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土木技術者の系譜-下水道の日に思う-

 9月10日は下水道の日。偏集長のマツです。

 当時日本だった台湾の人たちをマラリアやコレラから救ったウイリアム・バルトン、その弟子の濱野彌四郎(はまのやしろう)、そして、その弟子の八田與一(はったよいち)の三人の土木技術者の名前を知っているだろうか?
 特に覚えていただきたいのは、医師兼国会議員第一号だった濱野昇(はまののぼる)の養子、濱野彌四郎だ。なんと23年間も台湾の上下水道整備に貢献している。

 烏山頭ダムプロジェクトの完成によりスーパーヒーローになった八田與一をご存じの方は多いだろう。濱野は、その台湾総督府における上司として、八田に命を守る「土木のこころ」を刻み込んだ男でもある。

 近代上下水道を日本に伝え、日本を愛し抜いたスコットランド人バルトンの弟子であった濱野は、伝染病を減らし、暮らしを支える近代上下水道技術を日本各地に普及させている。そして、その魂は、いま現在も土木工学の核の一つである「衛生工学」として受け継がれている。興味を持たれた方は、ぜひググっていただきたい(/・ω・)/

 上のイラストは、土木学会土木偉人かるたの一部です。また、バルトン先生の活躍について知りたければ、平成28年度土木学会出版文化賞を受賞した「バルトン先生、明治の日本を駆ける!近代化に献身したスコットランド人の物語」(稲葉紀久雄著)がおすすめです。

 伝染病の駆逐には土木技術者の活躍が欠かせないんですね。頑張ろう!

文:松永 昭吾(マツ) from DOBOKU偏集長
土木酒場大将。51歳。酒と本をこよなく愛する土木技術者。「土木は優しさをかたちにする仕事」がモットー。噂の土木応援チームデミーとマツ共同代表。土木学会土木図書館委員会委員・土木学会誌編集委員・地震工学委員会委員・fromDOBOKU編集長。土木偉人かるた部西部支部長。マンホール探検隊九州支部長。(株)インフラ・ラボ代表取締役、(株)サザンテック執行役員上席技師長。工学博士・技術士・防災士。