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和尚さんだった祖父が教えてくれたこと

先日和尚さんだった祖父が亡くなりました。

祖父は保護司として、少年院に入った子たちの更生も務めていたことがあり、国から表彰されたことのある、立派な人でした。

仕事や制作の良し悪しはまだ冷静になれるけど、人間としての至らなさはどうも曖昧で解決しにくく、そういうことは祖父に相談していました。

ある日、従姉妹が作った湯呑を、友人がつい割ってしまったことがあります。しょうがないことなので、どうしようもないのですが、それは特別な日にもらった大切なものだったので、心にひっかかったままでした。

ちょうど祖父に合う機会があり、「もらった湯呑を、割ってしまった」と報告したら、「ものは、いずれ壊れる」と一言言われ、その一言で気持ちがすっきりしたことがあります。

人を傷つけてしまったときは、「人は強いから、必ず変われる。変わりなさい」と、逆に傷つけられたときは、「思い悩まず、逃げなさい」と言ってくれました。

その一言一言に押されて、不器用なりにここまでたどり着けたなぁと思います。

たまに、「もう私はこういう人間だから、無理だ」と思ってしまいたいな〜、というときも、あるのですが、その度に祖父の言葉を思い出します。嫌なことはできる限り深追いせず、シンプルに解決するよう努めています。

そんな祖父が、先日ゆっくり息を引き取りました。

かなり前から体調が悪かったので、祖父が病院に通いだしたころから、悩んだときは積極的に電話をかけるようになったと思います。

曖昧な相談を泣きながらするので、時には心配させてしまいましたが、祖父の残してくれた言葉を大切に、これからも前に進んでいきたいなと思います。

写真は納棺日の朝に、お寺の前に貼られていた、祖母の書道です。

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