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どうやって、その人に合った学習方法を見つけるか(アドバイザーとして私が行っていること 1 私の基礎知識)

今年度(昨年春)から、某私立大学で、某国家資格試験を受験する学生のために、学習法相談を行なっています。春学期にはワークショップを数回、秋学期には個別相談を行ないました。ワークショップは自分に合った学習法を、自分自身で見つけるにはどうしたらいいか?という内容で、個別相談は、私が1対1でその人個人に合った学習方法を一緒に探って具体的に計画していく、という内容です。前者は受験者全員対象で集団で行い、、後者は希望者のみが対象で1対1対応です。

先日、その本試験が行われました。合格発表は来月なのですが、自己採点結果を報告する学生もいて、今年は昨年と比べて全体的に良い成績なんじゃないかな?と思わせる報告で、少しホッとしています。とりわけ、個人相談をした学生が、相談後に取り組んだ学習内容と、模試から本番までの成績の飛躍が顕著で、もちろんそれは私との個別相談の結果のみが影響しているわけではないとは思うのですが、少しは役に立てたんじゃないかな、と思って、嬉しいです。

この「私の方から行うアドバイスは、どのように考えて行っているか」を少しずつ書いていこうと思います。結構複雑なことをやっていると思うので、自分の頭の整理も兼ねています。

まず、アドバイザーである私の手持ちの知識は、以下のような感じです。
学習者の認知処理型の傾向を検討する時の知識の素材は大きく3つ。
1。特別支援教育等で用いられるアセスメントのK-ABCバッテリーを基に「同時処理」「継次処理」の両認知処理スタイルに応じた学び方の研究報告等(*1)
2。ディスレクシア研究の中で報告されているディスレクシアの「強み」の部分で「全体処理」(まーみ造語)に類似した部分。アスペルガー症候群をもつ人の学習指導等に関する内容の中で「順次処理」(まーみ造語)に類似した部分。
3。自分自身が自分の学習塾の塾生(複数)におこなった学習体験のインタビュー。
さらに、あえて言えば、
4。右脳・左脳、聴覚・視覚など、巷でちょこちょこ報告されているもの(ほとんど1〜3の中に含まれている)

ここで、特別支援や発達障害・学習障害の知識が入ってくることが、「どうなの?」的な感じはあると思うのですが、私が定義する「全体処理」=全体を把握してから細部の処理に入りたいと思うか、「順次処理」=細部を積み上げて全体を把握するか、を解釈するのに、重なる部分を参考にするということです。日本においては、認知処理に基づく学習については、このような分野でしか、具体的な議論がなされていないようでした(修士時代・・・昨年まで・・・の調べ)。

認知処理の傾向をなんとなくイメージしたら、具体的な学習方法を検討します。学習者の「学習目的」「学習目標」「環境(場所、時間、社会)」「過去の学習経験」「自覚している自分の傾向」などなど、その学習者個人の状況に合わせて考えます。
その時に、上記の「認知処理」の傾向への対処法と合わせて、
様々な報告されている学習方略(学習法)を、加えてアレンジしていきます。
様々な学習方略とは、主に「教育心理学」「教育工学」の分野において分析された「学生(小中高大)が採用している学習方法」を、修士時代にできうる限り集め、分類整理したので、それを参考にしています。

これらが、私の手持ちの基本的な知識です。
足りないような不安感も自分もあったのですが、今のところ、書店やネットなど、学習法をうたったどの記述や論を見ても、自分が持っている知識のどれかには当てはまるので、とりあえず、基本的なところは網羅できたのではないかと自負しています。

*1 一番まとまったものとしては
『「継次処理」と「同時処理」学び方の二つのタイプ 認知処理スタイルを生かして得意な学び方を身につける』藤田和弘, 図書文化社,  2019
個人的な感想・・・本書の、短所ではなく長所を伸ばす指導法という理念はすばらしく、いくつもの臨床に基づく「まとめ」として大変参考になる。が、賛同できないところもある・・・(個人の感想です!) 先生や保護者が、学習者を指導する時の方法という視点でまとめられています。

**経験談を話すときは「です」「ます」調で書いてしまい、研究報告的なものを書くときは「である」調で書いてしまい、自分でも「あーあ」と思っています。すみません。
noteを始める時に、何も考えずに適当に自分の名前を「まーみ」としたことも、「あーあ」と思っています。今から変えようかなぁ…

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