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分かち合いの経済-後編-

「分かち合いの経済」システム

分かち合いの経済システムをどう構築していくのか?
クラリ氏の頭の中には、すでに青写真があります。

それは、前編でも記述しましたが「物資の分かち合いを調整するグローバルな機関を設立すること」です。各国が基本的必要を満たすものに関しての、余剰と不足をその機関に報告します。その機関は物資の総評をし、欠乏している地域に輸送します。この国際機関は、食料・水・医薬品・医療品・衣服・エネルギー資源のような主要なグローバル物資の流通と分かち合いの核心です。この機関はこれらの物資を所有することなく、調整者、仲介者の役割を果たすだけです。国々自身が物資の直接輸送を提供し、インフラや学校の建設の援助をします。

「この壮大な計画は、果たして可能だろうか?」と私の脳裏をよぎりました。しかし、彼はアメリカの「マーシャル・プラン」の例を出して、実行可能であることを提示しています。

クラリ氏:アメリカ人の財政的・物質的援助の拡大によって、第二次大戦後のヨーロッパの復興が可能になりました。多くの人々が今日グローバルなマーシャル・プランを支持しています。豊かな国々が貧しい国々で、基本的インフラ、学校、病院、発電所、井戸、衛生設備などの建設を担いはじめています。この経験に基づき、人類はグローバルな日用品の分かち合いを定式化することができ、それが永続的に飢餓と貧困を除去し、結果的に今日の人類を束縛している相互の国際的な不信感、恐怖、不安を除去するでしょう。
ですから、私たちは真に繁栄と相互尊重と平和の新しい時代に入っていくでしょう。そしてこれと共に力強い愛のエネルギーそのものが、地上で初めて顕現し始めるでしょう。


世界がひとつになること

利己主義や自国第一主義が台頭しているいま、世界がひとつになることはあるのでしょうか。
私は「ある」と確信しています。世界には「分かち合いの経済」の徴のような事象もたくさん起きているからです。特に若い世代を中心に、新しい価値観が芽生えています。
例えば、ペルーで7歳の子どもが貧しい子ども達の援助のため銀行を設立するというニュースがありました。
ペルー、アレキバのホセくんは、友達が昼食抜きで生活していることや、貧しい子どもたちが通りで物乞いやお菓子を売ったりしていることに気がついたそうです。ホセくんは貧しい子どもたちのための銀行をつくりたいと考え、同時に子どもたちがリサイクルできるごみを集めることで稼ぐというアイデアを持ち、リサイクル企業と交渉。ホセくん自ら「バルテセラナ学生銀行」を設立しました。いまでは10歳から18歳までの2,000人以上の顧客を抱えており、ローンや他の金融サービスを提供しています。

ホセくんのように、自然と分かち合いの経済を実践している人たちが、世界中で現れています。私たち一人ひとりの意識の転換によって、分かち合いの経済が可能であることを、私は信じています。

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