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一度行ったら誰もがリピートしたくなる「おにぎり」屋さんの秘密

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
母の味の代名詞ともいえる「おにぎり」。シンプルかつ日常に浸透しているものだけに、お客様を惹きつけるには、相当な差別化が求められるといえます。
 
そんな「おにぎり」だけで勝負し、一度行ったら誰もがリピートしたくなる「おにぎり屋さん」があります。
 
唯一無二のプレミアムリッチ商品・サービスを、全身全霊をかけて1点開発し、それを「ヒット商品」にし、収益を上げる――。
 
超話題の人気商品本格ボロネーゼ専門メーカー「ビゴリ」のオーナーにして、事業創出・業務改革コンサルタントの石川潤治さんは、新刊『たった1つの商品で利益を上げる』の中で、すでに世の中で一定の支持を得て成功している一点突破戦略商品をいくつか紹介しています。その中の1つの事例として、一度行ったら誰もがリピートしたくなる「おにぎり」屋さんを取り上げて、リピートが絶えない理由、売れている理由を独自の視点から分析しています。
 
今回は、その該当箇所を一部編集して公開します。

 私の住んでいる京都市内で、哲学の道にほど近い店に息子とともに訪れました。
 店内に入ってみると、一見すると寿司屋を思わせるカウンターだけの店。カウンターの向こうには、昔はやんちゃをしていたような雰囲気の40代の強面の男性が迎え入れてくれました。
 私と息子はそこでおにぎりを食べたのですが、最初は「失敗したかな?」と思ったほどです。ですが、食べ終わる頃には「また来たいな」と思うようになりました。
 店の名前は「青おにぎり」でした。
 結局それ以降、私はこの店を3〜4回リピートしています。
 何が私をそこまで駆り立てたのか、後日冷静になって分析をしてみました。すると、「この店のこだわりと店主の人柄が自分の中で決め手になっている」と自覚しました。
 この店では、おにぎりを頼むと、例えば「梅と鮭とおかか」と頼んだとしても、その順番で出てきません。しかも、3つを頼んだら一度に出すのではなく、ちょうど1つを食べ終わる頃合いを見計らって次が出てきます。
 店主に理由を聞いてみると、「どれが最後に来たらお客様がうれしいか」を考えて出しているそうです。一度に出さないのも、握りたてを食べてもらいたいからとのこと。
 この話を聞き、私は店主のおにぎりとお客様への愛情・こだわりに胸を打たれました。
 次に、店主の人柄ですが、これは2回目に来店したときに店の入り口に貼ってある写真を見たのがきっかけでした。
 そこに貼ってあったのは、よくあるテレビ取材を受けたときの写真などではなく、鴨川沿いでリヤカーを引きながら10年かけてこだわりのおにぎりを売り歩き、今の店を構えた「青おにぎり」の歴史を語るものでした。
 写真を見ていると「がんばってこの店を構えたんだろうな」と素直に感動し、一瞬でファンになってしまいました。「またここに来よう」「おにぎりを外で食べるならここにしよう」という気になったのです。
 店主は決して喋りが上手な人ではなく、むしろ寡黙なタイプです。ですが、その分、おにぎりに対する情熱や素材に対する想いが伝わってきて、商品と真摯に向き合っている様子がうかがえました。
 おにぎりはイートインで1個200円からなので、コンビニで売っているものと比べると2倍近い開きがあります。ただし米も塩も海苔もトッピングの具材も厳選され、吟味されたものです。
 こだわりの味と店主の人柄で、ちょっとした贅沢体験や発見の楽しさがあり、他とは違うプレミアムリッチ感を味わうことができる店でした。
 商売の原点は意外とシンプルです。「おにぎり1つでも、ここまでできるのか」と思い知らされた事例でした。

※この記事のヘッダー写真はイメージで、記事で取り上げた「青おにぎり」の商品ではありません。

【著者プロフィール】
石川潤治(いしかわ・じゅんじ)

株式会社ジェイ・イシカワ 代表取締役社長。事業創出・業務改革コンサルタント。
1970年大阪府大阪市生まれ。学生時代に30種のアルバイトを経験。当時より、起業の夢を抱く。大学時代から起業したり会社員になったりを繰り返し、1999年、PCCW JAPAN(香港・通信事業者)に入社。ブロードバンド事業の創出をする新規事業開発室長を務める。2001年、株式会社ジェイ・イシカワを創業。自身が持つ特許(2002-320045)リース・管理および、事業創出コンサルの道を歩み始める。2002年、ワーナー・ブラザース・ジャパン(米国・映画メジャー)入社。部門のDX化を軸に業務改革を推し進め、クリエイティブシニアマネージャーを務める。2011年、株式会社ワールド(国内・アパレル)入社。業務改革推進本部・物流統括部長を務める。2016年、長年に渡るコンサルティングで軸としてきた「一点突破による売れない時代の売れる戦略」を具現化すべく、ボロネーゼ専門店ブランド「ビゴリ」を立ち上げ。ボロネーゼという単一メニューだけのフランチャイズで30店舗もの加盟店を有し、各大手メディアでも取り上げられる。現在、「中途半端を捨て一点突破」「ファンダムに不況なし」などをモットーに、40社を超えるさまざまな業界のコンサルティングを行なう傍らで、個人の方々に独立や転職を有利に進める実践的手法の勉強会を定期的に開催。社業理念は「スピード、柔軟性、一点突破力を発揮し、小よく大を制す」。

いかがでしたか?
 
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