しゃぼん玉(乃南アサ)

犯罪を繰り返す不良少年が更生する物語、と言ってしまえばそれまでだけど、ラストは何度読んでも涙が止まらない。超おすすめです。

主人公が通り魔をする場面から始まって、酷い奴だなあと共感できないまま読み進めていくと、主人公は田舎のおばあちゃんに出会う。このおばあちゃんをはじめ、椎葉村に住む人たちの方言がとても良かった。すごくいいことを言ってるけど、方言によって堅苦しさが緩和されて、心に染みていく感じ。詳しいことを何も聞かずただただ受け入れてくれるおばあちゃんだったからこそ、主人公ははじけて消えてしまうような存在から脱却できたんじゃないかと思う。

脇役もすごく良くって、特にシゲ爺の存在もかなり重要。途中、思わず笑っちゃうような場面もあり、すぐに読了してしまった…。強いて言うなら、少年とおばあちゃんの再会シーンが読みたかったなあ。

最後に、好きだったシゲ爺の言葉を載せます。

「自分の力じゃあ、しょうがねえことも、そりゃあ、あるばい。じゃけんど、自分の生き方についちゃあ、しょうがねえって諦めたら、そこで終わりばい。諦めたら、人生なんかやり直せん。どげん若くても」

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