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大学ではどんな数学学ぶの?『新入生の皆さんへ』その1


モチベーション

そろそろ高校も卒業して大学入学をワクワクしながら待っている人も多いんじゃないかと思う(2023年3月28日)。大学は学問の場なのでバイトに明け暮れるのではなく、勉強をして欲しいがその中で数学ではどんなことをやるかの紹介である。
私自身、大学の学部は教育学であり、独学で勉強したのち院から数学に転身した経験もあるので、これは必ずしも数学科だけへのヒントのための記事ではない。むしろ数学の本質は紙とペンだけあれば出来る独学性にあるので、他の理学部、文系、高校生〜社会人、誰でも参考になるように書こうと思う。

数学の三大分野

数学の三大分野には代数学、幾何学、解析学がある。(※私は解析学を専攻してたので他二つはほとんどやったことがなく、興味もあんまりなく、知識的にちょっとテキトウな箇所もあるのでその際は是非コメントで教えていただければと思います。)一言で言うと代数学は文字(記号)の分野、幾何学は図形の分野、解析学は関数を単位とした分野である。
三代分野を除くと数学基礎論という分野(数学の原始的な所への探求)、計算機の分野、数理物理学という分野、その他応用数学という分野がある。

代数学

高校数学では主に「方程式」に代表される分野である。数や文字(記号)に関する分野であるが、単位として文字を持つ。
方程式に対しては高校までは何であれそれの解を見つける、ということを主眼におこなってきたが、解を見つけることの価値というものは薄れることはないものの、大学からは実際的な形で解くことは難しいのでむしろ解の構造を分析するというアプローチがとられる事になる。
例えば方程式$${x^4 = 1}$$の解は$${ζ=\{1, i, -1, -i\}}$$であるがこれは複素平面上の単位円を角度360/4度で分割したところに解を持つ。ζは解の構造から円分体と呼ばれるものである。例えばこの構造は$${ζ=\{i^4, i, i^2, i^3\}}$$としてiを用いて把握する事ができる。素数pを考えた時、方程式$${x^p = 1}$$の円分体はz=1以外の任意の解だけを用いて表現可能だ。
単位として文字を考えてるという意味を少し説明する。今までは有理数なら有理数という分数全体として表せられる決まりきった構造を考えていたが、今後は解の構造ζというものをその場その場で分析したいので、今まででの比較で言うとむしろ数に当たる部分を何の意味も持たない記号として捉えた上で複数の記号の集合ζを考え、記号間の関係や演算をそこに与えるという違いがある。この意味で代数学の単位元は大きさのない記号だと考えれる。(※このことは解析学との違いを説明するまでピンとこないかもしれないが、のちに詳しく説明する)

代数学の応用

数学的応用としてはガロア理論が挙げられるだろう。つまり代数学を突き進めれば「5次以上の方程式の解の公式は存在しない」(※公式は存在しないが解は必ず5個存在する)という定理に行き着く事ができる。これは5次以上の方程式の解の構造を分析した成果である。モチベーションとしてはずっーと昔、1550年くらいの話、互いに方程式を出し合うという数学試合があり、それでどんどん方程式が解かれてきたという歴史がありそれによって3次方程式、4次方程式までの解の公式は発見された(例えば「数学試合 カルダノ」で検索)のだが、5次方程式はいつまで経っても解けない。そして最終的にそもそも公式は発見する事など不可能だということを発見したのがガロア(1811年10月25日 - 1832年5月31日)である。・・・という興味の自然発生的なことから始まるので大学からは無理やりそっち方面に興味を持ち始めたと言うわけでなくシームレスである。
また暗号理論は代数学の情報工学サイドへの典型的な応用である。暗号理論の構築に体という代数的構造を用いる方法もあるし、楕円曲線というものの構造を用いることがある。(※曲線というと幾何学っぽく感じるが、それは正しく、この後述べるように代数学と幾何学は蜜月関係にある。)暗号理論には逆元の発見を暗号を解読することと同一視し、その発見の難しさが用いられてる。興味深い構造を考えてるうちにその構造の複雑性が暗号の信頼性に寄与していると考えれば良い。(※即ちこの応用は代数学の間接的応用)

記事その2に向けて

次は幾何学、解析学の順で紹介していきたいと思う。またその切り分けについて考えていこうと思う。特に解析学と代数学との違いを抽象性と具体性、適切な抽象度という観点から、それから代数学と幾何学の関わりを紹介できればなと思う。

次回もお楽しみに!!
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