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異世界・ソコトラ島

ナメック星と呼ばれる場所

僕はドラゴンボール世代ながらドラゴンボールを見た/読んだことがないが、現実世界にまるでナメック星と呼ばれる場所が2つある。イエメンのソコトラ島とエチオピアのダナキル砂漠である。

最近ダナキル砂漠を訪れたことによって現実世界のナメック星を個人的に制覇してしまったのだが、今回は、そのうちの1つ、イエメンのソコトラ島について書くこととする。

ソコトラ島はインド洋のガラパゴスとも呼ばれ、アラビア半島の先に浮かぶ島であり、独特の植生や動物が生存している。(地上とはだいぶ異なることが、ナメック星といわれる所以である)
特に有名な植生が2つある。①龍血樹(Dragon Blood Tree)と②ボトルツリーである。

龍血樹は高さ2-5mの木で、木のカサは半円形をしている。とても漫画っぽい木であり、樹液が赤いことから、龍血樹と呼ばれている。

イエメンの首都・サナアで仲間探し

2009年の秋、エジプトのカイロの宿でソコトラ島のことを聞きつけ、即座にイエメンへ向かった。(今思うとイエメン入国ができた最後の時期であり本当に僥倖であった。)
※イエメンはアラビア半島の南端に位置し、北をサウジアラビア、東をオマーンと接している。当時からイエメン北部ではアルカーイダの活動が盛んになりつつあったが、今となってはそれがISILの活動拠点となり、首都の「幸福のアラビア」「世界最古の都市の一つ」とも呼ばれたサナアが空爆に遭い、目も開けられない状況になっている。

イエメンの首都サナアに一週間ほど滞在をし仲間探しをして、結局、大学生の僕とつわもの日本人3人の4人で、4泊5日でソコトラ島へ行くことになった。メンバーは、訪問国120か国の最年長Kさん、某大手IT企業を10年勤めた後、世界を3年かけて回るSさん、アラサーで世界一周中のAさんというつわものたち。

なぜ、10年前の出来事を克明に覚えているのか。それは景色が圧巻だったことに加えて、ツアーで一緒に回ったメンバーがとても濃く面白かったからだ。

いざソコトラ島へ

実際にソコトラ島には、大量の龍血樹、ボトルツリーに加えて、どでかい洞窟、エメラルド色の滝、息をのむほど美しいラグーンがあり、想像以上の景色を楽しめた。



滝では皆が真っ裸になり泳ぎ、イチモツが見えないように写真を撮りあった(多分これがあってその辺の思い出が忘れがたい思い出になっているに違いない。)

洞窟では手をとりあい、龍血樹が群生するエリアに行くために崖をよじ登りよじ降りる際には声を掛け合った。

また、サナア→アデン→ソコトラ島へ行くフライト(イエメン国営航空会社のFelix Airways)が座席自由、かつ、機長がいい景色が見える度にガイドをしてくれて、すかすかの機内の人がこぞって右側/左側に大移動していて、その光景が他ではなかなか見れなかったことからも、すべてが記憶に残る旅となった。


ソコトラ島・イエメン邂逅

旅は一期一会である。彼らとは正直何を話したかは覚えていない。でも、彼らといる時間はずっと笑っていたのは覚えている。それが本当にいい思い出だと僕は思う。(しかもイエメンにはお酒が全くない。その状況下で誰も酒のことを言わずによく笑っていられたと、今振り返ると思う。)

この旅は日本人同士の会話メインではあったが、コミュニケーションは確実に思い出を強固にする。そこであった自由人の彼らとは、今でも連絡を取り合っている。

そして、アラビア半島の先に浮かぶ宝石のような島と、その領地であるイエメンには、ソコトラ島の美しさをあまねく人に感じてもらえるよう、早く治安が良くなることを願うばかりである。

改めて、イエメンが幸福のアラビアに返り咲くことを祈る。

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