無力感。
無力感。
これ、よく私の近くに現れる。
胸の奥の方からぞわぞわっと這い上がってきて、気づいたら背後にいる。
背後霊のように。
悪魔のように。
重くのしかかって、私の気力を奪っていく。
無力感に苛まれると、私は生きる屍と化す。
大人になると自分の限界を自覚できるようになる。
今日は給料日前だから、節約レシピで乗り切ろう。
話題の映画を見に行きたいけど、休日まで我慢しよう。
ちょっと悔しいけれど、我慢すれば乗り切れる。
これは、無力とは違う。
なんかもっと、どうにもならない壁にぶち当たると無力感の奴が私の背後に現れる。
生活環境を変えられないとか。
職場環境から抜け出せないとか。
どうしても越えられない、年収の壁とか。
思わず、空を見上げて涙がこぼれそうなのをこらえるやつ。
そこまで行かなくても、たびたび感じる。
今も、背中にべったりへばり付いて離れない。
「違う、私は満ち足りている」
「今の自分に満足している」
「私は、私を変えようと努力している!」
反論が虚しく響くのは、やはり無力だからなのだろう。
どうにもならないな、と心のどこかで諦めているからなのだろう。
何が大切なのか。
何を守りたいのか。
両手にたくさんの荷物を抱えて、ふらふら歩いていることがどれだけ危険を孕んでいるか。
わかるから、悲しくなる。
虚しくなる。
やはり手が届かないのかと、立ち止まってしまう。
無力感。
それは、いつになったら拭えるのだろう。
いつになったら去るのだろう。
何を手にすれば、私は満足するのだろう。
時々わからなくなって立ち止まる。
前進するその為に、選ぶべき時なのかもしれない。
失いたくない大切なもの。
守るべき場所、人、思い。
その為に何が必要か。
迷いを見つめることで前に進まなければ。
無力感を振り払えるのは、私だけなんだ。
わかっているから、進もう。
まだまだ強くなる。
もっと研ぎ澄ませたい、力と心。
言の葉を紡ぎ出す力を。
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