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密着第二弾!社外で行われる謎の食事会を追え


photo by りんちゃんさん

三月・都内某所

三塚 お疲れさまです!今日はちょっとした食事会がありまして・・・。一緒にいかがですか?

なんだか面白そうだ。note編集部も参加させてもらうことになった。
(三塚さんとの出会いの記事はこちら!)

訪れたのは今話題の飲食店。そこにはピザーラ商品開発本部一同の姿があった。

ピザで有名な店舗のようだが、どのような食事会なのだろうか。


三塚 月に1度か2度ほど、ピザを取り扱う飲食店へ実際に食べに行きます。個人的には勉強会のようなイメージです。お店は大坪さんが提案してくださることもありますし、こちらから気になるお店を探して提案することもあります。

定政 いわゆるピッツェリア(ピザ専門店のこと)よりは、ピザも扱っているイタリアンを選ぶことが多いかもしれないですね。

定政さんは、ピザーラ商品開発本部においてピザ以外の商品を担当している

意外だ。ピザの情報収集ならば、ピッツェリアを選ぶのが一番良さそうだが・・・
 
定政 ピザは、マルゲリータのように絶対的な王道メニューがありますし、店舗もそこに力を入れています。王道は美味しいけれど、食材や味付けの新鮮さがどうしても少ないんです。ですから、ピザ以外のメニューも充実しているお店の方が発見や刺激をもらえるように思います。

今回訪れた店舗は、オリジナリティの高いメニューが多いようだ。
沢山のメニューの中からどのようにして注文商品を決めるのだろう。
 
三塚 お店が定番として押し出しているものや、S N Sで人気の商品は必ず押さえるようにしています。大坪さんは私たちのチョイスを尊重してくださいますが、あとで「なぜその料理を選んだか」と理由を聞かれることもあるので、いつも料理のチョイスは真剣です(笑)

定政 ピザーラ商品開発チームは私たち3人だけです。3人で食べきれる量を計算しつつ、気になった料理を選びますね。

三塚 ですね!他のメニューも頼むと、お腹がいっぱいでピザの種類があまり食べられないという・・・

定政 なので、別業態の商品開発チームが一緒の時は人数が増えて、食べられる種類も増えてとても嬉しい(笑)

 
料理を待つ間、3人は歓談しつつも店内の雰囲気やメニューの観察を続ける。
 
定政 使っている食材や商品名からも沢山ヒントがもらえるんです。珍しい食材を使っていたら目を惹きますし、頼みたくなるネーミングも大事な要素なので

三塚 新商品を打ち出すとき、社員向けに必ず商品説明の文章を作成します。なぜこの食材の組み合わせで味付けなのか、もしお客様に尋ねられた時に皆が共通してお答えできるようにするのも目的ですが、ここで使った文言やフレーズがチラシなどにも反映されることがあるんです。なので、飲食店のメニューは説明書きもしっかり読み込んでしまいますね
 

ピザが到着。その彩りや華やかさに一同「おぉ!」とテンションが上がる

大坪 届いた商品を一目見た時の感動は大事ですよね。色合いボリューム感熱々さが伝わってくるかなど、それだけで食べる前から美味しさが約束されている気持ちになる。ピザーラでは、届いたピザの箱を開けた瞬間にどれだけワクワクしてもらえるか、その見た目もかなり意識して開発しています。

各々が料理を口にする。それまで賑やかだったテーブルが嘘のように静けさに包まれた。
3人がそれぞれの感覚で目の前の料理に向き合う姿から、料理へのリスペクトがうかがえた。
どのような気持ちで料理と向き合っていたのだろうか。
 
三塚 会長・社長が一口目を大事にされる方達なので、私もそれに倣い一口目を意識しています。ピザの要である生地も、お店によって耳や全体の厚さ、食感、焼き具合、それぞれ違うので、その点も観察します。

大坪 食材同士のバランスでしょうか。カットされた食材がどのくらいの大きさで、厚みで、どのように下処理されているのか等を考えながら食べます。普通だったら使わないだろうという食材が上手く組み合わさっていると、印象深いですね。実店舗とデリバリーでは出来ることに違いがありますが、いつか何かのアイデアになるかもしれない、と自分の中の引き出しにストックしておきます。

そう話す大坪さんのピザの食べ方が、独特で印象的だ

フォークを使い、一つ一つの食材がどのように凝らされているか確かめるように食べている。その姿はさながら『ジョブチューン』の審査員のようだ。
 
外食したものが直接商品に活きた経験はあるのだろうか。
 
大坪 『ポップコーンシュリンプ』がそれです。
会長たちと一緒にニューヨークのホテルに滞在した際、ルームサービスを利用しました。そのメニューの中に見慣れない名前の料理があり、それこそがポップコーンシュリンプでした。名前のインパクト実際の味を知り、ピザーラでも商品化したい!とそのまま開発に向けて走り出しましたね。

ポップコーンシュリンプ

大坪 実際に料理として存在するものをピザとして開発するときは、ピザ生地を『1枚の皿』と考えます。例えばステーキ。メインの肉の横にはポテトがあり、彩りににんじんのグラッセやブロッコリー、いんげんなどの野菜が添えられますよね。それらを最適な組み合わせでピザ生地の上に配置するイメージです。

料理に使われている食材について、店員さんに熱心に質問する場面も

大坪 他店舗で食事をしてアイデアのヒントをもらうことは目的の一つです。ただ、何よりも大事なのは、さまざまなお店に行くことで自分の持つ味の基準を上げていくことだと考えます。『美味しさの基準』は年齢や食べるもので変わります。特に弊社のように、会長・社長に「美味しい」と思わせる商品を作るには、会長たちの味の基準に少しでも追いつかなければなりません。色々な店の味を知ることが、食材を知ることにも、使い方を学ぶことにもつながります。その点で三塚さんは伸び代が沢山あります。

大坪さんは三塚さんに、今日食べた中で一番印象に残った料理を尋ねた。
三塚さんはフレッシュチーズののったピザが一番印象的だったそうだ。理由を聞いた。

三塚 生野菜のえぐみも感じませんでしたし、何よりチーズが今まで食べてきたものの中で一番瑞々しくて美味しかったです。
 
理由を尋ねると明確な答えが返ってくるんだよね、と話す大坪さんはとても嬉しそうだ。

この三人の関係性はまるで家族のようだ。
家長の大坪さんを横で支える長女の定政さん、そして二人に見守られる末娘の三塚さん。
今後、この3人が中心となって生み出される新たな商品たちに期待がふくらむ。