【風】
風鈴が窓辺で揺れる季節に僕達は再会した。
「あ」
思わず声が漏れた。
構内を一人で歩く君を見付けた。
何と声をかけたらいいものか、思考をめぐらせていると君と目があった。
「あの」
今しかチャンスはないと思った。
「僕のこと覚えてますか?」
暫しの沈黙の後、君は口を開いた。

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