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独占しない愛し方

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僕は、僕自身のあり方を、「ポリアモリー(複数恋愛)」というよりは、「非独占愛」あるいは「非排他的愛」とよびたい。 お互いがパートナーのこれからの可能性を、つぶしてしまわない恋愛。… もっと読む
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既婚で複数の恋人がいる文月煉さんとその配偶者に、インタビューしてみた。(前編)

「ポリアモリーについてのインタビュー」を某テレビ局から受ける予定だったのが、収録の前日に無くなってしまったので、代わりに自分で架空のインタビュー記事をつくってみました(笑)。前後編で、合計1万字くらいになる予定。 「ポリアモリー(複数恋愛)」ではなく「非独占愛」インタビュアー(以下、Q) 文月煉さんは「奥さんと、恋人たちと、大好きな人がたくさんいます。」とSNSなどで公言されています。最近、メディアなどでもよく目にするようになった「ポリアモリー(複数恋愛)」的な生活を、前か

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文月煉、不惑になる

7月22日で40歳になりました。 40歳は「不惑」というらしい。 出典は、大昔の中国の哲学者、孔子の言葉から。 孔子は今から2500年も前に74歳まで生きたスーパーおじいちゃんで、 70歳を過ぎて自分の人生を振り返って残したのがこの言葉。 日本でもとてもよく知られていて、特に40歳の「不惑」は圧倒的にわかりやすい言葉だからか、いちばん多く言及されている気がする。 定番は「私はもう『不惑』の年齢になりましたが、まだまだ未熟、惑うことだらけで……」ってやつだ。 「不惑」は、

変わらないことだけが「責任」なのか。

セクシャリティにせよなんにせよ、「後出し」と言われることに対していつも思うんだけど、人間って変わるものだから、「後出しは許されない」と言い続けていたらなにひとつ決められない。「過去に決めたのだから変節するな」という考えが我慢と歪みを生み続けている。 そういう思想が、こどもに対して「あなたがいたせいで離婚できなかった」と言い続ける毒親とかを生み出すんだろうな。 「責任を取る」って「耐える」ことじゃないし、耐え続けて歪みが出ない人なんているのかな?とも思う。安全圏から他人を批

恋人と話し合うのは「妥協点」じゃなくて「おたがいが心地よい関係性」。

先日、「恋人と喧嘩しちゃって、どうしたらいいかな」という相談を受けた。 僕が答えたのは、「おたがいが意見を主張し合って、どちらかが折れて、妥協点を見つける」っていう話し方そのものを変えた方がいいんじゃないかな、ってこと。 二人でお互いに話し合うときに、「どっちが悪い」とか「あなたのここが嫌だからこうしてくれ」みたいに二人が対立軸になってしまうと、結果的にどちらかが折れたとしてもそれから先の関係性が不平等になってしまう。 だから最初から、お互いの困り事や譲れないこと、何を不

いつだって、現在進行形の「好き」を見ていたい。

好きだった人を嫌いになるのってとても心が苦しい。 できるだけ嫌いになりたくないから「ここまでやったら許せない」というラインをどんどん下げていって、いつの間にか自分を浸食させてしまったりする。 嫌いになることを決意すると罪悪感を覚えたりもする。 でもそれは大事な一歩だ。 誰にでも優しくありたい、寛容な人間でいたいという欲望はわかる。 僕もそういう人間だ。 だけど、人の能力は無限ではない。 キャパシティは限られている。 僕の手は、好きな人を支えるためにある。 僕は、たくさん

人を愛せる大人になりたい、けれど恋にも未練あり。

恋とは。愛とは。 また考えてる。 恋は求めるもの。本質はたぶん「欲」だ。したい。なりたい。 愛は穏やかだ。ただただ、相手のしあわせを願う気持ち。 頭で考えるならば、恋よりも愛がいいと思う。 安定してるし、暖かいし、嫉妬も不安もない。 ……でもさ、恋って楽しいんだよね。 恋に恋してるんだよな、僕は。いつまでたっても。 「愛に愛してる」って言わないもんな。恋はさ、やはり「乞い焦がれる」ものなんだな。 はじめは恋だったものが、じっくりと愛に変わっていく。 それはよくわかる

「誰かに必要とされないと生きていていいと思えない」からの卒業。

好きな人と話していて、僕、いい感じに歳を取って38歳まで来たなぁ、ってあらためて話した。 若い頃からわりと、メサイアコンプレックス気味でつらそうな人を助けてあげたくなるんだけど、それって誰かに頼られて必要とされていないと自分が生きていていいって思えなかったから。 要はそれって、「自分を削って誰かを助けていることに、生きている意味を感じる」ってことで、破滅的なんだよね。 自分の手の届く、できる範囲を超えて手を出して、共倒れしてしまう。 どうして「誰かに必要とされないと生き

結婚記念日は年に一度プロポーズする日。

今日は9回目の結婚記念日。 僕とおくさんは、「一度結婚してしまえば何も言わなくても続くのが当たり前」だなんて思っていないから、毎年結婚記念日のたびにこれからも結婚していたいかどうかを考えて、一年に一回プロポーズしてる。 いわば、「契約更新の意志確認」の日。 今年も「これからも結婚していてください」って言って、「よろしくお願いします」って言われたよ。 僕の結婚観は、4年前に書いた記事にくわしく載っているから、100円の有料記事だけど、よかったら読んでみてほしいな。

変わること、手放すこと、また手を取ること。

「一生変わらず好きでいたい」という気持ちはあるけれど、変わらないことは枷でもあって、かつて好きで好きで仕方なかった人のことを、今ではそれほど好きじゃない、というかあまり気にならなくなっていることもある。寂しいような気もするけど、それもいいのかもしれないな。関係性も都度更新制で。 僕は単純だから、好きな気持ちを返してもらえていると、何度でも僕からの好きの気持ちも更新できるんだけど、連絡が途絶えたり、相手からの好きを感じなくなったりしてしまうと、かなり速いスピードで気持ちがあせ

愛と恋と性の話

男は(たぶん)自分の性欲をほんのりと憎んでいる 昔からよく考えているのだけど、男性の多くは自分の性欲をほんのりと恐れているというか憎んでいて、それを抱えながら暮らすのはけっこう苦しい。でもそのぶん、自分の性欲を「受け入れられた」と感じたときにものすごい快楽を感じる。たぶんそれは肉体的なものだけではない。 「男性の多くは」というのはもちろん僕の想像なんだけど、少なくとも僕にはそういう気持ちが強いな。「恋と性をセットにして考えるな!」というのが僕の主張なんだけど、僕自身はすぐ

「最初のデートでサイゼリヤはありか」みたいな話

定期的に話題になる「デートで○○はアリ?ナシ?」みたいなの、性格も関係性も千差万別なのに一般化するのあまりにばかばかしいな、といつも思うんだけど(むしろ相手に確認せず「一般的にアリか?」と確認するの、絶対うまくいかないと思う)、個人的に言うと僕は「初めてのデートで高級フランス料理」の方が嫌ですね。 そういうのはもっと仲良くなって好みとかいろいろ分かるようになってからの方が楽しめるんじゃない?って思うからかな。 あと、そもそも最初のデートは割り勘の方がいい。 おごるのもおごら

文月煉の『モテ論』

僕は、モテる。 ……今、一瞬でブラウザを閉じようとした人、ちょっと待って。 確かに僕はとてもモテるのだけど、何で僕がモテるのかはちょっと不思議だ。 僕の「スペック」を書き出してみるならこうなる。 37歳 身長170cm 体重43kg(めちゃくちゃやせすぎ!) 外見:けっっっしてイケメンではない。歯並びガタガタ。 職業:フリーランスライター 年収:200万円以上300万円未満 いやぁ、出会い系サイト(今はマッチングアプリ、というらしい)だったら、それこそ一蹴されてしまうス

第1回煉's Radio文字起こし(後編)

「好き」が友情のように増えて、恋愛のように現れるさて、後半です。 僕の好きという感情が、世の中と違うんじゃないかというとちょっと言い過ぎだけど、僕は好きということに対してこんなふうに思っているという話をしてきました。 僕は、好きな人がどんどん増えてしまうような、好きになり方をしているなあということ、そしてその相手が女の子だったりすると、結構あっさり友情というものが愛情というか、恋愛みたいな雰囲気で好きになってしまうよというところまで、これまで話しました。 好きな人の増え方

第1回煉's Radio文字起こし(前編)

第1回煉’s Radio始めます。2020年5月22日、第1回煉'sラジオ始めます。第1回と言いつつ、その前にも何度もやってるんですけども、今回からちゃんと定期的にやりたいなと思っておりまして、改めて第1回と名前をつけようと思ってます。 ラジオって、なんていうか「毎週聞くよ」とかさ、「前回こういう話をしたけど」みたいなのがあると、ちょっと楽しいかなと思って、僕は結構昔からラジオやりたいなって、ぼんやりとは思っていたんですけど、昔はすごく機材がたくさん必要で、いやあちょっと