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縁側でぼーっとするように生きてみる

どんなふうに生きていきたい?

そう聞かれたら、なんと答えるだろうか。

わたしは
世界をのんびりと旅しながら生きていきたい。
そして、
のんびりとぬくぬくしながら生きていきたい。
端的に言ってしまえば、
ナマケモノで生きていきたい、のである。

そんな願望が漏れ出ていたのかは知らないが、
昔から毒舌な姉にはナマケモノとよく言われていた。
なにせ動かない。
わたしの家族は旅行が好きで、
小学生のときは毎年何回もスキーに行ったりキャンプに行ったりしていた。
けれど動くことがそもそも好きではないわたしは、
自分の荷物を用意したらあとは動かない。
みんなが何かしている間も基本的にぼーっとしている。
姉としては、そんな妹に腹も立っていたんだと思う。
それはもちろん姉だけではないけれど…

動けと言われるのも嫌だった。
なんで動かないといけないんだろうって、
本気で思っていた。
わたしが行きたいと言ったわけじゃないのにって。
なんてかわいくない子どもだろうか…
まあ、そんなことを言われたら怒りたくもなるかもしれない。
そしてナマケモノと言われるたびに、
本当にナマケモノになれたらいいのにと思っていた。

ナマケモノの名誉挽回のために言っておくと、
ナマケモノは確かに動かないが、
トイレのときは言葉の通り「命懸け」だそうだ。
ナマケモノの死因の第1位は
”トイレに行くときに襲われること”
なんだとか。
それを考慮すると、
わたしが命をかけることなんてないから、
ナマケモノのほうが一生懸命生きているかもしれない。

脱線してしまったので話を戻そう。
日本人はとても真面目だと思う。
そしてとても律儀だと思う。
けれど、自分にも厳しいがゆえに
他人にも厳しくなっているのは否定できないと思う。
自分に厳しく、人に優しく
そんな言葉があるけれど、
自分に厳しい人は総じて他人にも厳しい。
自分に何かを課している人が
他人には優しくできるなんてことあるはずがない。
それは自己犠牲だ。

自己犠牲を美徳とする人もいるかもしれないが、
自己犠牲の上に成り立っている幸せは
本当の意味での幸せではない

それは偽りである。
まあ、こんなことを言いながら、
わたしも自己犠牲をだいぶしてきたほうだと思う。
家族が幸せなら自分なんてどうだっていいと
本気で思っていたし、
姉や弟が結婚したときには、
幸せだからもう死んでもいいと思ってもいた。
自分の幸せが、=誰かの幸せだった。
そのおかしさにも気づけていなかった。
けれど、そんな人もいるんじゃないだろうか。
誰かの幸せ=自分の幸せ
そう思っている人が。

幸せというのは一人ひとり違うものである。
コーヒーを好きな人と紅茶が好きな人で違うように。
それなのに、誰かの幸せ=自分の幸せと感じているならば、
それは自分を無視していることになる。
自分にとって何が幸せなのかを、
いま一度考えてみる必要があると思う。

わたし自身、「あなたにとっての幸せってなんなの?」
そう聞かれたときに答えられなかった過去がある。
少し考えて出た答えが
「母親や姉や弟が幸せで笑顔であること」だった。
そして言われたのだ。
「家族の幸せを願えるのは素敵なことだけれど、
それは、あなた自身の幸せではないよね?」と。
あなたはどうなりたいの?」と。

これを読んでくれているあなたは、
なんと答えるだろうか?
当時、そう聞かれて答えられなくなったわたしは、
今ならこう答えると思う。
「世界のワイナリーを巡りたい」
「好きな人と結婚をして自分も家庭を築きたい」
「働かずしてお金持ちになりたい」

こんな願いすら、当時のわたしには考えもつかなかったし、
自分は望んではいけないと思っていた。
何も望まないことが美しいことと思っていたから。
けれど、何かを望むことが野蛮なわけでは決してない。
わたしたちは誰かの人生を歩むために生まれてきたわけではないし、
誰かを引き立てるために生まれてきたわけでもない。
自分たちの人生を生きるために生まれてきた。
大人になる過程で、
それは良くないことと思い込んでしまっただけで。


ぽたぽた焼きのおせんべいを知らない人もいるかもしれないが、
わたしの夢の一つは
ぽたぽた焼きのおばあちゃんのような
かわいいおばあちゃんになること。
あんなふうにニコニコしながら縁側でお茶を啜りたい。
縁側じゃなくても(今はあるお家が少ないから笑)、
窓際でのんびりと日向ぼっこをしながら暮らしたい。
そんなゆったりとしたリズムがわたしは好きなのである。

こないだも友人たちとお茶をしたら、
8人いてただ一人、急須のほうじ茶を啜っていた笑
まあいつものことなのだが、
なんだかズレているよなあと感じる出来事だった。


あなたの理想とする生き方はどんな生き方ですか?
あなたにとっての幸せってなんですか?


忙しくてそんなことを考える暇もないかもしれないけれど、
ちょっと空を見上げて、
ちょっと寝るまえに、
自分に聞いてみて。

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