見出し画像

夢を叶えて、後悔してる。

夢を叶えたことはありますか?

私は今年32歳になりますが、
17歳からの夢を叶えた経験があります。

私は人生でずっと夢を追いかけていて、
しかも有言実行派なので、たいして親しくない人でも
みんな私の夢を知っています。
そして私の最大のモチベーションは
「口に出したからには叶えなければかっこ悪い」
ということなのです。

なので、もしあなたにとって夢が周囲に知られることが逆にプレッシャーになるならば、自分だけの大切な宝物で良いのだと思います。

本心かはわからないけれど、「夢があるっていいな」とよく言われます。
実は、今はそうも思っていないんです。
なぜだと思いますか?

さて、私の夢は高校生のころからひとつです。
某有名キャラクター企業(仮)の社員になることでした。

そのために、某企業に就職率の高い大学に浪人してまで入学して、
そのために、大学生時代はその企業でアルバイトをして、

そして、
新卒で、書類で落ちました。

その時点で4年ほど夢を見続けていたので
今でもそれよりつらい経験、ありません。
想いを語る場もいただけず、絶望しました。

で、新卒で入った会社はそうそうに辞めると決めて、
退職金ははじめから前払いで頂戴して、
正社員を辞めて留学して、チャンスを増やしました。

で。
その甲斐あって、留学後に内定をいただきました。
面接を5回くらいして、緊張の連続でしたが、
自分なりに温めてきた思いを伝えることができて
納得のいく結果でした。
(しかも、募集職種とは違う職種での採用でした。
ポテンシャルを感じてくれてのオファーでした。外資っぽい)

某キャラクターが書いてある名刺をいただき、
某キャラクターに就職報告にも行きました。
すごく喜んでくれて手を繋いで写真を撮ってくれて(泣きました)
今でも宝物です。

でも、1年で辞めてしまいました。

職場の環境に馴染めなかったこと。
人間関係で尊敬できる人がいなかったこと。
コロナ禍で会社の対応に不信感が芽生えたこと。
精神科にも通いました。
でも1番は、自分の夢の形が、現実と少し違ったことでした。

私が働きたかったのは、実はそのキャラクターを生み出した会社ではなく、そのキャラクターを上手に扱って、日本にシンクロナイズさせている、
運営会社のほうだったんだなぁ…と気づかされたんですね。

これ、非常に難しいところでした。
なかなか気づけなかった。
自分が思っている以上に「場所」「環境」って大きくてですね。
キャラクターって版権事業じゃないですか。
版元と、そのキャラクターを使っていろんな世界観を作っているのは、もしかしたら違うわけで。
ましてや老舗の、100年以上存在しているキャラクターだったりすると、
根底には製作者の思想がありつつも、多種多様な展開が世界中でされてるわけで。

……こんな抽象的な話をしても、ピンとこないですよね。すいません。

ただ、あまりに巨大なコンテンツの中にいると、ぼんやり全体を見て「好き」や「やりたい」や「興味」が生まれると思うんです。
でも、一人の人では決して作れない世界がそこにあるので、それはきっと、仕事のグラデーションの話なのだとは思うのですけど。
規模が大きくなるほど、純粋に1人で作り上げられるものはないわけだし。
だから、そこにある「何が」好きなのか。
はっきり見る必要があるようです。

あ、あとですね。
実は私の場合は、「夢を叶えたこと」をフェイスブックで周囲に発信して、ある程度満足してしまっていました。
これで夢を追いかけるだけの、みじめな自分から卒業できると思いました。
嘘つきにはならずに済んだという安堵感がありました。

この時やっと、私は「入社をゴール」にしていたと初めて知りました。

実際は夢を叶えても人生は続くので、夢をかなえても、また次の夢を作らないといけないのです。
これは、私にとっては盲目的な夢を叶えたからこそ得られた経験でした。
「ないものねだり」の自分ではなくなったことで、
ようやく自分の本当に向き合う時間が作れたのです。

それでも……
いじっぱりな私は、違う会社で働きながら、
今度は運営会社をやっぱり、目指しました。
今度はきちんと、入社の先の夢を作りました。

ただ、やっぱりその会社に落ちたことが人生の中で最も大きなトラウマになっていたので、応募にもかなり勇気がいりました。
久々に求人がでているのを見て、それだけで武者震いするほどでした。

自信がなくて、怖くて、実は社会人になってからずっと避けていました。
結局10年くらい、本当の夢を寝かせてしまいました。

結果。

また書類で落ちました。
人生ってうまくいかないものですね。

そして迷走した私はまた、提携企業を受験しています。

フラれたからすぐほかの男見つけて見返そうとするの。ほんと就活って恋愛と似ています。

「同窓会で久々に会った元カノが経験積んで、良い感じの大人の女性になっていた。別れたの惜しい」

来年こそそう思ってもらえるように、この1年、また頑張ろう。

いつかのアメトークで、なかなかブレイクできない芸人さんが言っていました。

「芸人を辞めようと迷ったときに、先輩に鼓舞されて、あぁやっぱり俺、お笑いが好きだなと思って、熱い気持ちを思い出して、諦められなかった」

これ、すごくわかります。
もう、実際や現実がどうこうじゃないんです。
あ、もちろん夢は叶えるために存在して、
そのために努力をするのは必定なのです。なのですが。

「夢を叶える」というのは、人生の大きな希望であり、それこそ「夢」であります。
それゆえ、夢を失ったとき、人生に張り合いがなくなってしまう。
私はこの発言を聞いて、自身の経験と重ねて理解したうえで、「夢は希望であると同時に、呪いである」と改めて思いました。

夢なんて、なければなくて良いのです。
そのぶんほかの幸せを叶えることができます。
自分の可能性をもっともっと知ることができます。
勝手な自由がそこにあります。
それでも、夢を見てしまったら。
夢を叶えないと、自己実現できません。
夢に破れたときは、劣等感とわだかまりが残ります。
(そんな自分も受け入れられれば、「呪い」の方も解けますが)

なんにせよ、私は夢がないと生き続けられない。
「夢」という幻想の海を泳ぐ、マグロのような、生き物です。

だから、私はこの言葉を信じています。
If you can dream it, you can do it.
もちろんこの言葉にはいつも相応の努力を添えて、ですが。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?