コーヒーマジック
私は、ビートルズを中学生の頃から聴いてるんですが
ビートルズを聴くようになったきっかけは、前衛芸術家のヨーコ・オノなんです
ヨーコさんは、ご存じかと思いますが、ジョンレノンの妻です
逆輸入的な?といいますかね
ヨーコ・オノにはまりこんで、ジョンレノンを知り、そしてビートルズに行きつくという、ちょっと変態的なルートでビートルズを聴くようになりました。
今でもよく覚えているんですが、
ラジオを聴いていたら、「ジョンとヨーコのバラード」って曲が流れてきたんです
ヨーコって、日本人の名前じゃないですか
しかも、ジョンレノンの妻?
…って、それ凄くない?
シンプルに、同じ日本人として、女として、ヨーコさんに興味を持ちました
当時私は、理不尽なまでに親の過干渉に発狂しそうになっていて
そんな中で、アートの世界で自由に生きていて
ジョンレノンという世界中で最も有名なんじゃないかという男の妻になり
世間の目など気にもしない、という姿勢がそれはそれは恰好良く見えたのでした
ヨーコさんの個展を見に行ったり、
ヨーコさんの本を集めたり
私も髪を伸ばし、黒いタートルネックに黒いパンツ、みたいな恰好をしていました
そんな感じでモロに影響を受けまして
大学は美大に進学して、オノヨーコみたいな前衛芸術とかやりたいぜ!
って思ってたんですけどね
まー反対されますわね
食っていけないの、目に見えているからね
でもそれ以前に、反対する親をねじ伏せてでも自分の意思を貫く
殴られても、金がかかる、親子の縁を切ると言われても、自分の意思を通せなかった
気概とか、根性とか、そういうものが私には欠けていたんだと思います
でも、大学時代に「アートは美大に行かなくたってできるよね」と、ある男性に言われて、ああそうかと思ってね
で、インスピレーション・アートを初めてやったのが25歳のときです
英語学校の友人のホームパーティで
「Coffee Magick」っていうのをね、やったんです
参加者全員に、1スプーン分のコーヒー豆を持ってきてもらって、
ひとりずつ、それぞれの愛を心の中で唱えてもらって、
ミルで挽き、共に飲む
参加者全員の愛がつまった、コーヒーを飲む
魔法がきいたかどうかはわからないけれど
その空間、その時間は
とても穏やかで満ち足りた時間だったのは
みんな感じていたと思う
そして、そんな豊かな時間を共に過ごしたことを
家に帰って、恋人や夫、子供に話したら
きっと笑顔になると思ったんだよね
家に帰って、いちばん愛を欲していたのは
私だったんだと、今気がつきました
そういえば、若い頃はそんなことをしていたんだ、
ということを思い出した夜です
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