モチベーション

勉強をしていて意味不明で理解できないことに遭遇し、己の矮小さに打ちのめされる経験は腐るほど体験してきたが、概念や言ってることがものの構造が出来ない最も大きな理由がゲシュタルト崩壊にあると個人的に思う。
今回は難しくて理解できない局面に遭遇した時に、その状況を楽観的に捉えるという勉強のメンタルサポート的な記事を書こうと思う。

ゲシュタルト崩壊って何？

wikiによるとゲシュタルト崩壊とは

のことを言うが、簡単に言えば全体こそ本質なのに、部分にこだわってしまいそのものを理解できない脳の状態のことである。数学系の勉強をやっているとゲシュタルト崩壊によく出くわすが、大学一年生の頃に私が経験した典型的な例を紹介しよう。
xで表せれる全体を１次元空間、x-yなら２次元空間というが、大学になると特にこだわりがない限りはn次元空間を仮定した上で議論を進めることになる（n次元ユークリッド空間と呼ぶ）。つまり変数$${x_1, x_2, …, x_n}$$が表す空間のことである。この表記でも分かるように、この概念を飲み込むためには変数$${x_1}$$、変数$${x_2}$$、変数$${x_n}$$、それから変数が間にたくさんあることを表す概念「…」の少なくとも４つを飲み込む必要があると思える。例えばこの上で微積をするとチャンク（※人の短期記憶の限界）が７つであることを加味すると到底理解できるものではないと思える。（実際に大学一年生の頃にn次元での微積がなかなか読めなかった経験がある）

ゲシュタルト崩壊を治す

ゲシュタルト崩壊に遭遇すると結構打ちのめされ、精神的にまいる。どうすれば治るのか？この最もストレスのかからない方法が寝ることである。睡眠がゲシュタルト崩壊を治す効果があることは（ちょっと簡単な検索しても出てこなかったが）経験上明らかである。寝なければ人は死んでしまうので、もはやこれは方法ですらないが、あまり悩まず寝なさいというのは一つ心の支えにできる教訓である。

ゲシュタルト崩壊を治す（最近の発見）

ヨーロッパには「見つめる鍋が煮えない」という諺があるが、この諺はある本を読んで１０年以上前に知っていたのだが、これがゲシュタルト崩壊の解消の知見を与えてると思えたのが最近の発見である。
つまりある難解な概念に出会って打ちのめされている時に、毎日その本を開きやっていても中々理解できない、こんな時は上記諺を思い出し、一旦その本から距離を置き思い出した頃に再び開くと何故か理解できるようになっているという現象である。
これは寝てゲシュタルト崩壊を治すの延長線上にあるとも思えるが、本質的にそれを超えてる部分がある。即ち、ゲシュタルト崩壊は時を超えて治るということだ！さらに凄いことに経験則として最近数学から離れた時期がだいぶ長く続いたのだが、数年の時を超えてそれが治ってる経験に出くわした。つまりゲシュタルト崩壊は数年単位の長期スパンで治るということだ！これは少なくとも経験則から言えてることなので、ゲシュタルト崩壊は生涯を通じて治るという（自身の）仮説を信じている。

理解できないことにも価値がある

ゲシュタルト崩壊を治す為にはゲシュタルト崩壊を引き起こさないと駄目だ。つまりある理解したいと思う構造は理解出来ずとも頭の中に一度通さないと理解することはないということだ。微積が理解出来なくても、微積を読んだ、少なくとも「見た」、「聞いた」経験がないと微積を理解することは不可能である。
最悪の例を出す。思考する力が弱かった幼い頃に教師から理不尽を言われた経験が誰でもあると思う。しかし、その頃は分からなくても自分が大人になっていくと時を超えて脳が勝手にその理不尽を論破するようになるという経験もまた一人一人の中にあるのではないだろうか？これこそゲシュタルト崩壊が時を超えて治ってる証拠である。しかし当然、経験として脳というまな板に乗せなければ、理不尽を論破することは出来ない。

蟻の目　鷹の目

ゲシュタルト崩壊に関することは蟻の目、鷹の目とも言い換えることが出来る。ゲシュタルト崩壊は蟻の目だが、時を経て鷹の目に自動的にシフトするという意味だ。しかし、蟻には蟻にしか出来ないこともある。その最も優れたことは局所的な突破力である。
数学の計算問題や論理の深い所を一気に駆け抜けていく力は短期間集中して同じことに取り組まないと中々出来ることではない。
なので「蟻の目は勝手に鷹の目になるので安心しましょう」、とは言ってもゲシュタルト崩壊お構いなしにグイグイ突き進む人は強い。（それは脳に理解出来ない概念を沢山通すという意味でも）。

まとめ

つまり脳の力は凄いのでゲシュタルト崩壊が起きてしまってもあまり悩まず寝てしまえば勝手に問題を解いてくれるということだ。

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