４年ぶりの夏がやってきた。
と言っても過言ではないか。

イベントの規制がなくなり、日常を取り戻そうとしている夏。

元々、花火大会にも行ってなかった人間でさえ「ああ、花火が見たい」と思えるほど夏らしいことをしたいと思いつつ、結局は見ず知らずの誰かが切り取った花火動画をTwitterの世界で見るだけの夏。

急にじゃあ楽しんでくださいと言われたところで、この３年間で友達も減り、呑む機会も減り、焼き鳥食べたいと部屋で曲作りをしながら思っているだけ。

今年の夏は曲を作らなくてはいけない夏で、あと５曲はデモをまとめなくてはならない。デモができたって、そこからアレンジの作業が一番時間がかかる。
それはそれはとても気が遠くなる作業。それを色んな人に助けてもらって１４年やってきているのだ。たまに孤独を感じる。
歯痒さに溢れる。急に作りたくなくなる。でも頑張る。それの繰り返し。

制作は勿論のこと、夏らしいことはちゃんとやりたいと言う気持ちも強いのでそこは必須項目だけもやり遂げたいと思っている。

2019年の夏、阿佐ヶ谷七夕祭りがあった。あれからあのお祭りはコロナの影響でなく、今年の2023年やっと再開する。

私にとってあのお祭りはとても思い出が多すぎて、自己中心的な私は私のせいであのお祭りがずっとなかったんだとさえ思えていた。

この４年で私も変わったし、みんなも変わった。

もうあの夏に戻れないことなんて、あの時ちゃんと分かっていた。
分かっていて恋をしていた。

そして４年が過ぎた今はもうその恋心さえ成仏したが、それでもあのお祭りが再開すると聞いて、胸のどこかに針を刺された感覚になった。

だからこそあのお祭りには行こうと思っている。
あの夏の私にサヨナラを言いに。