幽霊花の咲く頃に ~第二話~

※ タイトルはまだ決まりません。暫くこのままでお付き合い下さい※

【息】
息が荒くなっているのが解った。片手で胸の辺りを押さえつつ、襖に手をかける。覚悟を決めて横に引いた。
襖の向こうは真っ直ぐに伸びた廊下だった。等間隔で襖が並んでいるのが薄らと見えるが、暗くて全貌は確認出来ない。恐る恐る顔を出してみる。私がいる部屋の両隣にも同じように襖があった。部屋が幾つも続いているみたいだが、それ以上のことは解らない。
廊下に出てみる。人の気配が一切感じられないのは不気味なことこの上なくて動きたくないが、早く行けと急かす自分もいた。
結局このまま佇んでいても仕方がない。ひとまず真っ直ぐに進んでみることにした。

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