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何ものでもない私がサークルを作った話 #2

前回まで

①大学入学~顔合わせ

そうして人数を集まり、ちょっとしたグループになった。
入学式も終わり、各自オリエンテーションや新歓に忙しい中、食堂で第1回目の顔合わせを行った。

チャットではやりとりをしていたけれど、初めて会う人達。
ましては皆さんのイメージ通り、韓国好きはイケイケで派手な子が多い。
少しの不安を抱え、当日を迎える。

会ってみると、そんなことはないくらい盛り上がった。

そんなうまいことはいかず、みんなも誘われた身なので必然的に自分と一緒に立ち上げた子と二人で仕切ることになり、とても疲れてしまった。

いざ集めたものの、具体的に何をするかは決めておらず、
”KPOPを踊りたい”その思いだけで集めてしまったため、その後の予定を告知することができない。
でもみんなからは具体的な予定の提示を要求される。
そりゃそうだろう。
みんな他のサークルや留学、部活、バイトなど考えるべきトピックは多い。
実際に自分も同じく、新歓イベントを取り仕切る実行委員と自転車サークル、バレーサークルなど他にも色々みていた。

少し、話が脱線するが触れておきたいことがある。
大学の新歓期間はとても楽しい。
1週間キャンパス内に各サークル(自分の大学はマンモス校だったため団体数は200を超え、団体側も毎日勧誘しては夜は飲み会をして帰る。なんならその期間は一人暮らしの家に集合なんてことも)がブースを構え、新入生たちは勧誘される。
先輩たちは優しい。

可愛い子や、かっこいい子にはね。

自分は前段でも述べた通り、高校時代をカースト最下層の陰キャとして過ごす。可愛いわけでもなければ、綺麗なわけでもない。ただの地味な子。
最初はオリエンテーションで仲良くなった子や同じ高校の子と一緒に回るが、誰もかれも視線は私の隣。
私はあくまで付属品で、「よかったら君も。」の繰り返し。
一通り勧誘が終わり、過ぎ去った後の「さっきの子可愛かったな」は聞こえている。しっかりと。

高校時代までに外見で態度や評価が変わることは痛いほどわかっていたけれど、ここまで分かりやすくされるとは。
18歳過ぎたばかりの自分にとって、とてつもなく屈辱的で精神的にくるものがあった。
美容ヲタクとなった今では、その時から美容医療やサプリ、ダイエットを本格的にすればよかったじゃないと思う、から何も行動を起こさずに外的要因のせいにだけした自分も悪い。

新歓最終日、私の学校は駅からキャンパスまで大きな歩道橋があるんだけど、そこで高校のサッカー部の同級生を見かけた。
所謂カースト最上位。
学園祭の劇では主役をして、各種イベントで真ん中にいるような人。
その時の自分は知り合いを見かけたから当たり前に
「久しぶり。偶然だね。お疲れ様。」
こう声をかけた。なんてことない。普通に挨拶として。
彼も「お疲れ様。偶然だね。」
そういって過ぎ去っていったんだけど、その後、隣にいた友達らしき人に
「あの人、高校の時そんな感じじゃなかったのに。うける。」
って言っていて。
その瞬間”そっち側(カースト上位)”に対するヘイトが爆発する。
【絶対に大学でこいつらを抜かす。私は最高にキラキラした大学生活を送って、一流企業に就職する】
そう心に誓った。
余談だけど、その彼は私が内定もらっていかなかった企業にはいったみたいで、心底内定蹴ってよかったって思った。まあ業界的に斜陽業界だと思うから泥船だと思うけど。どんまい。

ちょっと闇の部分だけど、後々のエピソードに関わってくるから残しておく。
こうなんとも斜に構えた、可愛らしくない新入生なのでした。

サークル活動として何か始めなければとなり、まずスタジオで完コピした曲を動画に撮ってyoutubeに上げることにした。
初めての振り入れ。スタジオ予約。
何が正解かも分からないままとりあえず、検索上位に出てきた新宿のスタジオを予約する。
今ならもっと安いスタジオを予約するね。
そして最初に踊ったのはf(x)のhotsummer。
私の一番好きなガールズグループ。なんでか分からないけど。SMTOWNライブで見てからずっと好き。憧れのオン二。
終始グダってしまい、1番しかできなかったけれど、初めてのスタジオ練はワクワクした。楽しかった。
帰りに小田急線改札前のワッフルを食べたことは今でも覚えている。
一緒に創設した友達は別にredvelbetを踊っていた。見せ合ってレビューもしよう。そんなことも話していた。

けれど、練習から1週間後
「他のサークルに入るから辞めたい」
「バイトが忙しいから辞めたい」
そんな声が相次ぎ、メンバーがどんどん辞めていく。
理解はできる。どう考えったって行先の見えないサークルより、何十年もある男女混合のスポーツ系サークルの方が楽しい。
だけど、だけど。自分の進め方が悪いのかな。って自分を責めた。
色々考えてしまった。
ちょうど、その時に大学公認のサークルにしようと書類作成もしていたのだが、公認申請をするためには顧問教授と20名以上の所属部員が必要。
泣く泣く、同じクラスの友達に名前だけ貸してくれないか頼み、記名してもらった。みんな優しかったありがとう。
教授は韓国語クラスの部員経由で韓国語の教授にアポを取り、直談判してお願いした。
教授も快く受け入れてくれた。
こうして周囲の優しさにさせられて実質7名弱のメンバーで構成されて大学公認となった。

②初めてのイベント参加

そんなある日、サークルのDMにメッセージが届く。
「他の大学のKPOPカバーサークルが合同でイベントをしています。参加しませんか」
右も左も分からない私たちはぜひ参加したいと返信する。
話を聞くとそのイベントでは各サークルが2曲ずつ披露し、順位を決めるとのこと。私のf⒳はメンバー脱退で空中解散してしまったため、もう一つのグループが出演することになった。
そこからしばらく、自分はサークル活動から離れる。
なんせ踊る曲がなくなったからね。
並行して参加していた他大の自転車サークルへ参加していく。

自転車サークルでは全部先輩方が全部進めてくれるので気楽に参加することができた。
そんな感じで一旦サークル活動とは離れて6月。
上記で記載したイベントが開催された。来てねって言われたけど、入場費用が1000円もする。
いま考えたら行くべきだった。けれど当時の自分にとって1000円は大きな出費であり、理由を付けていかなかった。
自分が作ろうって呼びかけたのに。なんとも薄情な選択である。
この場を借りて謝罪したい。
けれど、裏を返せば自分にはまだまだサークルに対する熱量もなかったということかもしれない。
どこか「人とは違う。私はサークルを作っているんだ」
そんな自己陶酔だったのかもしれない。
結局、他のサークルが掛け声や盛り上げる中、私たちのグループは圧倒的アウェイの中でやり終えた。
思えばそこから出演したメンバーと自分との間になんとなくわだかまりを感じ始めてた。

時は流れ、定期試験が終了した7月。
文化祭の出演募集が始まる。
とりあえず、文化祭はマストなイベント。そう思っていたので再びグループで招集をかけて、出演するか聞く。
みんなとりあえず参加意思はありそう。ということで書類を作成し、応募した。
大体そういった事務作業は自分がしていた。
特にそれが嫌だったわけではない。友達の方がまとめる力、発言する力、引っ張る力に長けていたし、自分は事務処理や会計処理に回った。
バランスが良かったんだと思う。
けれど、今考えると友達に負担をかけていた気もする。
やっぱり同級生に対して厳しいことを言うのは精神的にきつい。
自分はいつも練習場所のごみ処理や原状復帰など注意するより気が楽だから自分が代わりにしていた。
だからいつもちゃんと嫌なことも含めて言える友達が羨ましかったし、尊敬していたけれど、後々まとめるのは苦手だった話を聞いて、申し訳ないことをしたなって反省した。

話が逸れたが、一旦夏休み前に踊る曲と練習日程を決める。
DMに合宿をうちで企画しないかと声をかけて頂き、合宿開催も決まった。
ようやくサークルっぽいなとワクワクしていた。
けれど、自分はその時もまだ自転車サークルと並行していてダンスの合宿には行けなかった。
夏休み期間中参加した練習は4回。
大人数の曲に参加しなかったため、どこか疎外感を感じていた。
大体ダンスは同じ曲をしたら仲良くなる。
まして大人数だと衣装もおそろいだったりして楽しい。
自分も中心にいれるはずなのに。自分が作ったのに。
また高校の時と二の舞になるのか。
そんな思いもよぎった。
今思えば合宿も行かず、参加曲も少ないくせに何を言っているんだか。
そう喝を入れると思う。
けれど当時の自分はまだまだ他責にしがちだった。

③初めての文化祭

夏休みが明け、いよいよ文化祭が迫り練習にも熱が入る。
出演時間が決まり、Twitterで告知もしてみた。
私の学校は背面モニターがあり、ステージが高台にあるメインステージと
地べたでカラーコーンで括ったパフォーマンスステージがある。
公認サークルでないとメインステージに出演することはできないため、パフォーマンスステージのみの参加。
自分たちの持ち時間と他サークルと合同の前夜祭の2ステージ。
※公認サークル申請をしても1年間活動をしないと正式に公認サークルになれない。仮公認状態みたいな感じかな
告知用に衣装を着てアー写撮影会もした。キャンパスをすみなく回って、廃校舎の階段や屋上が良いスポットで「いいじゃん!!」って言いながら写真を撮った。懐かしいな。

そんな準備も楽しみながら迎えた当日。
私含め何人かは親や友人を誘った。
いざ本番の時間に近づくと本当にうまくできるかな、観客はいるかなって不安な気持ちが押し寄せる。
最初は持ちステージからだった。
緊張の中、ステージにいくと、そこは閑古鳥が鳴いていた。
私達の身内が10名いるかいないか。他はみんな素通りで誰も見てくれない。
そんなことがあるのかと思いながら、自分はラップパート1分間をやりきった。中々精神的にきた。というより恥ずかしかった。むしろ親も呼ばなければよかったと思った。
終了後、互いにお疲れ様といいながら各自文化祭を回る。
普通一緒に回ると思うじゃない?ここがもう微妙な距離感を体現しているよね。
その後前夜祭のステージ準備をする。
普通前夜祭の方が先だと思うけど、1日目の夜にやるというスケジュールだったため、そんなことに。
気持ちを新たに準備する。
また人が来なかったらどうしよう、そんな気持ちも過りながら、準備を終え上の階段からステージを覗く。
ちょうど、日が暮れてサイリウムの光が見えた。
え????100人以上は確実にいた。
驚いた。けれど、もちろん自分たちの力ではない。
日本のアイドルをカバーするサークルが本当にアイドルみたいに可愛くて大学内でもファンが沢山いるのだ。
そのサークルの前にやるからこんなにも人が集まっていた。
それでも嬉しかった。みんな盛り上げ方を知っている。
まるでアイドルかと錯覚するような夢見心地に踊ることができた。
終了後興奮が収まらない。思わず写真を何枚も取ってしまう。
やっぱり、自分は踊るのが好きだ。
そう再確認し、私たちの初めての文化祭は幕を閉じた。
来年はメインステージに出るぞ。と密かに胸に刻んだ。

次は前述の他大学とのKPOPカバーダンスイベントが続くのだけれど、長くなってしまったので一旦、こちらで区切ります。

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