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泣いても期限は延びません

 昨日の午前中は、当たり日だった。カスハラ電話2本、当たりました。カスハラとは、いわずもがな、カスタマーハラスメントの略である。2度あることは3度あるというから、3度目のカスハラ電話がわたしに当たらなければ、仕事帰りに宝くじを買おうと思ったくらいだ。電話の内容は、自分自身のうっかりミスをなんとかしたいというものだった。うっかりミスも、ミスはミス。情状酌量の余地はありませんとお断りしても、粘る粘る。怒鳴るわけではないので、電話も切りづらい。うーん。困ったな。

 このお客様は、どんな人生を歩んでいるんだろう。うっかりミスをリカバリーするために「わかった、わかった、なんとかしてあげるよ」と相手に言われるまで食い下がって生き抜いてきた人ではなかろうかと想像した。自分のミスを許してくれる優しい人に囲まれて生きている。ある意味幸せな人生を謳歌しているのかもしれない。けれど、本人は必死。その必死さが伝わってきて、かわいそうな気持ちなる。うーん、相手をそんな気持ちにさせることに長けているのかもしれない。
 同じ説明を3回、4回、5回と説明回数がカウントされていく。「お気持ちはお察しします。けれど、お客様のミスを取り消すことはできません」と繰り返す。必死に食い下がる相手に同情しつつもできないものはできないのだ。

 さて、世の中にあるサービス、契約、資格等で期限がないというものを思い出してみよう。そういうサービス等は少ないのではないかとわたしは思う。「永久に不滅です」というと長島監督の名台詞を思い出す。永久不滅?そういえば、一部のクレジットカードのポイントで永久不滅ポイントというのがあったな。それでも永久に不滅のサービスは、一部のサービスだと思う。永久に不滅というサービスはなかなか思い浮かばない。最初から永久に不滅なら良いのだけれど、期限があるものが期限がなくなるということはないし、うっかりミスでも期限が切れたら、復活することはできないのだ。もし復活することができたら、ラッキーだったくらいに思った方が良い。たぶんそんなことは極まれで、期限が切れても大丈夫だと思うことは危険である。

 さて件のお客様、どんどん説明回数がカウントされていく。このカウントは、クレーマー判定に向かっていくカウントである。ある一定のカウントを超えるとお客様対応ではなくなり、クレーマー対応に変わるのだ。最近では、厚生労働省が企業向けのカスハラ対策マニュアルを作成し公表してくれているから、安心して対応できる。

 いよいよ、説明回数が上限値を超える。これ以上お話しても、同じ話の繰り返しになるだけですと宣言して、電話を終えるためのクロージングに入る。そうなるとダメなのかと諦めたのか、突然いい人に早変わり。切り替えも早かった。その変わり身の早さが可笑しかった。

 4月に入り、新しく社会人になった人達が直面するのは、学生生活で甘かった期限の厳しさである。期限を守らないのは、相手の時間を奪う事でもある。どんなことがあっても期限は守った方がいいし、物事には期限がつきものだから、必ず有効期限は確認した方がいい。

 これから、私の部署にも配属される人もいるだろう。(いないかもしれなけど……) 新人には期限を守ることの大切さを伝えていきたいと思う。

 自分も原稿の提出期限は、守るようにしたいと思う。

 

 

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