見出し画像

vol.1熊本にゆかりのある本の読み聞かせ「葉祥明先生」と「キジ馬くん」

絵本は、自分で読んでみる。
自分で声を出して読んでみる。
読み語りを聴いてみる。

同じ本なのに、触れ方の違いで、心への届き方がちょっと違ってきます。

アクアイグニス仙台の温泉「藤塚の湯」湯あがり処ライブラリーカフェがあって、温泉上がり、思い思いのスタイルで本を読んでいます。

オープンから2年経つと多くの人に読まれた本は、少し見栄えも悪くなってきました。
見方を変えると、本が愛されてきたということになります。

「息子から、絵本が読みたい」そう言われてきたというお父さん
夢中になってページをめくる子供達
読んで とお母さんにせがむ女の子

たった一冊の本は

これからの人生の背中を押してくれるかもしれない。
あの時に読んだ、なつかしい本になるかもしれない。

このスペースでくつろぎながら読む本は、もしかしたら誰かの大切な1冊になるかもしれません。

この場所は誰かの特別な場所

東日本大震災から今年で13年目のタイミングからスタートした全国御礼物産フェアでは、その土地にゆかりのある本をセレクトして読み聞かせをしています。

vol.1熊本フェアでは、東京の熊本観光課の方に相談しました。

「熊本にゆかりある本をご紹介いただけますか」

「子供が読みやすい本はありますか」

担当の方は、県の図書館に問い合わせ、熊本に縁のある20冊くらいを一覧にまとめてくださいました。(この記事の最後に掲載します)

まずはその本を、近くの図書館で閲覧(まずは可能に限り全てに目を通します)

アクアイグニス仙台湯あがり処「ライブラリーカフェ」

リストから、今後、ライブラリーカフェに寄贈する本2.3冊の選定。

更に、1冊か2冊「読み語り」をする本を選びます。

この場所で本を読んだ記憶。
一緒に過ごしたお父さん・お母さん、おじいちゃんやおばあちゃんとの懐かしい記憶となること。
アクアイグニス仙台が、ふるさとになることを目指します。

本は、知れば知るほど奥が深く、本が出来上がるまでの背景にも触れることになります。

新たな発見は私自身の楽しみにもなっていて、読み語りでみなさんにもお裾分けしたい。そんな気分で取り組んでいます。

全国御礼物産フェアvol.1熊本

全国御礼物産フェアvol.1熊本の読み語りのチラシ

昨年10月、北鎌倉の葉祥明美術館に引き寄せられるように立ち寄る機会がありました。この時はまだ熊本のイベントは決まっていなかったので、葉祥明先生の作品は読み聞かせに選びたい本ばかりだなーと思って、しばらくこの場から離れられませんでした。

北鎌倉葉祥明美術館

葉祥明先生について
葉祥明は1946年7月7日に熊本市で誕生。18歳まで熊本城近くの熊本市中心街で過ごし、東京の大学に進学します。在学中にファッションイラストレーターを目指すものの、同世代の絵本作家「谷内こうた」氏の作品を偶然目にしたことで、絵本の制作を始めます。そして1973年に絵本『ぼくの べんちに しろいとり』で絵本作家としてデビューしました。 

その後、アンパンマンの作者である「やなせたかし」氏に見出され、“メルヘン作家”として活躍。サンリオからポストカードやステーショナリーなどのイラストが使用され、美しい情景を描いた風景画が人気を博しました。画業40年を越えてなお、絵本作家として新作を発表し続け、近年では、幸せで心穏やかな人生を送るためのヒントを書いた「言葉」が注目を集めています。

葉祥明さんについて(北鎌倉葉祥明美術館ホームページより)

2016年4月16日の未明に、震度7の大地震が熊本を襲いました。この地震により人命と多くの方々の平安な生活が奪われ、「葉祥明阿蘇高原絵本美術館」がある南阿蘇の山々・大地も大きく揺れ被害がありました。その後、年月をかけて復興を遂げています。

読み語りに選んだ本
1冊目は、熊本を象徴するタイトルが決め手ともなった
「ASO阿蘇、ぼくの心のふるさと」葉 祥明/絵・文 佼成出版社 2005.6 

ASO阿蘇、ぼくの心の故郷

一人の少年が、阿蘇の美しい情景の中で成長をし、やがてその先にあるものを見たくなります。
少年はある時、夢を手にするために外の世界に踏み出し、夢を追いかけて月日が経過していきます。

そしてまたふるさとに立ち、自分とふるさととの見えない会話を深める作品。とても美しい熊本の情景と共に展開されています。
(※葉祥明先生の「ASO阿蘇、ぼくの心のふるさと」は現在販売されておらず、手に入れるのに苦労しました。)

そして、もう1冊読み語りに選んだ本は

「川があふれた!まちが沈んだ日 生きる力をくれたキジ馬くん」

『川があふれた!まちが沈んだ日 生きる力をくれたキジ馬くん』   古山 拓/絵 パピルスあい 2021.7 

令和2年7月熊本県の人吉地方を流れる球磨川で豪雨災害がありました。
「くまがわ亭」のシンボルとして愛されたキジ馬くんが、川の氾濫で流され、奇跡的に戻ってきたお話です。(キジ馬くんは子どもの健やかな成長を願う縁起物として、昔から親しまれている人吉・球磨地方独特の郷土玩具)

作画の古山拓さんは宮城在住で活動をされていることがわかりました。
すぐさま古山先生に直接ご連絡をすると、ちょうど東京聖路加病院での個展があるというので伺いました。

先生の描く子供のイラストは、愛らしく表現されていて心惹かれます。

画家の古山先生と聖路加病院の個展会場にて

古山拓:イラストレーター・水彩画家
1962年、岩手に生まれる。仙台市在住。画家・イラストレーター・絵本画家。
東北学院大学史学科西洋古代史専攻。アニメーター、印刷会社、広告制作会社を経て、水彩とイラストレーションの制作アトリエ「ランズエンド」設立しました。絵は独学です。高名な画家に師事したり、有名な美大を卒業したわけではありません。アニメ・広告イラストといった「描く現場」で得た独自のスキルで、イラストレーション、絵本、旅の透明水彩画の個展発表、講演まで幅広い分野で活動しています。
また、絵と社会の接点の可能性を探るべく、自身のギャラリーショップ「アトリエアルティオ」を蔵王国定公園内の森の中に構えました。こちらではお客様をお迎えして水彩画やヨーロッパの雑貨を楽しんでいただいています。

(古山拓ホームページアーティスト紹介より)

「藤塚の湯」ライブラリーカフェに仲間入りした熊本ゆかりの絵本
①『川があふれた!まちが沈んだ日 生きる力をくれたキジ馬くん』
古山 拓/絵 パピルスあい  
②『空気さんありがとう!』
葉祥明/作・絵   自由国民社
③『くまモンとブルービーのなかまたち』
葉山祥鼎/作  中央法規出版


熊本に関する絵本や児童書について

【葉祥明さんの本】
①『ASO 阿蘇、ぼくの心のふるさと』
葉 祥明/絵・文 佼成出版社 2005.6  絵本

【熊本の民話・昔話・童話など】
② 『ぼんさらや くまもとの昔話』
志岐 有子/再話 志岐 有子 2007.11  絵本

③『ひこいちばなし むかしむかし絵本 1』  
  大川 悦生/ぶん ポプラ社 1967.5   絵本

④『熊本のむかし話』   児童書
 熊本県小学校教育研究会国語部会/編 日本標準 1973.12 

⑤『読みがたり熊本のむかし話』  児童書
熊本県小学校教育研究会国語部会/編 日本標準 2004.7  

⑥『熊本の童話』
日本児童文学者協会『県別ふるさと童話館』編集委員会/編集 リブリオ出版 2000.4 児童書

【水俣病に関する絵本】
⑦『みなまたの木』   
三枝 三七子/絵と文 地湧社 2018.10   絵本

⑧『みな また、よみがえる』 資料番号0140468802
尾崎 たまき/写真・文 新日本出版社 2013.8   絵本

【令和2年7月豪雨災害に関する絵本】
⑨『川があふれた!まちが沈んだ日 生きる力をくれたキジ馬くん』 絵本
   古山 拓/絵 パピルスあい 2021.7 

【熊本地震に関する絵本】
⑩『どうぶつたちもこわかった 』 絵本
コーダ・ヨーコ/絵と文 art channel 2022.10  

⑪『あしたの動物園 熊本市動植物園のおはなし』  
野坂 悦子/作 玉川大学出版部 2023.1  絵本

⑫『あのとき、そこにきみがいた。』  
やじま ますみ/作・絵 ポプラ社 2018.3  絵本

【令和5年9月25日国宝指定 通潤橋に関する本】
⑬『通潤橋 水が渡る橋』 
山都町立図書館/製作 山都町立図書館 2012.10   絵本

⑭『マンガ八代石工ものがたり』
八代市日本遺産活用協議会/編著 八代市日本遺産活用協議会 2022.3 
児童書※絵本ではありませんが参考までに。

【戦時中の熊本の動物園のおはなし】
⑮『ごめんねメリー』
泉ケ丘家庭文庫/編 泉ケ丘家庭文庫 2014.8   絵本

【くまモンがでてくる絵本】 
⑯『くまモンとブルービーの大冒険 』
葉山 祥鼎/文 中央法規出版 2017.4   絵本

⑰『くまモンとブルービーのなかまたち』
葉山 祥鼎/文 中央法規出版 2015.10  絵本

復興に向けて力を注がれている熊本の皆様の明るい未来を、改めてご祈念いたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?