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新規ホテル開業までのお話

○新規ホテル開業に向けて

最初は地元エリアだけではなく、伊豆半島、東京エリアについても検討し、探しておりました。東京の雑居ビルを視察に行ったり、廃業になった旅館、ホテルを探して、日々奔走していました。

私が勤務していたのは、地方都市にある小さなビジネスホテルです。銀行の融資の兼ね合いもありますので、めちゃめちゃ高い買い物、というのはできません。借入ができる金額というのは概算ですが、4億円くらいでした。

この金額を目にして、分かる方はすぐに分かると思うのですが、東京の物件、というのはほぼほぼ不可能になってしまいます😂

最終的に行き着いたのが、田舎の伊豆半島です笑

スピード感はかなりありますが、半年ほどの銀行との交渉を行ってきました。また、古びた旅館が対象の物件だったのですが、まだ営業中ということもあり、女将さんとの交渉も同時進行していきました。築何年くらいだったかな?確か50年くらいは経過していたと思います。雨漏りはしてる、廊下はカビだらけ、布団もめちゃくちゃ汚い、こんなところ購入して大丈夫かな、と正直思っていました笑

最終的に物件価格が概算3億円、リノベーション費用1億円での着地となりました。今思えばかなり割高な計画ですね。

そこから1年くらいかけてのリノベーションを行う予定でした。一刻も早く開業したい!との思いがありましたので、連日深夜までリノベーションに関する打ち合わせ。客室をどうするのか、旅館だけど洋風にするのか、導線をどうするのか、フロントのチェックインシステムをどうするか、サイトコントローラーは何を使用するのか、内装をどうするか、決めることは山積みです。

リノベを担当する工務店とも連日の打ち合わせ。工事費用、使用する建具、業者をどこにするか、こちらも決めることが山積みでした笑

1ヶ月の労働時間は300時間を超えていました。楽しかったですけどね!

暇な時があれば、自分たちで駐車場の草刈りをしたり、庭の剪定をしたり、金銭的にリノベの範囲外になっているところを自分たちで直したり、正に新しい家を作っているような感覚でした。

その他にも採用のお話を進めて行ったり、採用した方の教育も同時並行で進めていきます。ただ、館内は工事中のため使用することができません。近隣の会議室を借りて丸一日研修を行ったり、館内清掃を行ったり、慌ただしい日々が過ぎていきました。

○開業

なんやかんやで開業を迎えます笑

新しい施設は築50年を感じさせないほど綺麗にリノベーションされ、和風の雰囲気は残しながらも和洋折衷の近代的な施設に仕上がりました。外見までは手を入れられなかったので、外見は完全に和テイストですが…笑

開業日には想像よりも多くのお客様にご来館頂きました。まだまだシステムに不慣れなスタッフたちでしたが、お客様にも助けられ、大きなクレームもなく無事に初日を終えました。


問題はここから。田舎にできた綺麗めのホテルということで最初は話題になり、多くのお客様にお越しいただいていましたが、どんどんと客足は遠のいていきました。熱海のような観光地ではなく、ど田舎にある施設だったので、わざわざ観光に来るという方はかなり少なく、稼働率もかなり低い状態になってしまいました。

私の施設があった場所は10年ほど前まではかなり観光地として栄えていた場所でした。しかしここ数年は30%程が廃業、平日はやっていないような旅館も増えているような地域でした。このままではまずい… そう思い、色々な施策を打ち出しました。

○廃業危機?から満員御礼へ

やれることはとにかくやりました。

地元に住んでいる方へ向けたキャンペーン、近隣施設に向けた営業、東京エリアへの広告、地元の観光地との協業施策、近隣飲食店との提携、ネット販売の見直し、料金設定の見直し

一般的なコンサルの方がやっている以上に色々なことをやりました。2,3ヶ月ほどはなかなか結果が出ずに苦しんでいましたが、徐々に結果は出始め、平日が苦しいと言われる観光地ですが、平日でも70%程の稼働率にすることができました。

やり方についての詳しい内容についてはあえて触れません笑

もちろん繁忙期と言われるような夏休み、年末年始、GWには満員、土曜日もほぼ満室に近いような稼働率にすることができました。

○旅館業から保険業へ

以前の記事でも書いたと思いますが、私は現在外資系の保険外交員として勤務しています。そこについてはまた詳しく別の記事でも触れようと思います。

○まとめ

旅館業で働いていた時には色々なことを経験させて頂きました。ネット販売、施設責任者、営業担当、朝食作り、新規事業開発、融資、書ききれない程色々な経験をしました。まったく別の職種ではありますが、その経験は今でも活きています。

29歳でこれだけの経験をさせて貰えている人間は、日本でもなかなかいないのではないでしょうか?笑

本日もお読み頂きまして、ありがとうございました☺️

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