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【Lapis小川さくら生誕祭】ガチ恋に発展する危険を孕んでいるくらいには好きです

 大宮を拠点として活動している「Lapis」という3人組アイドルグループがあって、僕はそのうちの小川さくらちゃんを推しているんですけど、そのさくらちゃんの生誕祭が2月5日の日曜日に催されました。

Lapisの公式Twitterより。人生2周目系アイドル、小川さくらちゃん

 イベント会場は上野のニコニコ劇場で、開演が11時30分、開場が11時00分でしたから、僕はそこそこ早起きする必要がありました。ベッドに入ったのは午前3時ごろだったけど、基本的に眠りの浅い僕は、スマホの目覚ましアラームが鳴る前に目を覚ましました。そして身だしなみを整え、朝ごはんをいそいそと食べて家を出ました。わけあってこのところヤバいくらい金欠なので、交通費を節約するために、大宮駅までウォーキングを兼ねてテクテク歩きます。

 大宮駅から上野東京ラインに乗って、上野駅まで電車にゆらゆら揺られます。大宮から上野までは思ったより遠かったので、上野駅についたときには開場時間の11時を過ぎていました。

JR上野駅。天気は快晴で風もない

 「ここから御徒町駅の近くのニコニコ劇場まで歩いたら、あるいは開演に間に合わないかもしれないぞ…」と僕はやや焦りながら、地図を片手に人ごみのなかを早足で歩いて行きます。地図は前もって、自宅でA4用紙に印刷してありました。上野駅から15分くらい歩いて、ニコニコ劇場の周辺まで来ましたが、初めての場所なのでそれがどこにあるのかよく分かりません。ウロウロしながらキョロキョロしていると、ニコニコ劇場の大きな看板が目に入りました。

ニコニコ劇場の看板はあるが、それがどこなのかは分からない

 しかし、入口がどこにあるのか分かりません。そのビルを隈なく調べていたら、それっぽい雰囲気を醸し出している階段を見つけました。耳をすませると、上のほうからガヤガヤした声が聞こえてきます。「きっとここなんだろうな」と思って階段を上っていくと、聞き覚えのあるよく通る声が耳に届きました。朝青龍似のスタッフさんの声です。僕はホッと胸をなで下ろして、2階のニコニコ劇場に入りました。

 入口の受付には美人社長の佐々木和子さんがいます。マスクをしていても美人のほどが伝わってきます。僕は和子さんにスマホでチケットを提示して、ドリンク代の500円を朝青龍似のスタッフさんに手渡しました。そして早期予約特典と黄色のサイリウムを受け取りました。

早期予約特典とサイリウム

 その時点で、開演時間の11時30分まで5分を切っていました。「ギリギリ間に合ってよかったなあ!」と安心しました。僕はさくらちゃんの彼氏面をする気まんまんだったので、横に細ながい会場の左端、後ろのほうに立ちました。そして思いました。そういえばドリンク代払ったけどドリンク貰ってないなあ、と。ドリンクチケットも貰ってないし、一体どうすればいいんだろう。

 会場をキョロキョロ見回してみると、後ろの壁沿いに大きな冷蔵庫があって、そこに無数のドリンクが並んでいます。しかしその近くにスタッフらしき人の姿はありません。見慣れたオタクたちの姿しかありません。これはもしかしたら、ドリンクチケットを渡したりすることなく、各々が勝手に1本ずつ取り出していく形式なのかもしれないな。そう推測したけれど、勝手に冷蔵庫を開けてドリンクを取ることにはかなりの抵抗がありました。「1人1本なのに、ふちりんはインチキして2本目を取ろうとしている」と思われたらどうしようと。

 それで結局、ドリンクを手に取ることのないまま照明が落ちて、生誕祭ライブが始まりました。もうすぐ22歳になる主役の小川さくらちゃんがステージに現れました。淡いイエローのふわふわした衣装を着たさくらちゃんは、お姫さまみたいな髪型と相まって、夢みたいに可愛らしかったです。さくらちゃんがあまりにも可愛らしかったため、僕の脳みそはビリビリとしびれてしまい、ライブの内容はあまりよく覚えていません。ふと気が付いたら、ライブのアンコールも含めてすべてが終わっていました。脳みそはまだジンジンとしびれ、ボンヤリしていたけれど、ドリンクをまだ受け取っていないことは覚えていました。

 金欠状態のなかドリンク代として500円も払ったのだから、何がなんでもドリンクを受け取らなければならない。そんな強い意志をもって僕は人ごみをかきわけ、入口わきにある冷蔵庫へと歩みよります。そして何食わぬ顔で冷蔵庫の引き扉をあけ、中にたくさん並んでいるドリンクのうちからコカコーラのペットボトルを1本取り出し、扉を閉め、開場の外へ出ました。

 外の廊下にはすでに物販の列ができていたけれど、僕はそこには並びませんでした。なぜならば、お金がなさすぎるし、さくらちゃんの列はめちゃくちゃ並びそうだし、人ごみが苦手だし、ライブを見て疲れちゃったからです。決してライブが楽しくなかったわけでも、さくらちゃんのことが嫌いになったわけでもありません。

 むしろとても楽しかったし、さくらちゃんのことは大好きです。ガチ恋に発展する危険を孕んでいるくらいには好きです。ここだけの話だけど、最近さくらちゃんに会うたびに、胸キュンを抑えられず、いつも想像のなかで抱きしめてキスをしています(すみません…)。だからさくらちゃんは、僕がすぐに帰ってしまったからと言って、「ふちりんはライブが楽しくなかったのかな…」と落ち込む必要はまったくありません。

 ニコニコ劇場のあるビルから外に出た僕は、右手にコカコーラのペットボトルを握りしめていました。それはキンキンに冷えています。ライブで疲れちゃっていた僕は、路上に立ったままペットボトルの蓋をあけて黒い液体を乾いた喉に流し込みました。ふだん水道水ばかり飲んでいるせいか、そのコーラはすこぶる美味しく感ぜられ、ごくごくと一気に半分くらい飲んでしまいました。ペットボトルをかばんにしまい、僕はとりあえず上野公園に向かって歩き出しました。

上野公園の不忍池前
上野公園のベンチでくつろぐふちりん

 雲一つない良い天気のなか、広々とした上野公園を歩くのはとても気持ちが良かったです。人はけっこう沢山いました。空いているベンチを見つけると、そこに腰を下ろしてふたたびコカコーラを飲みました。半分くらい残っていたコーラをゆっくりと飲み干した僕は、おもむろに腰を上げて歩き出し、上野駅へと向かいます。そして高崎線に30分くらい揺られて、大宮駅に舞い戻りました。

大宮駅東口のようす

 僕には、とある約束がありました。小川さくらちゃんの生誕祭に参加していたオタ友、のぶさんと大宮でサシ飲みをする約束です。14時に会う予定だったので、その時間が来るまで少し暇をつぶす必要がありました。僕は大宮駅東口の公衆トイレの屋上に行きました。そこにはゆっくりくつろげるテラスがあるのです。

大宮駅東口のテラス
テラスでのんびりするふちりん

 人のまばらなテラスに座って、のんびりと15分くらい過ごしたところで、のぶさんからLINEメッセージが届きました。大宮駅の「まめの木」にいるとのことです。「まめの木」とは、大宮駅の有名な待ち合わせスポットです。まめの木のような銀色のオブジェが、駅のコンコースに設置されているのです。僕はそこでのぶさんと会って、大宮駅西口の焼き鳥屋さんに向かいました。それはマックの近くのビル7階にある「鳥メロ」というお店でした。僕は初めて訪問するお店です。

 まだ14時すぎということもあって、店内に客はほとんどいません。のぶさんは飲み放題を注文したので、酒を飲みまくっていました。僕は高血圧と不整脈により禁酒中のため、ノンアルビールを飲みまくってお腹がたぷたぷになりました。「飲み放題メニューにノンアルビールもあるなんて、良心的なお店だなあ」と思いました。ノンアルビールは地味に高価なので。焼き鳥も安くて美味しかったけれど、個人的には立ち飲み日高の焼き鳥のほうが好きです。

さくちゃんとひとみぃを見つめながらドライゼロを飲みまくる
ねぎまとぼんじり
焼き鳥のかわ
血圧と腎臓に良くなさそうな食べ物たち

 お通しの塩キャベツはおかわり無料だったので、3回くらいおかわりしました。僕は血圧が高いだけでなく腎臓も弱っているから「こんなに塩キャベツ食べて大丈夫かな…」と不安だったけど、ひどく貧乏なので塩キャベツをおかわりしないわけにはいきませんでした。

 僕たちは、鳥メロで2時間ほど過ごして店を出ました。僕のお財布事情がヤバすぎるのをよく知っていたのぶさんは、ありがたいことに全額おごってくれました。太っ腹すぎる! イケメン! それから我々は反対側の大宮駅東口に移動して、タイトーのゲームセンターに行きました。いつも行っていた「スピカ」というゲーセンは先日惜しまれつつも潰れちゃったので、新しいゲーセンを開拓したわけでした。

 タイトーのゲーセンで僕らは「バーチャファイターesports」をプレイしました。のぶさんとも対戦して、のぶさんの2勝、僕の1勝でした。僕は1か月ぶりくらいのプレイにしては、それなりに頑張れたので満足しました。僕はそれで帰ろうと思っていたけど、のぶさんに「今日しかさくらちゃんに誕生日おめでとうは言えないですよ!」と熱っぽく説得され、急きょ大宮アイドールカフェでの第2部生誕祭に行くことになりました。

大宮アイドールカフェの看板

 僕は第2部生誕祭の予約をしていなかったから、入れるかどうか不安だったけれど、朝青龍似のスタッフさんにOKをもらい、入店できました。すると朝青龍似のスタッフさんが「YouTuberのご来店でーす!」とよく通る大きな声で叫んだので、「YouTuberとは言っても、登録者160人くらいしかいないんだからやめてくださいよ~。恥ずかしいじゃないですか~」と思いながら苦笑いしました。

さくらちゃんが作ってくれたガリガリ君ソーダ

 僕はのぶさんと相席して、アイドルメニューの「ガリガリ君ソーダ」を頼みました。主役の小川さくらちゃんがそれを持ってきました。さくらちゃんは、炭酸水の入ったジョッキの中でガリガリ君を砕いていきます。「ふちりん、物販のときにいなかったから、ライブ楽しくなかったのかなって思っちゃった」とさくらちゃんが言うので、僕はびっくりして「楽しかったよ!」と告げました。「僕みたいな存在感の薄いおじさんが1人いないだけでもそんな風に思ってくれるなんて、さくらちゃんは本当にすごいアイドルだな」と思いました。

 酔っぱらったのぶさんが話に割り込もうとすると、さくらちゃんは「静かにしてて!」とやんわり一喝しました。僕の頼んだアイドルメニューの間は、僕とだけ話をしてくれる。そんなさくらちゃんの優しさに感激しました。

 店が混んでいたこともあり、さくらちゃんは僕に触れるくらい近くでガリガリ君を砕いていました。さくらちゃんはとても爽やかな良い香りがしたし、肌はきめ細やかで白くて綺麗だったし、手は小さくて可愛かったです。僕はつい抱きしめてキスをしそうになりましたが、そんなことをしたら即刻出禁を言い渡されるので思いとどまりました。その代わり、想像のなかで抱きしめてキスをしました。想像のなかとは言え、いつもいやらしいことをしてしまい、すみません。おじさんだって男の子なんです。このくらいのことはやります。

 また、さくらちゃんは、僕が何とか生き延びて生誕祭に参加できたことを喜んでいました。僕が高血圧と不整脈を持っており、「いつ心筋梗塞や脳卒中で突然死してもおかしくありません」などと頻繁にツイートしていたからです。さくらちゃんはガリガリ君を砕きながら、僕の目をまっすぐ見て「ふちりん、来年のさくの生誕祭までは生きよう! そういう目標を決めないと死んじゃいそうだから」と言いました。

 僕はさくらちゃんの、パワーのあふれた真っすぐな目が好きです。そんな力強い瞳で見つめながら言われたら、僕も力強く頷かないわけにはいきません。来年のさくらちゃんの生誕祭までは何とか生きることに心を決めました。

 そして僕は、さくらちゃんが来年の2月まではアイドルを辞めなさそうなことがとても嬉しかったです。できるだけ長くアイドルとして活躍して、最終的には株式会社ドリーミングワークスの社長になってほしいです。美人で有能な佐々木和子社長の後を継げるのは、パワフルイエローの小川さくらちゃんしかいません。

 けっきょく僕は、18時に入店して22時の閉店時間までいました。いろんな若くて可愛い女の子を間近で見られて、とても心がうるおいました。若い女の子ってすごく良いなと思いました。生で見るのと、インターネットで写真や動画を見るのとではぜんぜん違います。僕の貧乏がいくらか改善されたら、また小川さくらちゃんを始めとするかわい子ちゃんたちに会いに行きたいなと思っています。

 大宮アイドールカフェから自宅に帰ってきた僕は、早期予約特典として貰った「さくらんど住人票」に証明写真を貼って完成させました。

さくらんど住人票

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