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125ccのバイクで日本一周【12日目】 宮城県石巻市〜岩手県一関市

この日も北へ向かいます。

特に宿泊地を決めてはいないが、明日は平泉に行きたいので本日中には岩手には入っておきたい。いつものように海沿いを進む。気候、気温共に申し分ない。ひたすら海を眺めながら走る。


女川町から南三陸町と北上し、途中「道の駅大谷海岸」で一休み。こちら綺麗な建物だった。テラスで綺麗な海を眺めながら軽食を取る。色々思う。色々考える。海ってやはり凄いな。うん。

道の駅 大谷海岸テラスより


さて、再び北上だ。気仙沼市に入ると、やたら漁船が目に入る。近づいてみるとすごい数の船が停泊していた。港の人に聞いてみると今日は船は出していないようだ。自由に観てよいとのことなので、しばし見学させてもらう。

漁船ってあまり近くで見た事ないので楽しいな。

気仙沼駅


気仙沼からは海沿いを離れ内陸に向かう。この頃は、小さな無人駅を見つけると珍しがってよく撮影していたが、徐々にスルーするようになる。珍しくなくなったからだ。

大船渡線矢越駅


この日は、山の上から一関市を一望できる「石蔵山村民憩いの森キャンプ場」で一泊することにする。少々不安になるような狭い山道を登っていくと突然視界が開けた。なるほど、天空のキャンプ場と呼ばれるだけあって素晴らしい立地&眺望。しかもどうやら今の所利用客は俺一人の貸し切り状態。これは最高だ。

石蔵山村民憩いの森キャンプ場


ご機嫌にテントを設営し辺りをウロウロ。飯を食って、酒飲んで、昼寝してと最高な気分だ。日が暮れてくると、これまた素晴らしい景色がはじまる。

明日はあの街灯りの場所に行くのだ。

キャンプ場からの夜景


さて、そろそろ寝ますかねとテントに入りウトウトしていると、徐々に風の音が強まる。さすが天空のキャンプ場、こればっかりは仕方ない。

と思っていたのも束の間、あっという間に暴風状態。凄い勢いだ。慌てて飛び起き、急いでテントを建物の横に移動。バイクも近くに寄せて必死に風を避ける。

こんな時はジッとやり過ごすしかないので、とにかく何とか寝ようとするが、急に気温が下がり寒い寒い。ウイスキーのお湯割で身体を温め、頭から寝袋を被って必死に寝る努力をする。

すると今度はテントの外で何やらアニマルの気配がする。

何かいますよ。ええ、それはもう、きっといますよ。だってしっかり足音がしているもの。

いやいやいやいや独りは怖いぞ、山の上だし。数時間前まで最高だったのになんだこの落差。寒し怖いし、何だか気配が近づいてくるし。

ああ多分アレだ、外の奴は多分鹿だな。しかも雌の子供だよ。きっとカワイイやつだ。パトローナムっぽいやつだよ。うん、そう思い込む。安心安心。

あれ? パトローナムで出てくるのは大人の鹿だっけか? しかも雄か? じゃあ外の奴は違うな。ならアレだ、バンビっぽい奴だな。きっとカワイイぞ。お母さんはハンターに撃ち殺されるんだけどな。可哀想にな。

俺は撃たれたりしないよな? 散弾銃で巻き添え喰ったりしたら大変だぞ。ハンターはバンビの隣に無害な人間がいるって気付いてくれるだろうか?

いや、もしかしたらハンターは最初から俺が狙いか? バンビ狙いの誤射って事でやり過ごすつもりか? これはマズい、非常にマズいぞ。

いろんな意味で震える身体を抱きしめ必死に刻が過ぎるのを待つ。頑張れ俺、夜明けはもうすぐだ。頑張れ、がんばれ、ガンバレ俺。

そして…。

素晴らしき翌日早朝
暴風対策フォーメーション


実に見事な快晴の朝を迎える。そう、なんとか助かったのである。頑張ったぞオレ、勝利したぞ。

だが、結局ほとんど眠れずクタクタでフラフラである。

そして俺の旅はこの日以降、テント泊の比率が下がっていくのであった。

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