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吉野弘「ほぐす」

引越しの日程はまだ具体的には決まっていませんが、
バタバタと慌てずに済むように
今から少しずつ片付けを進めています。
今日は昔の手帳や写真を手放そうと思います。

そんな中、片付けをしながら吉野弘さんの詩を
思い出しました。

小包みの紐の結び目をほぐしながら
おもってみる
― 結ぶときより、ほぐすとき
すこしの辛抱が要るようだと

吉野 弘「ほぐす」より一部引用

この詩に出会った時は、自分が離婚に向かって
準備する日が来るとは思ってもいませんでした。
人生は何があるか分からないから面白いですね。


紐であれ、愛欲であれ、結ぶときは
「結ぶ」とも気づかぬのではないか
ほぐすときになって、はじめて
結んだことに気付くのではないか

だから、別れる二人は、それぞれに
記憶の中の、入りくんだ縺れに手を当て
結び目のどれもが思いのほか固いのを
涙もなしに、なつかしむのではないか

吉野 弘「ほぐす」より一部引用


今年で結婚十六年目。
精神的にも物理的にも結び目が沢山あります。
少しずつ少しずつ、主人との結び目をほぐしていきます。