小林ひょうはく

小説、短歌など。よく記事を消します、すみません。

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最近の記事

日記/2024.01.15

 情けない話だが、5年程前からずっと好きな人がいる。  色恋や愛情とも違う、もっと深く強い感情を向けていた人物だ。  しかし私はその人のパートナーになることは出来ず、距離を置くようになってからは年に1度程連絡があるかないかという感じだった。  その人から先日、会おうと連絡が来た。正直、その人と酷い別れ方をしてしまって躁鬱が悪化したような面もあるので、会うのは怖かった。(互いに悪い事をした。)見出しの画像は別れた当時の走り書きである。重症さが見て取れる。 連絡をとっている時点

    • 12ヶ月の詩

      数年前に書いたものです。 1月 微塵に散らばり、雪の形成を置き去りにし、形を得た空気が育ちのいい両の目を熱くした 2月 かつてのさざ波へ思考する塔は赤い毛糸を咥えて、私の証明を栞として持ち運んでいた 3月 古臭いタンバリンを鳴らす天秤はあいまいな輪郭線でとうとうと笑う 4月 風の中で どこへ行っても 虚構へ声がさまよい出でる 狭い浴槽で その律儀な骨格が 不甲斐なさを泣きながら咀嚼している 5月 筆圧ですべてが始まり、港で破壊が緊急で煮詰まっていく 6月 右頬のほ

      • 夢の日記

        暖かい夢の夢日記です。 久しぶりに中学校の頃の好きな人の夢を見ました。私は彼女と部活動の吹奏楽に勤しんでいました。今日は土曜日で、暖かい日でした。大会に向けて互いのソロパートを練習したあと、私たちは先生に頼まれて屋上に干された毛布を取り込みに行くことになりました。私は屋上へは入ったことはないのですが、彼女はよく屋上へ行くといいます。図書委員の仕事で、週に一度、屋上で本を虫干しするのだそうです。私はその話を聞き、来年は彼女と一緒に図書委員に入ろうと考えていました。息苦しさを感

        • 夢の日記

          ちょっと最近くらいの夢日記です。 爪が蕩けてしまう夢でした。その世界では爪が長い者は罰せられていました。私は元来深爪をしていましたので、特に困ったことなどはありませんでした。しかし私の知らない間に法は改正されており、短すぎるのもいけないことになっていました。深爪なぶんには大丈夫なようなのですが、爪が本来の面積の半分以下の場合、拷問をされてしまうということでした。私はこれを本当に知りませんでした。ある日、私の爪が蕩けてどんどんなくなっていってしまいました。根元のあたりは辛うじ

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        • 夢日記
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        記事

          夢の日記

          多分3年前の夢日記です。 ジャンナハム発、東京着。世界征服が始まってしまいました。 しかしわたしは睡眠薬を盛られてしまいました。 藤原竜也が演じる身毒丸のような、着物のうつくしい青年でした。 「あなたは間も無く死んでしまいます。でもわたしはあなたがかわいそうだから、わたしとあなたの寿命を足して二で割って、それをそれぞれの寿命としましょう」 彼はこう提案してきました。しかし私はそれどころではなく、家族や友人に世界征服のことについて伝えなくてはいけないとあわてていました。しかし

          夢の日記

          いつのか分からないくらい前の夢日記です。 積極的悪夢と消極的悪夢というものがある。それらは全て積極的に発動されてしまう。消極的に転じてしまうのだ。朝になり苦痛のため目を覚ました。病室は均一の白で覆われていて、私はその几帳面さに苛立っていた。積極的なものだったのか、消極的なものだったのか、どちらの悪夢だったのかはわからない。しかしその夢を現実にしなければならないと焦っていた。悪夢でも夢は叶えなければならない、そういったきまりでした。まずは起き上がって体につながった全ての管を千

          夢の日記

          多分1年前くらいの夢日記です。 草木も眠る丑三つ時という表現がある。つまり、草木は普段起きているのだ。なぜ草木に意識があるのかは私もわからない。毎日まいにち、丑三つ時には天地創造が行われている。日々この世界は更新されているのだ。これは私だけが知っている。草木にそう教えられたのだ。丑三つ時は寒い。寒いけれど死は感じられない。しかし、天地創造の瞬間はすべての色が白と黒になる。全ての物体が白くなって、無作為に黒で面取りが行われている。いつものように私は天地創造へ立ち会う。しかし天

          夢の日記

          多分1年前くらいの夢日記です。 徹夜をしたのである。午前五時二十六分頃、私の台所は爆発をした。台所とは、キッチンのことである。私はこれを全て夢の中での出来事だと思うことにした。夢は全て私の頭の中で作られた物語なので、全て私の想像力で補える範囲のものであるし、つね日頃無意識に考えている事がらに基づく。確かにこれは夢の中での出来事であった。しかし、つまり現実の出来事が踏襲された夢なのであった。私は夢の中で神ににたにたと笑われていた。頭の天辺から爪先まで見定められている。この世の

          夢の日記

          結構前のやつ。 起きた直後の夢のメモと、それを元にきちんと書いたもの。 死ぬのがわかっている 踏切を通る ほつれている 壊れる 手を繋いで 走る 暗くて見えない だから死ぬんだ、と私はわかる、 こわくなる、焦っている 寒い だから失敗するんだよと言われる 私は彼女が近い未来死んでしまうことを知っていた。近い未来とは今日中とか、今週中とか、そのぐらいの近い未来のことだ。だから私は彼女に手を引かれて走っている間、彼女の掌のじっとり湿っているのを「もうすぐに乾燥してしまうもの」

          看病

          多分2、3年前くらい? に書いたものです。  友人に呼び出された。すっかり人間として堕落していて、部屋のそこらじゅうにみせつけるみたいにビールやハイボールの空き缶が散乱していた。 「体調が優れない、精神も落ち込んでいる。これはきっと大病だ。どうしよう」  これでも彼は親友なのでおれも連絡を寄越された時は青くなったし、気を遣ってポカリやらゼリーやら冷えピタなんかを買って行ったのに、彼はただの風邪のようだった。酒の飲み過ぎで具合が悪くなっているのかもしれない。しかし落ち込んでい

          手紙

          拝啓 寒くなってきましたね。こちらは実家の福島なんかよりよっぽど暖かいのに、もうこの関東の温暖さにすっかり慣れてしまいました。悲しいです。例えば、こちらに来てからというもの、私は常に神経を尖らせながら、恐怖と不安の中で思考を巡らせて生活しており、あちらにいた頃のような穏やかさや配慮を忘れてしまい、自己中心的になってしまったようにも感じていて。もしくはあちらにいた頃よりも思考をやめ、ただ呼吸を続けることだけが得意になってしまったような気もします。自分でもそれをわかっているゆえに

          嘘つきと嘘つき

          前に書いたものです。いつかはハッキリしません。 「なぁ、触ってもいいかい。顔を近づけておくれよ」  私は眼鏡を外したのち、目をつむり、言われた通りに顔を近づけた。かみさまの手はひんやりとしていて、頬を撫でたのち、顎を、人中を、下唇を、鼻筋を、眼窩を撫でた。私の顔のつくりを確かめるようだった。 「楽しいですか、これ」 「楽しくなければしちゃあだめなのかい、いいでしょう」 「でも、楽しくないのにしなければならない、ということもないでしょう」  かみさまの手が離れ、私の手を握った

          嘘つきと嘘つき

          はじめに

          小林ひょうはく、と申します。 一応筆名は仮です。 趣味は読書、映画や演劇の鑑賞などです。 お笑いが大好きです。たまにライブにも行きます。 小説や短歌、詩などもやっています。 写真を撮ったり、絵を描くのも好きです うさぎさんが大好きです。犬も好きです。眼鏡も大好きです。 どうぞよろしくお願い致します。