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横浜F・マリノス戦マッチレビュー?〜星と風とメビウスの輪〜


みなさんは、ふとした時に「うわ、これ全然知ったところで意味ないけど、知りたくて仕方ない」と思うような"疑問"を持つことはあるだろうか。


僕は、どうやらこの"人生の中で何の意味も持たない疑問"を抱くことが人より多いみたいだ。




仕事でメールをしたためていて、ふと気になる。



「ん、御中の対義語ってなんだろう」



仕事をしながらブラウザを立ち上げ、調べる。



「御中 対義語 なに」



出てこない。



そりゃそうだ。この世には必要な言葉しかない。


御中の対義語なんて、使うシーンすらない。


だったら、僕が作ろうではないか。無いものは作る。こうやって先人たちがクリエイターとしての本能を繋いできた結果、今日の暮らしがあるわけである。


さて、御中の意味はというと。


"郵便物などで、あて名が個人名でない時に、その下に添える言葉。"


ほうほう。つまり、バイネームに対する○○様的な位置付けと。…いや、そんなことは知っているんだ。



僕の調べ方が悪かった。



御中 由来で再検索。



以下、マイナビニュース(https://news.mynavi.jp/article/20200903-1252059/)より抜粋。


>「御中」という言葉の「中」という字は中の人という意味が含まれています。これに丁寧語である「御」という字を加え御中という言葉になりました。



つまり、誰が受け取るか分からないため"中の人様"という意味合いが御中だということ。



ほうほう。わかってきたぞ。



つまり、御中=中の人様の対義語は



「外の貴様この野郎」になれば対義の関係にあると言えるわけだ。



いや、より精度の高いものを目指すのであれば、人間という"御中"の中にグレーアウトしている名詞を引っ張り出し、これも対義の関係値で算出するべきだろう。

つまり"人間"の対義語。

もっとも、これを僕が考えても無駄である。何故なら僕自身が人間だからだ。

人間のバイアスをかけてしかものが見れないため、このまま書き進めても意味はない。


そこで僕は(空想)インタビューを実行した。


目指すはもちろん、インタビューの聖地渋谷。(空想)


ちょっと怪しそうなインタビュー企画をしているYouTubeに紛れ、僕も黙々とインタビューを開始した。(空想)


「渋谷の動植物100(匹/本)に緊急アンケート!あなたが思う、人間と正反対の生き物は??」


以下、アンケート結果である。(空想)


第3位:蜂


意外にも、人間と同じくまじめに働く習性がありそうな蜂がランクイン。


「そもそもアイツは歩けないから。」(渋谷区在住ネズミ:2歳)


「フォルムというか、見た目というか。色とかも全然違いますよね。」(渋谷区在住雑草:4ヶ月)


などなど、ファクトの乖離がランクインの理由となった。




第2位:キリン


「流石にちゃうやろ。」(渋谷区在住ネコジャラシ:推定3歳)


「く〜びが♪首が♪く〜びが長過ぎる〜☆」(渋谷在住バニラ女子 年齢不詳)




そして、栄えある第1位は……!!!





第1位:ゴキブリ


「ガチ無理。」(住居不定 ネコ 4歳)


「そうですね。やっぱり僕も心があるので、来た瞬間はうわって思いますよ。でも、ここで逃げるか、逆に彼らを受け入れるか。ここで受け入れられる度量のある奴はどこに行っても戦えると思います。僕?無理ですね。早くどっか行けって思ってます。」(渋谷区在住マンホール 推定30歳)




というわけで、1位に輝いたのはなんとゴキブリ。


というわけで、話を戻そう。



このゴキブリを用いて作る、御中の対義語は…








ゴキブリテメェ





これが、御中の対義語である。今作った。前例がないので今のところこれが対義語として認められているはずだ。


ムカつく時は「株式会社○○ ゴキブリテメェ」でメールを送りましょう。


責任は一切負い兼ねます。いかなるクレームも受け付けません。



そんな下らないことを考えていたら、あっという間に水曜日。マッチデーである。





注意:ここからサッカーの話します。高低差にお気をつけ下さい。





セクシー復活祭


さぁ、ミッドウィークに敵地へ乗り込む。

世界最高ファンタスティックフットボールクラブの戦いは2戦目。そんな今日のスタメンは…


GK
チョン・ソンリョン
(対義語:アリの嫌がらせ)


DF
登里享平
(対義語:川崎のコンテンツブレイカー)


谷口彰悟
(対義語:仕事探し?いやいや退職代行サービス)


山村和也
(対義語:好きな音楽はEDM)

山根視来
(対義語:昨年稼働率2%)


MF

橘田健人
(対義語:初々しさが残る、新卒2年目の春)

チャナティップ
(対義語:タイのエリックカントナ)

脇坂泰斗
(対義語:奥さんからの呼ばれ方"脇坂さん")


FW

宮城天
(対義語:好きな食べ物はフォアグラキャビアご飯)

家長昭博
(対義語:もやし)

レアンドロ・ダミアン
(対義語: mendo kusaito/とてもダルい)




とても良い天気なので、僕のアルコール欲も呼応するように上昇していく。


さてさて、お代わりのビールをと。。。


僕「ビールとハイボールください。」


キッチンカーの中のおっちゃん「あいよ!!兄ちゃん、うちの牡蠣、絶品だよ。ほんと、めちゃくちゃ美味い。」


僕「まじっすか??そこまで言います?僕、牡蠣には厳しい男って言われてんすよ??」


おっちゃん「おうよ!!任せとけ!!」


僕「そこまでいうなら乗ったわ!!牡蠣もらうわ!」



2個入りだったのに、おっちゃんのご好意で1つサービスを頂いてしまった。


この牡蠣、めちゃくちゃ美味かった。最高にビールと合った。幸せだった。



食匠 なる花のキッチンカーの中のおっちゃん、ありがとうございました。また来年行きます。






そうこうしている間に試合はキックオフを迎えていた。


(ここまで丁度2200文字。まだ試合内容には1ミリも触れていない。)




立ち上がりはマリノスがチャンスを作る展開が続く。


マリノスは前半から左で形を作ると、プルアウェイをしようとするレオセアラ目掛けて対角線のボールを配給するイメージで攻撃を構築していく。


14分にも、同様の形。小池のクロスにレオセアラ。ボールはタッチラインを割ってしまったものの、明確な"狙い"を見てとれたシーンであった。


17分には左→右と川崎守備陣を揺さぶると、松原→レオセアラであわやの決定機。


ここはミートしなかったものの、絶体絶命のピンチを迎える。



運が味方をして、こういうシーンを"ラッキー"要素で失点しないと、案外落ち着けたりするものなのである。


なんなら、イケイケムードが流れたりもする。



18分、左サイドで起点を作ったチャナティップから家長。

シュートはGKど真ん中に飛んでいくも、危機を回避して少し盛り返した印象であった。









我が軍は、チャナティップと泰斗を割と自由に動かせてチャンスクリエイトを狙う形だったので、刺そうとした縦パスが引っかかってしまった瞬間後世は一気にひっくり返る。


しかし、それをまさに"ギリギリ"のところで1人で防いでいる男がいた。



橘田である。



右に左に前に後ろに。とにかく走っては川崎陣営に防波堤を築き上げ、マリノスのカウンターを食い止めていた。


その豊富な運動量は、まさにエンゴロ・カンテである。
エンゴロ・ケントの異名の通りのプレーを披露してた。


しかし、この日の彼はそれだけではなかった。



崩しの場面では組み立ての起点となると、左右にボールを配給してリズムを作っていく。


27分、前に配給をしようとしたが、ハメどころになりそうなことを瞬時に察知。一旦ターンをしてビルドアップのやり直しを選択。


ビルドアップのやり直し時にはすーっとセンバの横にスライドして出口になり、SBにボールをつけると今度はもう一つ前の位置でそのボールを引き出し、一気に最前線へ配給。


崩しに関わる部分を、たった1人で卒なくこなしてしまう。

まさに、ブスケツのような安定感。



カンテのような運動量に、ブスケツのようなボール捌き。


そう、彼こそはエンゴロ・ケンケツ。







今のなしで。






31分、そのエンゴロ・ケンケツからゴールは生まれる。


ノボリからのボールをWGの内側で引き出したのはケンケツ。


ラストパスを送った先には、家長。








この美しすぎる1点を持ったまま、前半は1-0川崎リードで折り返した。



立ち込める暗雲


後半が始まる前に、僕には楽しみがあった。


メインスタンド売店で売っていた、このパンである。


サックサクのクロワッサンの上には、甘すぎず、でも香りはしっかり感じるモンブランクリーム。



ぜっっっっっっっっぴん。



美味すぎん!?!?!?!?!?!?




ぼく、どんな食べ物よりもモンブランが大好きなの!!!!!!!!!!!!





幸せぇぇぇぇええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!




…失礼。取り乱してしまった。



しかし、このハーフタイムの取り乱しは、何も偶然では無かったのかもしれない。


押し込まれつつもリードで迎えた後半。
マリノスは前半同様攻撃の手を緩めない。


右から左へという大原則。



この形は、遂にスコアを動かすことになる。



56分、マルコスのクロスに合わせたのはエウベル。


前半からマリノスが狙っていた形である。


1番やらせたくなかった形で、同点のゴールを与えてしまう。




追いつかれてしまったのは仕方ない。一旦落ち着いて、立て直そう。



そう思った矢先であった。



キックオフのボールロストから左サイドを完全攻略されると、後は中で合わせるだけ。



あっという間に逆転を許してしまう。




左サイドに出たボールは、普通であれば難なくクリア出来そうなボールであった。



しかし、これがサッカーの怖いところである。



ちょっとした違和感や、ちょっとしたズレ。



本当に些細なことかもしれない。



しかし、その"些細"は時に最悪の結果をもたらす。




逆転をされてしまった川崎は、怒りの3枚替えで構成をひっくり返そうと試みる。



大島、遠野、そして知念を投入。もう一度イニシアチブを握ろうと試みる。



しかし、またしても左サイドを完全攻略したレオセアラを起点にチャンスを作ると、最後はエウベル。


シュートに背を向けてしまった橘田の踵に当たったボールは無情にも、ソンリョンがいないファーへと飛んでいってしまった。


72分、橘田→家長→山根で右サイドを完全制圧すると最後は知念。


やられたらやり返すというような形。


幅をとって、内側内側で抜けていく"1番守り難い形"で1点差にしてみせた。


さぁ、こうなればもう追いかけている側の方がメンタル的には優位に立てる。


何度も飛び出すダミアンにボールを配給し、スコアを戻しにかかる。


しかし、前がかりになる反面どうしても真ん中に広大なスペースが出来てしまうシーンが散見された。


75分の松原のシュートシーンは、まさにそんな"今の川崎の問題"を露呈しているシーンであった。


2ndボールを奪うどころか、そこに白いユニフォームの選手は誰もいない。


昨季までなら、この位置にかならず背番号47がいた。


夏前は、背番号25がいた。


小さな違いかもしれない。しかし、この小さな違いはピッチ上で大きなイベントを生んでしまう。


サッカーとは、90分の物語のようなものである。


時には脈略がないオチが生まれることもあるが、大体、大筋というものがある。




77分、またしてもボールホルダーに寄せきれずに仲川にゴラッソを決められ、あの日以来の4失点。




結局このゴールからスコアは動くことなく、2-4というスコアで敗れる形となった。





次節に向けて


僕は、小学1年の頃からサッカーをしている。
サッカーをする頻度は落ちたが、社会人になった今でもたまに社会人サッカーリーグでボールを蹴っている。


その時々に応じて様々な強度の中でボールを蹴ってきた。


そんな僕は、サッカーで1番重要なスキルは「1vs1」だと思っている。


いくら走れても、いくら戦術理解度に長けていても、結局サッカーというスポーツは目の前の1vs1の連続なのである。


全ては、攻守に於いて目の前の1vs1に勝つところがベースになる。


僕は、そう思っている。



だからこそ、厳しいことを言えばこの日の我が軍は負けるべくして負けた。そう思う。


4失点、どれも対人で負けてしまったり、寄せきれなかったりが決定打になってしまったものだ。


それでは、いくら素晴らしい戦術を持っていようとも、頭の中に素晴らしいアイディアがあろうと、仕組みだけで勝つのは難しい。



身体を投げ出してでもシュートを止める、クロスに対してスライで止める、立ち位置が不利な競り合いでも、何とか相手に身体を当てて自由を奪う。



開幕戦の時に溢れていたそういったシーン。この試合では見られなかったのは事実である。


我々はサポーターなので、もちろん理想はワクワクする楽しいサッカーを見て、心を踊らされて贔屓チームが勝つことである。



でも、泥臭く、必死になって勝ち点を掴みにいくプレーも同じくらい我々の心を動かすのである。



僕も含めたフロンターレサポーターは、そんなある種のモヤモヤを抱えながら日産スタジアムを後にしたかもしれない。



家路につく電車の中、もちろん僕のイヤホンからは"精神安定剤"であるMr.Childrenの曲が流れてくる。


愛されて 優しくなれて
その優しさ故に愛されて
君と僕が 
そんなメビウスの輪の上を笑いながら
寄り添って歩けたなら


まだまだシーズンは始まったばかりである。
4失点したとはいえ、いいシーンが沢山あったのも事実。


長いシーズン、出来るだけ楽しく、笑って歩めたらいいな。そんなことを感じた。




時には、辛い時もあるだろう。



時には、悲しい時もあるだろう。



でも、そんな時だからこそ。



そんな時だからこそクラブは、我々サポーターを頼ってほしい。信じてほしい。寄り添ってほしい。



サポーターを楽しませるのが選手の仕事かもしれない。チームの仕事かもしれない。



でも、少なくとも僕は、自分のことを「お客さま」だなんて1ミリも思っていない。



日本中どこで戦っていようと、全力でサポートをする。我々は、人生川崎フロンターレに載せたサポーターなのである。




あれだけ目の前で優勝を逃してきて、あれだけ銀メダルを掲げるシーンを見てきて、あれだけ決勝戦で何も出来なくて。それでもこのチームを嫌いになれなかった奴ら。



世界一諦めが悪く、世界一夢を見がちで、世界一川崎フロンターレが大好き。





それが俺たち、川崎フロンターレサポーター。





だから、ここからの長いシーズン、是非寄り添わせてほしい。



メビウスの輪の上を、一緒に歩んでいこう。




まだまだ、シーズンは始まったばかりだ。




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