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熊野古道・歩き旅【2周目】④ 和歌山・伊太祁曽〜紀伊宮原駅+出会いの事

先週の歩き旅から中7日。ハマり出したらトコトンな性格な物で(苦笑)。

さて、若い頃からの得意技というのが有りまして。クルマでも歩きでも、初めて訪れた所への道のり、一度通るとある程度覚えてしまいます。大学時代、ワンシーズン泊まり込みでバイトした信州斑尾高原のペンションがありまして。社会人になって一人ドライブで訪ねた際は、大阪からの道中殆どドライブマップ(まだカーナビなんて無い時代でしたから)を見ずに無事到着しましたっけ。
今回の熊野詣も二度目という事で、1周目、ひっきりなしに見ていた和歌山県のガイドマップpdf、殆ど見てませんからね。逆に、前回写真を撮った場所も、ほぼ覚えてて定点観測みたい(笑)。例えばコレ。

そしてコレ。

後で出てくる藤白坂の竹藪ですが、上は今回のもの。下は今年1月のもの。全く記憶だけで撮りましたが、ほぼ同じ位置、同じアングルでした。
どんな右脳しとんねんw と自分でも思います。

まぁそんな感じで、熊野古道紀伊路&中辺路のルート、もしかすると既に脳味噌でマスターしてるのかも?なんて、今日のルートを歩きながら思いました。ただ、前回迷子になった道や、先を急ぎ過ぎてスルーしたスポットも有るので、脳味噌の穴を埋める意味でも2周目の意義が有るとも感じました。

まとめみたいなマクラになりましたね。では、今日のルートを振り返り、初心者の迷子防止ガイドも書いてみましょう。

▪️2周目④ 和歌山電鐵・伊太祁曽駅〜JR紀伊宮原駅 2021年10月16日(土)晴れ

早朝起きて始発で出掛けるつもりにしてましたが、今回は土曜日でダイヤが違うんですね。特に単線の和歌山電鐵は平日より電車の間隔が空く。という事で朝一番では行けず朝二番(笑)。天王寺駅の下のホームじゃなく上の阪和線ホームから出る快速で和歌山へ向かいました。
ラッキーな事に前回同様の「たま電車」に当たりました。

ユラユラ揺られて20分で伊太祁曽駅。

前回(1周目)も先週も伊太祁曽神社に寄り道したので歩かなかった正規?の古道(といっても数百m)を辿る事にしました。
神社と逆、北へ数分。県道沿いにあるローソンで補給食等購入し、午前8時出発。

▪️伊太祁曽〜海南市・松代王子(春日神社)

先週、工事で通行止だった平緒王子の先、古道の小栗橋の南側まで県道を西へ数分歩きます。

本来の古道だと、県道に出た所、左手にカフェが見える横断歩道をまっすぐ渡ります。(パノラマ写真は県道を渡った所で振り返って撮りました)細い集落の中の道なので迷う事なく行けますが1カ所、小さな川から斜め右に折れる箇所が有ります。とは言え、前回記事で書いた、道に埋められた「導き石」を見てれば大丈夫です。
あとはひたすら南下。
10分程歩いた右手に面白いモノが。

アルミ?製の鳥居が有る神社です。
そこから3、4分で現れるのが(32)奈久智王子

いつもの緑色の説明板が無い!でもダイジョーブ。古道から寄り道してるのでーす。水原弘と由美かおるに見守られながら、脇の細い階段を上がった奥にちゃんとあります。祠も有りますから是非お参りを。午前8:20。

再び南下する事2、3分で素敵スポットが。

みかんの直売所です。前回1月通った時は山盛りのみかんが並んで、店先に何台もクルマが止まってました。10月半ばだからもう山盛りかな?と思いましたが、まだシーズンの「かかり」なんですね。一箱ドーンと発送も頼めるみたいなので、コレからのシーズン訪れるなら、古道沿いに有りますし、ご利用如何です?自分は道端の100円玉を缶に入れるセルフの奴が目当てだったので通過しましたw  結果、今日は何処でも売ってなくて、利用すれば良かった。。。と帰りの電車の中で後悔先に立たずでした。
因みに場所は、急に道が3倍位に広がる三叉路辺りなので迷いませぬ!

直売所を過ぎるとひと山軽く越えて、坂を下りたら大きな交差点。ココは直進して正面の細い道へ。

集落を抜けたら阪和道の小さなトンネルをくぐります。出た所は阪和道に沿う道へ左折。左手に阪和道、右手にため池を見つつ暫くこの道を進みます。

この先が間違いやすいポイント。2枚目に有る「右折」の看板の先、広い道は直角に右折しますが、古道は真っ直ぐ細い道です

集落の中を2、3分進むとお地蔵さんのお堂が。
四つ石地蔵というそうです。まんまんちゃんあん!

古い集落の先、建売住宅エリアを抜けたら広い道と交差。動物病院向かいの細道へ入ります。

直ぐにお寺に突き当たりますが、ココも右側の細道を直進。

そして田んぼの中の道。先の方に大きいお宅が。

ココも右折、このお宅の角をすぐ左折。
更に突き当たり。そこも右折。
目印はスズキの看板ね。

すると正面の突き当たり、県道の向こうに何やら看板が。

(33)松坂王子です。午前9:05。
実は。。。ココから先、海南市エリアは注意が必要です。あの緑色の説明板が無いっ!何故か?分かりませんが、後にも先にも和歌山県内で海南市エリアだけ、あの緑色の説明板が無いので、注意深く観察して下さい。

伊太祁曽を出てココで大体1時間。
少し休憩したいところです。
松坂王子の所で県道が右カーブしてますが、この内側にエスケープゾーンの隙間がありまして、基礎がコンクリートの矢印看板があります。日陰は有りませんが、基礎に腰掛けて水分補給出来なくは無いので、ご参考まで。(下の写真)

県道はこの先、登り道。
和歌山県のガイドマップを見ると、「左下の道へ下り石畳を上がる」となっていますが、どっちにしても土手上のため池に上がるだけだし、この先の熊野古道で幾らでも石畳区間や急な坂や畦道のような細い道は体験出来るので、個人的にはそのまま県道の広い道を歩く事をお薦めします。
何よりもこの先にある藤白坂へのエネルギーロスを防ぐ為にもw

坂を上がり切ると、例の溜池=くも池をグルリと回り込み、自動車学校の先の山を切り通しで下ります。坂の途中には汐見峠のお地蔵様が。まんまんちゃんあん。

昔はココから海南の海が望めたようですが、今は海辺の工場のパイプ群が見えます(苦笑)。
坂を下りきると、両側にコンビニがある大きな交差点。ココも直進です。

道の右側に川が現れたら左手の電柱看板に注視。
「←春日神社」の看板の角を左折、住宅街の道を進むと裏側に小さな山が見えてきます。この山の上に春日神社が有ります。

自動車用の坂を上がると(34)松代王子が有ります。徒歩ならこの先、長い石段を上がっても春日神社には上がれますが、王子の石碑は境内の手前なので、確認のためにも、このスロープをお薦めします。意外と見つけにくいんですよ。まぁ拝殿の所にスタンプ台が有りますし、石段を上がる方の為にも、境内からのアクセスをご紹介。
本殿から振り返ると左手に石段、横にトイレ、右手にクルマ用の下り坂が見えます。そこを下りますと、左カーブの所、正面の林の所に赤い小さな鳥居が立ってます。

よーく見ると、鳥居の内側の祠の土台に「松代王子」の文字!ここ、登ってくると右手に、照手姫と小栗判官の伝説にある「照手鳥居」(写真下)が立っていて、そっちに目が行くので、王子の鳥居はスルーしがちなのですわ。

そう。説明する自分も登る際に見落としてて、下る時にキョロキョロしてやっと見つけました。
兎に角、緑の説明板を立ててくれ!海南市!
午前9:42。

▪️春日神社〜橘本王子

和歌山県のガイドマップでこの春日神社周辺を見ると、なんか分かりにくいグシャグシャ!とした線で描かれています。実際、前回訪れた時、分かりませんでした。なので、クルマ用のスロープを下りたら、そのまんま正面参道の石段下まで来て、そのまんま坂を下って日方川の小さな橋を渡りましょう。高野西街道の広い道に出る手前!良さげな遊歩道が有るので右折、海側へ向かって歩きます

こんな素敵な休憩所も有ります。実はこの遊歩道、かつて走っていた私鉄・野上電気鉄道の廃線跡を利用していて、休憩所は昔あった駅の跡だそうです。
さて、本来の熊野古道とこの遊歩道の交差点、目安は「最初の横断歩道」です(写真)。

左折してスグが「大野中交差点」。勿論直進する細い道に入りますよ。青木金物店さんの角ですよ。1、2分進むのグニャッとした角に出ます。斜め左が正解。

この先、突然王子跡がひょっこりはん!見落としがちです。前回自分も見落としました。だって、コレだもの。

海南市、ホンマに緑の説明板を立ててください!
(35)菩提房王子。取り敢えず建具屋さんの角ですわ。午前9:58。
ココからは道なりに住宅街の細道を暫く進みます。

立派な石垣の上に立つお寺:浄土寺の前を通過したらその先の角に注目。

熊野一の鳥居跡」。つまり、ココが熊野三山の聖域の入り口という事です。この角を左折したら、神様に素直になりましょう(笑)。
因みにJR海南駅にエスケープする場合は、ココを直進、JRの高架沿いを右に行けば駅に向かえます。

さて、聖域に足を踏み込む。。。という事で、この先に身を清めるスポットが有りました。それが(36)祓戸王子。一の鳥居跡のすぐ先、案内板の角を左折し、住宅街の先の小さな山へ向かいます。

この案内板で行き止まり?と思いきや、看板の所、山を上がる細道が有ります。

もしかすると初めて歩く人は躊躇するかも?
でも、中辺路に行けば、こんな感じの細道は山ほど有るし、すぐ先の藤白坂も似たような細道ですから練習と思って突き当たりまで進んでみましょう。ズラッと並ぶお地蔵様に手を合わせながら、ゆっくり進めばよし。

意外と大きく立派な石碑が有ります。午前10:17。ココで行き止まりなので、来た道を戻りましょうw

緩やかに登る道、暫く行くと大きな木々が正面に見えてきます。九十九王子の中でもグレード1というか、エリートとなる「五体王子」の一つ、(37)藤代王子がある藤白神社。午前10:30。

神社の向かいには「鈴木屋敷」が有りまして、この神社が全国の「鈴木さん」のルーツだとか。境内には「鈴木さん署名ボード」が有るのです。全国の鈴木さん是非!
御朱印を頂き、汗だくの中、やっとゆっくり座って休憩。境内には、屋根付きの立派な休憩所も有りますが、御神木の裏に灰皿と自販機とベンチを見つけたので、そっちに座りました。いよいよこの先、最初の難所が有るので。
水分補給。栄養ゼリーもチューチューして。煙も補給w  そして、2周目初、トレッキングポールをうにょ〜っと伸ばしました。

いざっ。本殿正面の鳥居から古道へ下りて、南へ向かいます。

暫く住宅地の緩い坂を上がると、有馬皇子の墓があるY字路を左に取ります。いよいよ坂の傾斜が上がりみかん畑の中の道を上りながら振り返れば、海南の街も望めるような標高に。藤白坂です。足元に気を付けながら上がります。ココは1丁(約109m)毎にお地蔵様が立てられています。1〜18まで。一つずつ数える事で自分を応援します(笑)。所々、振り返れば綺麗な景色が見えるのもご褒美です。

坂の丁度真ん中辺りが竹藪ゾーンです。
足元を見ると、綺麗です。
この記事冒頭の二枚の写真を見比べると分かりますが、この10ヶ月の間に地元の人たちが荒れた路面を整備してくれたようです。大変助かりました。感謝感謝っ。

なんともミステリアスな「硯石」。ココまで来ると残りも少し。語り部ガイドの案内ツアーのグループがひと休みする間をすり抜けて、ひたすら一人で登ります。耳元を虫が煩い中、コンクリ舗装の道に出ました!

(38)藤代塔下王子がある地蔵峰寺に到着っ!11:30。丁度30分で上がりました。
汗を拭き、水分補給。コンビニで買っていたおにぎりも。そうそう。前回スタンプを押すのを忘れたので、10ヶ月越しの穴埋め完了。しかし、藤白坂って気軽な坂登りが出来る人気のハイキングコースだからでしょう、スタンプがハゲてて、ちゃんと印影が付かない!!思わず二度押ししたら、余計ボケボケになっちゃいました。。。
そうそう。ココで忘れちゃ勿体無いのが、この風景。

御所の芝。お堂の右手、トイレの脇を回り込んだ先に有ります。

そうこうしてると、さっきのガイドツアーの一団が到着。入れ替わるように、こちらは出発しました。
緩やかに坂を下ると、鯉の池の先に道標が。

初心者は躊躇するでしょw 道じゃ無いものw
みかん畑の脇の隙間www  
と、笑ってられないのです。足元が荒れてるし、頭上が荒れてる。傾斜もきつく、正直危険なので、注意深くゆっくり下りてください。ホンマに。

前回、火事で焼けてた出荷場が綺麗な建物になってました。と、ココまで来ると、麓の集落です。相変わらず傾斜はキツいです。
次の王子が迷いやすい。

お地蔵様の角を右折。その先、右折。そして左折。阿弥陀寺境内に(39)橘本王子が有ります。12:20。

▪️下津町橘本〜紀伊宮原

実は、紀伊路で最もキツい難所がこの先になります。その手前の谷間の集落を暫く歩きます。

細い県道を渡った先、加茂川を渡る趣きある橘本土橋を渡ったら左折。

暫く歩くと(40)所坂王子が有る橘本神社。ややこしいですが、一つ手前、橘本王子が有るのは浄土寺。橘本神社に有るのは所坂王子です。12:30。

今や一大産業の紀州のみかん、その原木となる橘の木が有ります(3枚目の写真)。
参拝後、下までおりてきたら、地元のおっちゃんとおばちゃんに声を掛けられました。大阪から来た事、二度目の熊野詣で有る事など話すと、色々教えて貰いました。特に紀州青石。この橘本神社の石垣、石段もそうですが、ミルフィーユ状の構造を持つ岩石で、緑色。和歌山城の石垣にも使われていて、例の緑色の王子案内板の足元に有る王子名を刻む石も紀州青石だとか。和歌山県を横断する中央構造線沿いに分布し、四国側にも同様の石が有るそうです。

お二人と別れ、集落の道を歩いていても家々の石垣にも紀州青石が散見されました。

暫く川沿いの道を緩やかに登っていきます。
加茂第二小学校の先に有るのが(41)一壺王子がある山路王子神社。12:55。

赤ちゃんを抱いて取り組む泣き相撲で有名だそうで、その土俵が鳥居そばにあります。

さぁ。ココから先、坂が次第にキツくなります。
蕪坂のスタート。
斜面がキツいなら、つづれ折りにすりゃイイのに、昔の人は何を思ったか?真っ直ぐにキッツイ坂を設けたんですな。
まず、沓掛集落の入口を右に取ります。

その先、家々の間の細い激坂を上がります。
サイクルロードレースファンなら「ユイの坂」といえば傾斜のキツさが分かるでしょうか?前から原付のおっちゃんが下りてきましたが、エンジン掛けずに猛スピードで下りて行きましたw

集落内の小道から農道の道に出ました。グルッと方向転換して更に登ります。幾つかつづれ折りですが、左カーブを曲がったらほぼ直線の激坂!
もう黙々と登る他なし。
上がりきったら、平坦になり、次の集落に着きます。

県道は直角に右折しますが、古道は真っ直ぐ激坂を上がりますよー。
数十m、看板の通り拡幅工事をしていますが、その先はみかん畑の中を上がる道。また耳元を虫がブンブン煩く飛び回ります。ただ、藤白坂と違い空は明るい。地道の区間は山頂までの僅かな区間でした。

舗装路に出てすぐ、分かれ道を左へ。

ほぼ平坦な尾根道を行くと景色が開けます。

拝ノ峠。この景色を見れば疲れも吹っ飛びます。
ココからは下り基調です。
そして下ったところに有るのが(42)蕪坂塔下王子。午後1:50。

ココには広い休憩所があり、水洗のトイレも有ります。暫し休憩。
午後2:00、トレッキングポールの尺を伸ばして下ります。急な下り。

太刀の宮爪かき地蔵など、趣あるスポットを見つつ下ると、次第にみかん畑の間を下る標高に。

実はまだ時間が早く、そのまま湯浅まで足を伸ばすつもりでしたが、蕪坂の登り、そして拝ノ峠からの下りが思いの外、膝に来て、痛くてヤバい状態になってきたので、紀伊宮原でリタイアする事に決めました。
そんな心が折れた時、農道を下り切って(43)山口王子に到着。午後2:30。ココも公園になっていて、ベンチでひと休み。

あとは、ひたすら集落の緩い下り坂を下りていきます。。。

そして、ずっと訪ねたかったお店。

CAFE55さん。
ココのご主人、走るのがご趣味でして、自分が熊野古道を南下し始めた同時期に、京都・城南宮から熊野までを走るというYouTubeの動画シリーズをスタートさせました。
情報収集してた時、たまたま見つけたんですが、自分が歩くタイミングのひと足早く同じ区間を走ってらして、大変参考になってました。

前回、お店の前を通ってましたが、その時は、この店のご主人とは知らず、またその時は、コンビニでおにぎりを買い込んでたので、ランチを食べるのはやめてスルーしちゃったんですね。

せっかくなので、今回はご挨拶を。。。
と、店先の看板を見たら「本日貸切」の文字。
ガーン!
いや、入口が開いてて、中から音が聞こえる?!
ごめんくださーい。声を掛けてみたら、ご主人!
自己紹介したら覚えて下さってました。
まぁコーヒーでも。
いいんですか?
なんでも、定期的にゴスペルの練習会の会場として開放されてるとか。
もうじき来るけど、まぁどうぞ。
と、招き入れて頂きました。

いや、ネットで知り合った方に直接お会い出来て挨拶出来るのは、嬉しいものです。
暫しお話をさせてもらいました。

また今度はご一緒しましょう!
と、お店を後に。 

▪️CAFE 55(食べログ)

▪️CAFE 55 ご主人:nobbyさんの動画最新作は、大辺路チャレンジです。

普段、ひとりで黙々と歩いていますから、今日みたいにお会い出来たり、地元の方とお話し出来て、イイ一日になりました。
膝はヤバヤバでしたがw

JR紀伊宮原駅。午後3:15到着。

予定よりだいぶ短くなりました。
次回は御坊まで行けるかな?

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