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【日記】今はなぜか前しか見えない

金曜、アラームが鳴る40分前に目が覚めてそのまま起きる。破茶滅茶に眠くてどうにかなりそうだったがCourtingの新譜に活力もらう。前作からガラッと路線変更をしたみたいだが、期待通りの出来栄え。何周しても飽きないバランス感覚が秀逸。そういえば今朝の夢、東京からロンドンまで地下鉄で向かう夢だった。オレンジ色のデッカいナイロンケースと薄暗い電車内だけがなぜか記憶にある。

仕事、全然進まず。腹痛と空腹と疲労と睡魔と、あと何?週明け月曜火曜の元気は何処へ。フラフラで退勤。コーヒー屋に寄るなり、楽しみにしていたうちゅうのスムージーを手に取る。真紅の血が輝いて♪なんてバンプオブチキンのかの名曲のワンフレーズが流れてきそうなほどの毒々しく煌めいた赤色。言わずもがなラズべリーです。KABUKI(名前がカッコいい)。久々に常連でひしめく金曜日だったけれど、眠気と寒さで一杯飲んで帰宅。ケンタッキーでLサイズのポテトとチキンチーズフィレバーガー。久々のハイカロリーが嬉しくて飛ぶ。

0時半頃に彼氏が家に来る予定だった。のだけど、23:50に「待ってるよ」と送ったきり、強烈な睡魔についに負かされ寝てしまった。夜中に鳴ったインターホンに気付いて起き、ああやっと来たのか〜と寝ぼけ眼で迎えたら「…今4時だよ」と伝えられ、自分を疑った。20回以上電話をくれていたみたいだが全く気付かず気絶していた。近くに住む後輩の家にお邪魔していたらしいけど、寒い中本当に申し訳ないことをしてしまった。猛省。シャワーだけ浴びてもらって謝りつつ5時頃寝た。自分が辛いだけならまだいいけど、寝不足で人に迷惑をかけてしまうなんて最悪すぎる。猛省。

土曜、11時半頃起床する。代謝の良い彼氏の隣はいつも安眠できる。まだ眠いけど気持ち少し回復。ライブに行く彼氏を見送って自分もいそいそと支度する。あ〜昨日は本当にやってしまった、と反省しながら。一度コーヒー屋へ寄ってスムージー注入。初めてお酒を飲んだのはいつだったか、という話。自分は高校生の頃に交際していた塾講師にほろよいを買ってもらっていたのがきっかけ。今では夫婦揃って一滴も飲まない犬連れの女性の方が、「私中学生からサワー7杯とか飲んでましたよ」とびっくりカミングアウトをし始めて一堂騒然。タイムアタックで流し込んで移動。夜に最寄駅へ戻り、肉と麦へ。

昨年末に訪れた参宮橋のバー、bar Shanksの周年祭。肉麦の常連も来てるかと思いきや、ほとんどがシャンクスの常連で正直肩身が狭く。ただシャンクスのご夫婦の女性の方が自分を覚えてくれていて嬉しかった。12Lだか15Lだかのクソデカワインボトルが開けられるのを見た。大味かと思ったらすごく飲みやすかったので伊藤さんに伝えたら、「なんかよくわかんないけどワインは大きい方が味が落ち着くのよ」とのこと。わかんないんだ。

会費7,000円は高いな〜と思いながらフリーフードのおでんを食べる。あつあつでしみじみ美味い…。でも、タイムテーブル化されたあらゆるお店(自分は帰ってしまったけど、日記メンバーの方々と行ったブイプラスの店長さんも冷菜を振舞うとのことで来ていたみたいだった)のフードメニューが、シャンクスの常連たちに掻っ攫われて一つも食べられず残念。なんだか期待外れだな〜と思って22時頃帰宅した。コンビニで色々買ったものの、急に気分が変わって夜な夜なパスタを茹でる。柚子胡椒チーズソース。元々生粋のパン派だけど、最近は特に小麦に飢えている。明日浮腫むなあと思いながら1時頃寝た。

日曜、地震で一度起きる。怖かった。体重が0.5kg増えていた。胃の膨満感を気にしながら昼に門前仲町へ。深川不動尊に行った。下町の風景に馴染みがなく、観光しに来ました、みたいな気分になる。東京出身なのに。参拝をして立ち飲み屋へ。「力士みそ」って初めて食べたけど、味噌というよりもにんにくに味噌ちょっと塗しましたみたいなパンチがあって、こういうのを突き詰めるとやがて塩で飲むようになるんだろうな…と思った。酒粕クリームチーズは対照的にまろやかでとても美味しかった。黒ラベルをジョッキで3杯飲み、寒すぎて退散。震えるほど身体が冷えているのを感じる。

酔いに任せてファミマでクリームたいやきを買って(10代の頃一番好きだったコンビニスイーツだ)部屋に着くなり封を開けた。昨夜のパスタとジョッキビール3杯分がのしかかっていて胃が張って苦しかったけど、そうなるともう結構どうでもよくなってしまう悪い癖。太りたくない気持ちと欲求を満たしたい気持ちが拮抗する。自分が「普通」になってしまったら何も自分を主張できるものがなくなってしまうことが怖い。特別でありたい。見限られたくない。

夜にいささか不快感を覚える出来事があり、苛立ちを鎮めるように下剤を飲んで1時頃寝た。休んだ気がしなかったが、明日はペリカンファンクラブのライブ。悩みは尽きないけれど色々浄化できたらいいなと思う。

月曜、出社。週末の鯨飲馬食で顔が浮腫んでいる。人生ベストオブ映画を挙げろと言われたら『百円の恋』だと思う。クリープハイプがまだインディー時代の名盤『死ぬまで一生〜』をリリースして間もない高校生の頃、HPでの告知を受けてレイトショーで観に行った。当時同じくクリープハイプやキュウソネコカミが好きだった美人の元友人も一緒だった。内容のほとんどはもう忘れてしまったけど、まだ青く、都会に染まり切っていなかった自分にとっては、あの時スクリーンに映し出されたぼろぼろの安藤サクラを含め、時間、流れる空間を含めて刺されるような衝撃を受けた。

終わったのは始まったから/負けたのは戦ってたから
別れたのは出会えたからってわかってるけど
涙なんて邪魔になるだけで/大事な物が見えなくなるから
要らないのに出てくるから/余計に悲しくなる

「百八円の恋」、今聴き返しても(実際に聴いたら自分の中でせきとめていた感情がぼろぼろと溢れそうで聴けないのだけど)スゲー曲だし歌詞だ、と思う。文法度外視の「から」で繋ぐことで伝わる、自己を肯定したいために理由づけをする必死さ。恋愛だけに限って感情移入するような歌じゃないと思う。特に、自分みたいな上っ面のプライドを振り撒いてきたような地盤不安定の人間にとっては。ベストオブ映画というよりもベストオブソング?いや違うな。ベストオブメモリーかもしれない。

夜に退勤して下北沢はベースメントバーへ。今年最初のペリカン ファンクラブを観に。ベーメンで観るなんて記憶が定かであれば6〜7年ぶりかもしれない、最後に観たのは羊文学(それこそもう二度とあのキャパシティではやらないでしょうね)と来来来チームとのスリーマン。調べたら2016年だった、8年前?2016年が8年前ということがまず理解できない。当時、19歳(下手したら18歳)。

ただ、8年経っても彼は全く変わらない。劣るどころかペリカンファンクラブとしてのエンドウアンリをどこまでも貫く人だ、と思った。フロアの中央で、当時散々追っかけをしていたファンの子と再会し観たのが非常に感慨深く、途中隣をちらっと見ると彼女はぽろぽろと泣いていた。彼女はペリカンが好きという気持ちだけで専門に進学し、今は都内のライブハウスで照明の仕事に従事しており、一度ペリカンとBBHFの2マンで彼らの照明を担当したことがある。お互いに、ペリカンファンクラブなしではここまで来られなかったじゃんね、と改めて思う。

「ここまで来られなかった」と感じるのと同時に「こんなに遠くまで来てしまった」とも思っている。色々な音楽に触れて様々な体験をする中で、彼の音楽から心が離れてしまう時もあれば自分の現在地に自信がなくなる時もある。希死念慮が過ぎることも少なくない。しかし彼に青春時代を彩られ、そしてその青春は今も続いているということを、数年ぶりのステージで披露する懐かしい楽曲の数々を以て示された気がした。自分がここにいるのは、紛れもなく彼に追いつき、また追い越しさえしたいと思ったからだ。年齢を重ねることへの不安が、30歳を迎えてもなお自己を貫くエンドウの姿を見て、少し薄まった。

今はなぜか前しか見えない/甘い甘い匂いに誘われた
遺すものは何もない帰りたい場所にたどり着けなくて

セトリに組まれていたわけではないけど、「ファ」のこの歌詞の意味が、この年になってやっとわかったような気がして、帰路をたどりながら何度も繰り返し再生した。

家に帰りシャワーを浴びる。久々にメンタルが穏やか。主催のパノラマパナマタウンをSpotifyで流しながらコンビニで買っただしまきなどを食べた。岩渕が「皆が好きなことをして生きていけるように俺たちがそのレールを敷いていくから」と言っていたのが、彼らの独立記念というイベント背景も相俟ってカッコよく思えた。インスタ投稿して0時半頃寝た。