ただの愚痴です。

息子（小２）が少年野球を始めて、もうすぐで一年。

最初は途中であからさまに飽きたり、練習中に土に絵を描いたり仲間とじゃれたりして、集中してない時間が多々ありましたが。

それでも、監督コーチが本当に優しくて。
投げ方・打ち方、野球のルールなどを、毎回丁寧に教えてくださって。

子供なんで、日曜に教えてもらったことを次の土曜にはできなくなってたりするんですよ。
でも叱らず怒らず、また教えてくれる監督とコーチで。
（本当に申し訳ないです）
上級生の先輩たちも、いつも優しく声をかけてくれます。

そうこうしてるうち、最近は何か急に向上心が芽生えてきたようで。
休憩と言われた時に、壁当てして自主練を始めたり。

練習のない日に公園でキャッチボールやろうと言ってきたり、家の前で素振りをしたり。
親の贔屓目ですけど、少しずつですが着実に上手くなってきました。

そんな息子を見ていて

僕はめちゃくちゃ羨ましいのです。

それと同時に、本当に悔しいのです。

思い返せば僕が小学校の１年だか２年だったか
野球がやりたくて、近所のチームに入りたいとお願いし、父親に連れて行ってもらいました。

わくわくウキウキしながらの初練習。

まずキャッチボール。
父親と何度かやっていたので、それくらいはできるつもりでいました。

組まされた相手とキャッチボールをやっていたら、なんだかまわりの上級生たちがクスクス笑い始めました。
どうやら僕を見て笑っているようです。

一人の上級生が言いました。

「お前、なんやその投げ方。笑」

ドッと笑うまわりのみんな。

「横投げやん。笑」

いわゆるオーバースローではなく、斜め上から腕を振るスリークォーター気味だったようです。

でも、誰も正しい投げ方を教えてくれません。
自分では何が間違っているのかも分かりません。
投げるたびに笑いが起こります。

そのうち

「そのジャージどこのメーカーなん？笑」

近所のスーパーで買ってもらった、ノーブランドのジャージ。
アディダスとかアシックスとか、カッコいいメーカーがあるなんて、その時の僕は知りませんでした。

「そのグローブ、変なクセついてしもてるやん笑」

おとんに買ってもらった大事なグローブに、僕が変なクセをつけてしまったのかどうか、いまだに分かりません。
みんなから見て変だったみたいです。

守備練習でライトを守れと言われて立っていたら

「おいライト、声出せよ！」

当時の？少年野球のかけ声は独特で、みんなが何を言ってるか分かりませんでした。
分からないから言えません。
もちろん誰も教えてくれません。

もうヤジられたい放題。
一挙手一投足をいじられ、いびられました。

監督は知ってか知らずか何も言いませんでした。
野球も教えてくれません。
チームにいた同級生を含め、味方は誰もいませんでした。

そんな感じだったので、２〜３回行ってすぐに行かなくなり、フェードアウトして辞めてしまいました。

後日、たまたまおかんと歩いていた時
道で会った何も知らないそのチームにいた同級生の母親が

「練習を休むならちゃんと報告してください」

的なことをおかんに言っていて。
ペコペコ頭を下げるおかんを見て、本当に申し訳なく思ったのを今でも覚えています。

その後の話。
僕の通っていた中学校には野球部がなくて。
高校にはあったけど坊主必須で、その頃にはそんな勇気がなかったのと、好きだったキャプテン翼の影響でサッカー部へ。
そんなこんながあり、僕の野球経験は「遊び程度」のまま、今に至ります。

一生懸命野球をやってる息子を見て
、忘れていたそんな過去の思い出がブワッと思い出されました。
そして思いました。

「ああ、俺は野球やりたかったんやなあ」

コーチが息子に投げ方を教えるのを遠目に見ながら、真似している自分がいました。

「野球やりたかったなあ。
野球やっとけばよかったなあ」

自分でも驚いたのですが、そんな感情が押し寄せてきたのです。

僕は野球がやりたかった。
下手でも何でもいい。
自分なりに懸命に練習して
ボールを追いかけて、打って投げて走って
勝った負けたの気持ちを仲間と共有したかった。
僕は野球がやりたかった。

でももう５２歳になっちゃいました。

いや、やろうと思えば入れてくれる草野球チームはきっとあります。
お願いすれば。

そうじゃなくて、青春の１ページとしての野球をやりたかった。
少しでも上達しようと泥んこになってボールを追いかける息子を見て、心底そう思いました。

別にプロになってとか甲子園に行ってとか、そんなことは全く思ってないけど
息子にはなるべく長く楽しく野球を続けて欲しいです。

良い指導者に恵まれ、良い仲間たちがまわりにいる今の環境は、決して当たり前ではないから。
それをお父ちゃんは身に沁みて感じているのです。
そんな説教くさいことを息子に言うつもりはないけど。

いつの日か挫折したり、野球以外に興味のあることが出てきてそっちに行くかもしれない。
それはそれでお前の人生やから好きにしなはれ。
ただ、練習が面倒くさいとかゲームやりたいからと言い出してサボるなら少し怒るけど。笑

野球だけじゃなくスポーツは上手くなればなるほど絶対に楽しい。
好きこそものの上手なれ。
頑張って上手くなるんやで。

そしてお父ちゃんの分まで、素敵な野球生活を謳歌しておくれな。