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小学校の掛け算には順序があるのか?

モチベーション

数学教育に関わらない人間も含めたセンセーショナルな問題になっているので。前回の投稿はちょっと難しかったかな、と思ったので今回は息抜きとして教育哲学と数理哲学の交差点である数学教育哲学付近を皆で考えていきたいと思ったから。
まず記事を書く前に以下をここに宣誓しておきます。
1、世論は無視。
2、高名な数学者の意見も無視。
3、何にも忖度せず自身の倫理と哲学を持って勝負する。
4、マルにするのかバツにするのかイエスノーで結論を出す。

順序が無い側の言い分

こちらの方がわかりやすいのでこちらから。
「それは絶対的真理、掛け算の交換則を拠り所にしてる。はい、シンプル!よってお前は○刑!」

順序がある側の言い分

文章題として「袋詰めされた3個のりんごを5袋買いました。全部でりんごは何個あるでしょう?」というのがあった場合、「直感的に3個のかたまりが5で3(個)☓5=15個と考えれますよね?逆に考えて5袋が3個って理解不能じゃ無いですか?」と言うこと。
シンボルチックに言うと単位がついてるから直感的に考えづらいと言うこと。

科学の中の数学とは

はじめに何かあるものを科学する時に数学が使われるのだが、その時の数学の位置を相対的に見極めなければならない。つまり現実的な問題を解き現実的な解を見出すという一連の流れはよく見ると、いくつかのフェーズに分かれてる。
①現実世界の事象を数学が使えるものに定式化する(モデリングと呼ばれる)。
②数学世界そのもの。(定式化されたものに適用する関数の集まりとみれる)
③数学世界を通して得られた結果を現実世界の近似に用いる。
ここで科学とは①〜③の操作そのものと言える。

今問題になっているのは?

今の問題としては文章題をどう数学的問題としてモデリングするかなので、問題にしてるのは①の部分だ。そして交換則が入っているのは数学世界②の部分である。

順序が無い側の言い分その2(ちょっと賢い人)

今順序が無い側がちょっと不利なんじゃないかと思えてきたと思うが、ちょっと賢い人は以下のような主張を展開してくるかもしれない。
「直感は常にmodify(修正の意)されるべきであろう。つまり交換則が入ってるのは数学世界と認めるが、この問題に限っては常にそれが成立するのだから、逆関数的に直感自体が修正されるし、されるべきなのは当然だ。」
つまり我々の掛け算の文章題に関する直感、モデリングの部分の直感をアップデートしなさいと言うことだ。

私の見解その1(どちらの言い分筋が通る?)

私はこれらを総合して掛け算に順序がある側の意見の方が筋が通ってるように思う。つまりある意味で3☓5を5☓3と書いてはいけないと言う意味だ。
なぜなら私は結構数学に取り組んできた方だとは思うが、実際的に掛け算の順序を交換したものは直感的に考えづらい。即ち経験則的に直感をアップデートすることは難しいと感じている。
違和感を持たずにできる人はやってもいいが、そもそもやることにどれだけの価値があるかも分からない上、あんまりやりすぎると科学の切り分けをカオスに引き戻してしまう恐れがあると思っている。(※これは教育的にその切り分けが見え難くなるのではなるのでは無いかと言うこと。例えば社会科学(もっと沢山切り分けが発生する分野)においてモデリングとしての書き出しが途中式だったら不要な混乱を招く。)

私の最終見解(マル?バツ?)

ここまで言っておくと「貴方はバツにするんですね?見損ない(?)ました。」と言う人がいるかもしれないが、それとこれは問題を混同してると言える。
私はただ順序があると思うのは科学的な正しい姿勢である。と言っているだけで順序を変えて書いてきた解答はマルにすべきだと思っている。
私はそもそも教育哲学的にバツをつけることにそこまで生産的な価値を見出していない。というかバツというマークなどつける必要もなく、もっと言うと点数もつける必要もないと思っている。
実際に私は点数をつけた側に回ったこともあるが、解答の8割が計算ミスで覆われているようなものでも全部正しい数値に赤ペンを付けて、ストーリーがあってるのでマルを付けると言うことを約10年前にもやっていた。
特にこの問題では順序が逆でも答えに間違いはないし、もし「順序が無い側の言い分その2」をされたら建前上マルにするしかないと思っている。

まとめ

この問題を通して数学は科学の中のどこにいるのか。また、教育に関する持論を語ってみた。私なりのイエスノーも完全に付けてみた。
ネットを探すとよくあるが、高名な数学者の意見を鵜呑みにしてみたり、「当たり前」と言う言葉を使って片付けてみたり、個人的にそういう態度はあまり好きではない。

そもそも自分で思考してみることこそ楽しいのだから!

もし良ければスキやコメント、フォローくださいね。戯言を聞いてくださりありがとうございました!

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