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伊豆諸島を好きになった理由を、奄美大島で思い出した。

「好き!」と思った瞬間の強いエネルギーは、思っている以上に長くは続かない。

その思いでずっとやってきているものも、いつしかそれが日常になり、好きと口では言いつつも、はて、なんで好きだったのかわからなくなることがある。

それは人も、場所も、物もそうだ。

そのうち情に変わり、好きという気持ちがよくわからなくなるのだ。

私は伊豆諸島が好きだ。そう言いながらもう4年目を迎えようとしている。2015年の5月頃に、初めて行った伊豆諸島。あれからもう4年経った今でも、もちろん伊豆諸島が好きだ。行く度に安心するし、新しい物・人・事を発見できるし。好きだ、好きなんだ。

しかし、たまにあの始まりの燃えたぎるような「好き!」という炎を忘れることがある。

忘れて問題ない場合もあるが、時にこれは執着じゃないか、とか、本当に好きだったんだろうかと不安になることもある。好きと言う口癖なんじゃないか、とか。

しかし今回、やっぱり伊豆諸島が好きで間違えないと確信した。

それは、奄美大島に旅行で行ったことにあった。

奄美大島はLCCも出ているし(JALで行ったけど)、広いし、おしゃれなお店は多いし、何よりすこぶる海が美しい。沖縄ほど開けておらず、素朴な感じを残しつつ、三線に合わせた音楽を奏で、居酒屋でおしゃべりをするように掛け合いながら唄を歌う。そしてこれがまた、皆んな唄がうまい。満天の星はさすがなもので、ずっと見ていたくなるような美しさだ。今回は全部回れなかったから、また行きたいなと思える場所である。

しかし、私にとって奄美大島は何かが足りなかった。

「なぜ、同じ島なのに、伊豆諸島で感じたあのわくわくがここでは感じないんだろう」

そんなことを旅中、ずっと考えていた。

「人じゃないか?奄美大島では人を知らないからじゃないか」

一理ある。しかし人を知る前に私は伊豆諸島を好きになった。なぜだろう、なぜだろう。3日間考えぬいて、はっと気づいた。

「そうだ、伊豆諸島には、想像を超える自然があったからだ」

私は自分で言うのもなんだが、国内外合わせて色々な場所を見てきたつもりだ。海外に住んだ経験もあるし、世界一周しているわけではないが、それなり他の地へ足を踏み入れている。その中で伊豆諸島は、「だいたいこんなのがあるんだろうな」という想像以上の大自然があったのだ。

奄美大島はとても良かった。なんというか、想像通りだったのだ。

しかし伊豆諸島は私にとって、予想していなかった火山島ならではの産物があり、地球はこれを生み出したのかと、母なる大地に住んでいる自分を改めて気付かせてくれた場所だった。

あ〜そうだ!ここだ!これだ!地球だった!

伊豆諸島は地球だ。地球を感じられる、私たちは地球があってこその生物だと思い出させてくれる現代では貴重な場所なんだ。

「やっぱり私、伊豆諸島が好き!」

他の島に訪れ、我がホーム(自称)への愛を思い出す。

たまには浮気心も大切だなと思い、来週はまた伊豆諸島へ繰り出していく。


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