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D2C事業家、弊社新人におすすめしている書籍

年度が変わり弊社に新人が入ってきたり、ECもといD2C事業を始める起業家に、D2Cのおすすめ本は?と聞かれることが立て続いた(今週の中だけでも2回)のをきっかけに、noteにまとめておくとコミュニケーションがスムーズでアップデートもしやすいと思ったので、まとめてみました。

ネット直販事業(EC→D2C)を手掛けてきて10年以上

2005年からネット直販事業(ブランド構築事業)を手掛けている弊社

当時国内のECと言えば、楽天市場もAmazonもまだまだこれからと言う段階の、フロンティア成長期。

これらのECモールを中心とした市場が年々伸長し、そこから2010年過ぎくらいになると、Web広告やSNSの発展によって脱モール化、自社サイト化(つまりはD2C化)の流れが徐々に進んでいくこととなる。

D2Cという言葉自体は主に欧米で2000年代から使われ始めているらしく、それに対して日本でこの言葉が普及したのはこの3,4年ぐらいの話。

そんなトレンドに先んじて弊社はD2C事業に10年以上がっちり取り組んできており、ECモール→D2Cの変遷の真っ只中で知見を積み上げてきている。

自分はと言えば、2008年から内定者インターンとして働き始め、インターン開始2日目には専任担当となるクライアント経営者の方と名刺交換(正確にはうっかり名刺ケースを道中に落としてクライアントから一方的に名刺を頂くだけの気まずいデビューとなった)、ECというものに触れ始めた。

子供服、コスメ、レディースバッグ・皮革小物系、スーツケース などなど、これまでの約12年、色々なブランドを担当させてもらってきている。

多種の事業に横断的に関わっている今でも、毎週クライアントの経営者の方と打ち合わせをして戦略や商品企画をしていきながら、サイト丸々構築するためにコーディングもするしSNSやら広告やらCMSやらもハックし倒すし、プロダクトの写真も一眼で撮るし、製品の名前やキャッチコピーや文章も練るし、と言うのをやっている。

そんな立場からおすすめしている書籍です、と言う長い前置きはこのあたりりにして、本題としていたおすすめ書籍をここから列挙していきたい。

D2Cマインドセットにはとにかくこの一冊

とにかく今読むならまずはこれ、という一冊で、D2Cに取り組む上での大前提となるマインドセットが凝縮されていました。

長くD2C事業に取り組んでいる身としては頷くことばかりだった内容。

自分用に1冊、社内の回覧用に1冊、そして担当させてもらっているクライアントさん向けに、今大事にしたいことはこういうことです、と言うのを伝えるにはうってつけと思い、さらに2冊買ってお渡しした。

2冊にしたのは、1冊だと誰かが抱え込んで滞留するんじゃないか、3冊以上あると積み上がって終わるんじゃないか、というのが頭をよぎり、良い塩梅だなというなんとなくの目論見で。

その後、先方の社長さんがさらに10冊追加で購入されて、本社だけでなく工場の製造現場スタッフの皆さんにも広めて頂いたと聞いた時には嬉しく思った。

自身のインプットだけでなく、事業で関わり合う人とのマインドセット形成にも活用出来る内容なので、ぜひまずは読んでみて欲しい一冊です。

伝わるための本質。言葉の力をものにする

D2Cでモノの特長を伝える表現の3要素。

・ビジュアル要素(写真、動画、イラスト)

・言葉要素(コピー、文章)

・レイアウト要素(並び順、配置、強弱)

中でも特に、ヒットするかを大きく左右する要素は言葉、と言うのが、社内での共通認識でもあります。

既にイメージが出来上がっているハイブランドなどであれば、むしろビジュアルやレイアウトが洗練されることに力を注ぐことになるかもしれないが、D2Cでブランドやプロダクトのイメージをゼロから作り上げていくならば、言葉の力をものにすることは絶対に疎かに出来ない。

商品の魅力が一言で伝わるコピーか、読み進めていく中で情緒が湧き上がってくる文章表現や構成か。

言葉の力は広告やSNSで認知してもらうにも、実際の購入サイト表現でも、アフターフォローも含めたコミュニケーションにおいても、ひたすらに問われていくことになります。

今どきのツールを使ってマーケティングして、というのもパッと見大事かもしれないけど、表現やコミュニケーションって、突き詰めれば、言葉の力を使う、ということのはずなんですよね。

読書以外で言えば、世の中のあらゆるところの表現にアンテナを張り、実際に表現してフィードバックをもらうこと。これらをとにかく日々やっていくことで自身やチームの言葉の力を磨いていくことがD2Cを手掛けるならば絶対に大事にして欲しい部分です。

中でも「沈黙のWebライティング」はコンテンツ作りのバイブルとして社内でも必読書になっており、メディアを運営している友人知人もバイブルとして特におすすめの一冊。

一眼レフで写真を撮るなら

最近はスマホでも画質の良い鮮やかな写真は撮れるけど、やっぱり一眼を手にしてみるとその表現の奥行きの深さを実感するはず。

一眼の使い方と、ライティング(光の当て方)をそれぞれ押さえて、撮ってみる。

ひたすら一つの商材の写真を撮って試行錯誤していけば、その商材の撮影についてはプロカメラマン以上の経験値を得ることも出来るわけで、試行錯誤を積み重ねる中で自分ならではの世界観や表現が出来上がってくるとも言えます。

Webデザインは数日間学ぶだけでもけっこう作れる

Webレイアウトの理論も本一冊読んでおくだけでも、あれでもないこれでもない、とレイアウトをがちゃがちゃさせて悩む時間が減るはず。

実際サイト構築のためにHTMLやCSSでコーディングしていくのも、本一冊読みながらコード書いてみれば数日で、最低限のサイトが作れる様になったりもします。

システムを動かすためのプログラミングとなれば数年でも学びきれないぐらい圧倒的に奥深いんだけど、WebデザインをするためのHTMLとCSSを使ったいわゆるマークアップレベルのコーディングであれば、数日~1,2週間取り組めば、あとは実践あるのみ、というところまではすぐに持っていけるんですよね。

コードを書くというのも、本質的には英語と同じく言語を使うということなので、言語を使ってみることが上達の早道だったりします。

弊社でも新人は本一冊読みつつ、最近だとそこにプラスでProgate学びつつで、入社1ヶ月以内にはそこそこの感じで習得している形です。

また、弊インキュベーションオフィスの入居企業でもあるDO THE SAMURAI吉田氏のコーディング習得体験記もここに載せておくので、ご参考までに。

尚、ウチの新人にも薦めて使ってもらっている、コーディングのためのエディタソフトのオススメはBracketsです(自分はAtom使っているけど)。

ヒットしているECサイトを食わず嫌いせずに見て、分析する

D2C事業をやるための実践的なTipsみたいなものは、本で学ぶよりもヒットしているECサイト、ブランドサイトを実際に見て分析するのが有効。

大事なのは、食わず嫌いせずに見てみること。

今を時めく様なD2Cブランドに限らず、むしろロングヒットとなっているECサイトを研究する方が、Tipsは多く吸収しやすかったりします。

そしてTips以上に、これは自分のブランドやプロダクトで表現したい世界観を伝えるためにも大事な工程。

「こんな感じの世界観をつくりたい」

「ここは売れているけどウチとはこういうところで違う方向性だ」

こういったことが語れないと、人に自分が表現したい世界観が伝えられない、もしくは伝える以前の問題、自分の世界観が定まっていないとも言えます。

ここに家具・雑貨小物系のECの雄を3つ並べてみました。

同じジャンルでも世界観の違いを感じ取ってもらえるのではないかと思います。

そしてその世界観を構成する言葉の力、写真表現の仕方などに目を向けてみて欲しいところ。

「創って、作って、売る」手ざわり感溢れる世界へ、いざ。

「創って、作って、売る」

これは商売やビジネスの基本として使い古されたフレーズです。

D2Cという業は、圧倒的にこれを手ざわり感を持って体感出来る世界とも言えます。

売るまでも大変、売れるまでも大変。

泥臭いからこそ本質的で、だからこそ他の経験にも活きる学びを多く得られるはず。

実際、10年以上長いこと主たる業としてD2Cに取り組んできたからこそ、得られた知見や思考力を活かして、多岐にわたる事業展開を今出来ているというのは、会社としても個人としても、身を持って体感しているところです。

泥臭くも生々しいD2Cの世界へと飛び込むチャレンジャーに、惜しみないエールを。

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