に弱いものです。
 そこんとこを何とかしてくださいよ――などと頭を下げて頼むのですから当然です。
 交渉事で主導権を握り、こちらが有利に立ちたい時には、できるだけ早く「お願いする側」から、「お願いされる側」に回ることが大切です。そうすれば、相手はこちらの思うがままに誘導されて、イエスと言わざるを得なくなるからです。
 ポイントは、相手の要望を早目にじっくり聞いてあげることなのです。

店員「お客さま。ノートパソコンをお選びでしょうか?」
お客「うん、そう。でも、ネット通販で買うよりも、おたくの製品は高いねえ」
店員「何か、お気に召された製品はございましたでしょうか?」
お客「うん、この○×社製がいいかなと思ってるけど、ネットより割高なんだもん」
店員「お客さまは当店のポイントカードはお持ちですか?」
お客「うん、持ってるけど」
店員「じゃあ、こうしましょう。今月決算なので、追加で3ポイントお付けしますよ」
お客「たったの3ポイント? それぐらいじゃ、ネットのほうが安いじゃん」
店員「お客さまは、どのぐらいのポイント上乗せをご希望ですか?」
お客「そうね、せめて10ポイント欲しいな」
店員「お客さま。ネットでもそこまではお安くないでしょう?」
お客「そりゃまあね。じゃあ、7ポイント追加してよ、ね?」
店員「うわあ、それでも、厳しいですねえ」
お客「じゃ、5ポイント。ね、これぐらいなら、いいでしょ、お願いしますよ」
店員「うーん、すでに3ポイント付いてるうえでの、追加のポイントですからねえ」
お客「 わかったよ。じゃ、3ポイントでいいから、特別に追加してよ。合計6ポイントね」
店員「かしこまりました。お客さま、お買い上げありがとうございます」

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いかがでしょうか?

ご紹介したシーンは会社の上司と部下、販売の現場などでしたが、それぞれがさまざまなシーンで応用が効くテクニックです。

ぜひ、ご活用ください。




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