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「自分のやり方に合っていたため、楽しかった!」

先日、某大学での学習法ワークショップの2回目を行いました。
そこで、丁寧にこの2週間の自分の学習の取り組みを振り返るようなシートづくりを学生にやってもらいました。(自己調整学習サイクルの「内省」を深める外化)

ある学生が2週間前の”目標”のひとつとして、「同時処理タイプの勉強をしてみる」と書いていたのですが、その振り返りの書き込みが「できた!」ー「自分のやり方に合っていたため、楽しかった!」ー「またやりたい気持ちが出てきた!」ー「時間で決めるのではなく、曜日で決めた方が長続きするかも!」と書いていて、
私は「あ〜〜〜〜、ワークショップやってよかったーーー」と、じわ〜っと満たされたのでした。

ワークショップ自体の目的はいくつかあるのですが、基本の取り組みは「自己調整学習サイクル回し」(上掲の図)をやってみる、です。
私が「こだわっている」認知処理様式については、このサイクルに取り組む前に話します。その人に合う合わない勉強法がある、ということを強く認識してもらうためです。これをやらないと、自己調整学習サイクル回しも「こういう回答を望んでいるんだろう」的な、通り一遍のもの(今までの学校生活の中で「良し」とされていた学習方法)を書いてしまう人が多いように思います。
自分の認知処理様式が自己判断するための質問紙を作る試みに、修士の時失敗しているのですが、それでもそこそこ「機能」すると思うので、その時の質問を少し使って、学生に「自分はどっちタイプだと思う?」みたいなことをやります。
これをやることの効果は、この時のワークショップについてのコメントで、学生の一人(上記の学生とは別の学生)が書いてくれました。
「自分は完全な”同時処理型”だ、と決められると、勉強に際して正しい向き合い方がわかって、スッキリ&やってみよう!という気が湧きました!」
自己肯定感を促すのと、その上で自分が立てた学習計画に自己効力感(この勉強をやれば自分には力がつくと自分で感じられること)を持てる、ということです。自己効力感は、学習の動機づけに、強い力を発揮します。

最初に挙げた学生が、そこまで「この話」に影響を受けていたとはその時は気づかなかったのですが、彼は、2週間の間に、自分なりに新しい学習法に挑戦して、効果を感じたのだなぁ〜、と思います。
勉強を「楽しかった!」と感じてもらえたのが、一番嬉しい。「もっとやりたい」と思えてもらえたのが、すごく嬉しい。そして「時間でなくて曜日で目標設定した方がいいかも」という、同時処理型の特徴の一つに自分で気づいていったのが、最高嬉しい。
学びの旅は、紆余曲折。いろんな道があり、いろんな道を作る。
でも、その道中に、楽しさや、喜びや、自分に自信を感じていけるのなら、それがいい。むしろ、それを「人生」というんじゃないか、とすら思います。

以前、とある学習塾が宣伝広告の中で「勉強は誰にとっても辛いものです」と書いていたのですが、そうじゃない。少なくとも、学びを促す者が、そう言い切ってしまうのは違うんじゃないか。「学び方」を通して、自分を幸せにしていく方法も、一緒に探せたら、と私は思っています。


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