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だから報道・情報番組は観てはいけない(6)メディアの罪

 テレビ離れと言われますが、メディ自身がつまらなくしています。また、報道が間違っていたり、手を抜いていることに視聴者は気づいています。
 そのことにいよいよ気づき、変革が必要です。

 視聴者・利き手が求めていることと、制作者・話し手が提供していることとの違いが大きくなる一方です。

相変わらずの東京一極集中

 全国ネット枠とローカル枠の区別をしないと、有益な情報は全く得られません。

  • 上野のパンダ
     誕生したときも、成長過程も、中国に帰国するまでのドキュメントも、上野のパンダばかり。パンダ好きのTBS安住アナだけが、全国各地のパンダを紹介していたように記憶しています。

  • 台風は東京まで
     台風の接近情報は、東京に接近するまでが大切で、あとはどうでも良いとも感じます。まるで報じなくなりますよね。

  • 情報番組の連休に向けた特番
     「東京から2時間で行ける穴場観光スポット」って、関東以外で役に立ちますか?こういうの、関東以外で放送されてもね。

 こういったことが何度もあると、当然多くの視聴者が離れていきます。また、コロナ禍以降はロケVTRを見たスタジオゲストが感想を言う、実に安価な仕上がりが目立ちます。
 関東一円の情報ばかりとなれば、さらにうんざりするわけです。

政府と同罪

 政府の非を咎めようと躍起になっているメディがありますが、指摘する以前に、メディア自身も誤報を発信していることに気づいていない場合があります。

  • 「子育て奇跡の町」で起こっていること
     人口増加や出生数の急増を遂げている町を取り上げ「奇跡の町」と謳っている時点で、メディア自身が”政府の人口問題・少子化・子育て施策に期待していない”と言っているようなものです。
     「❶どのような政策が有効で、❷何が必要で、❸他の地域にどのようにして広めていくか」を伝えることから始める必要があります。❶❷ばかりで❸が抜けています。
     つまり、地方創生です。

  • オンレコがオフレコ
     大臣や政府高官の失言は気になるところですが、発言者に「オンレコにしないといけません!」と通達をせずに毎日新聞社が独自判断でオンレコ情報となりました。さらに他社も一斉に追従するという何とも恐ろしい事態。
     この国のメディアは相当問題のある情報管理を行っています。

主旨がズレている

 いったい何が重要な情報で、まっさきに伝えるべきなのかが間違っているため、聞き手・読み手に内容が伝わりにくいことが多々あります。
 主旨がズレているため、もっとも大切な情報が後回しになっていたり、抜けていることすらあります。

  • 新快速の亀裂
     定期点検で新快速電車(JR西日本)に使う車両の台車に長さ11.2センチの亀裂が見つかったと発表しました。同社は原因を調査中としたうえで「体荷重を支える部位ではなく、列車の走行に影響を与えるものではない」としている。
     なので、結果よかったのです。ところが一部メディアでは、まるで「また見つかった。管理体制はどうなっているのか」と問いただすような記事になっています。
     繰り返しますが、異常がないかを確認するのが定期点検であり、異常を発見できたことは、むしろ良かったことです。

  • トルコ地震
     「発生から〇〇時間経過しました。」という報道が多いのですが、■日と〇時間の方が分かりやすいと思います。人命救助のタイムリミットが72時間なのは承知していますが、「200時間経過後の・・・」だの、「300時間近く経過しての生存者が・・・」とか言われても、もう数字に意味がないと思います。
     また、某ニュース番組では、東海したビルのそばから大声で中継して、現地作業員から「邪魔だ!」「静かに!」と咎められる始末。

 最も重要なことが何か、必要な情報が何かを選別し、伝える技量があまりに欠けていることが、視聴者に呆れられる理由です。

コンプライアンス?

 コンプライアンスを意識しすぎるからテレビがつまらなくなった、という意見があります。それは視聴者の責任でもあるかと思います。

 一方、SDGsを謳いながら、大食いやら激辛挑戦ってどうなのでしょうか。
 SDGsには懐疑的な私。とはいえ大々的に17の目標を宣伝し「目標2」には、以下の文言があります。

“飢えをなくし、だれもが栄養のある食料を
十分に手に入れられるよう、
地球の環境を守り続けながら農業を進めよう”

SDGs 目標2. 飢餓をゼロに

 テレビでは毎週のように、大食いやら激辛に挑戦する番組があります。これって矛盾しないのでしょうか。それこそ、倫理観が疑われます。
 これって、出演者に対する暴力でもあるとも感じます。

報道姿勢

 そもそも、テレビを中心とするメディアは、相手の非が激しく非難するも、自分たちのしくじりにはだんまりを続けることが多々あります。

  • まるで他人事
     元JA職員が「TBS『news23』に約束破られ身バレして退職」報道も番組はダンマリ。

  • 政府批判ばかり
     同局には政府批判ばかり続ける番組が散見されます。好き/嫌い、正しい/誤りの問題ではなく、公平性に欠けるということです。
     高市大臣云々の話以前です。まるで大臣からの圧力あったり、それに屈したかのような政治家の発言ばかりを取り上げるが、結局のところ屈することなく、以前にも増して勢いを留めることを知りません。

  • 渋滞情報
     大型連休にはレポーターを乗せた車を高速道路で走らせ、渋滞情報を中継してます。渋滞に加担したり、混雑しているサービスエリアなどに押し掛ける姿勢にはうんざりします。
     朝、昼、夕方と、漏れなく中継していた同局は、まったく環境にやさしくありません

 他人には厳しく、身内には甘い。喉元過ぎれば・・・のスタンスは、メディアが顕著です。

テレビ・ラジオというメディアの危機

 自らの仕事・業界に誇りをもち、国民の豊かな暮らしを実現したとおもっている関係者がどれだけいるのか疑いたくなります。

 連日、どの番組も「注目ワード」「バズったワード」「検索ワード」など、検索サイトやSNSをテレビ・ラジオで宣伝している始末です。

ということで、テレビを見ると思考能力が低下するばかりで、あまりお勧めしません。見るとするならばザッピングでしょうね。

ここまで読んでくださってありがとうございました。


その1(体質・構造)①~⑤
その2(話し手の質・内容)⑥⑦
その3(怠慢か意図か)⑧~⑩
その4(さらに5つ厳選)⑪~⑮
その5(そして)


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