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満足はそのものは購入できません。あなたが満たそうとしているものは、顧客が満たされようとしているものと一致していますか?[事業編 #23]

企業が売っていると考えているものを顧客が買っていることは稀である。(中略)顧客は満足を買っている。しかし誰も、顧客満足そのものを生産したり供給したりはできない。満足を得るための手段をつくって引き渡せるにすぎない。

創造する経営者』第Ⅰ部 事業の何たるかを理解する
第6章 顧客が事業である p118より


あなたが売り出したい、売り上げを伸ばしたいモノ・サービスは、何をきっかけに生まれたのでしょうか。

あなたが作りたいものですか?
あなたが好きなものですか?
誰かの困りごとを解決するためですか?
未知の体験を提供するためですか?

モノ・サービスそのものは、顧客の満足という心・気持ちそのものにはなれません。
「これがあなたの満足です」と売り出すことはできません。
当たり前すぎて、「そうか!!」と再認識しました(;^_^A

「あなたをきっと満足させます!!」という商品は世の中にたくさんあります。
でも、わたしは売り手側に「不満に感じているところ」は提供していません。
本当にわたしに満足をくれるのでしょうか。
難しそうですよね。

あくまでも顧客に対し提供できるのは、顧客の満足を満たすことを目指した代替品です。


アパレルは、「実は顧客が何を買っているのか」がわかりにくいのでは、と思い、『ドラッカーと生産性の話をしよう』 (林總 著 KADOKAWA)のご紹介です。

明確にそのブランドが好きで購入されている場合もあるでしょうし、ブランドのデザイナーのデザインを購入している場合、そのブランドのコンセプトを購入している場合、ステータスを購入している場合もあれば、衣類として見られているだけの場合もあります。
「生産性」というキーワードを通じて、自分たちが本当は何を提供したいのかを再確認していく、物語で学ぶ書籍になります。
顧客が欲しいものを本当に作り出せているかは、社内でパソコンに向かっていても答えは出ません。
社会から求められている役割を担うために、自分たちが本当に充足できる行動をしているのかどうか、顧客満足という図りにくい指標から少し離れて、測定しやすい生産性というキーワードに注目してみました。
顧客の満足を直接充足させることは難しいですが、提供できるモノ・サービスはいかようにでも作り出せます。
煮つまったときは、視点を変えてみてもよいのでは? と思い、今回の書籍のご紹介となりました。
あなたの事業に置き換えてみると、どのような結果が見えてくるでしょう♪


例えがうまく伝わるといいな、と思いつつ……
柔道女子78キロ級の浜田尚里選手ですが、寝技の技術向上を目指して始めたロシア発祥の格闘技「サンボ」、1年で国際大会で優勝するまでになったそうです。
今回の柔道の日本チームの躍進(日本のお家芸復活、というほうがいいのでしょうか……?)において、寝技があるから立ち技が活きる、という解説を繰り返し聞いたような気がします。

1戦1勝を得るために、他の視点から価値を付加したことで、全体の価値を高めて提供できる能力が得られたのでは、と感じました。

「満足」というモノ・サービスは提供することができません。
満足を得るための手段を提供できるのみです。
その手段に何を盛り込むか。
より多くの満足を満たすことを目指すのか、ピンポイントの満足を満たすことを目指すのか……。

本来の満足を目指すために突き詰めるのもいいですし、浜田選手のように違う満足も盛り込んだことで本来の満足に近づけた、ということも起こりうるでしょう。

満足に正解はありません。
何を目指すのか、その事業の目的が明確になっていることで、満足の種類も質も変わってくるでしょう。

あなたが満たしたい満足は何ですか?
あなたが提供する、満たしたい満足を満たす手段であるモノ・サービスは、どのようなものですか?
あなたが提供するモノ・サービスは、誰のどのような満足を満たすための代替手段ですか?
あなたが提供するモノ・サービスが存在する目的は、顧客が購入する目的と一致していますか?
一致していない場合、顧客がモノ・サービスを購入する本来の目的は何ですか?


実践するドラッカー【事業編】』 
PART1 理論編 chapter2 顧客が事業である p53 #23


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実践するドラッカーシリーズは、膨大な数のドラッカー先生の言葉を選りすぐり、5つのテーマ別にまとめられた書籍です。
編著者の佐藤等先生は、札幌を中心に全国各地でドラッカーの書籍を中心に読書会を開催されてきました。
ドラッカー先生の言葉と佐藤先生の解説が1セット、そこかしこに「今のあなた」に必要な言葉が散りばめられています。
佐藤先生の解説は、ぜひそれぞれの書籍で確認してください(*^ω^*)
ここではわたしが感じたことをお伝えしていきます。
自ら考え、決定し、行動するあなたのためのドラッカー、一緒に探してみませんか?

【事業編】は、時間軸を意識し、自らを変革させていく姿勢と方法を習得するため、自らの事業を明確に定義するための補助線として書かれています。


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