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前鋸筋と周囲の筋連結-機能解剖と理学療法-

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今回は前鋸筋と前鋸筋と連結する周辺組織の関係性を機能解剖学的解説していきたいと思います。
本記事を読むことで、
・前鋸筋の各筋束ごとの作用
・前鋸筋の機能不全
・前鋸筋に対する理学療法介入

について理解することができます。
それでは早速、前鋸筋の解剖と作用からみていきたいと思います。



前鋸筋の解剖と作用

前鋸筋は大きく3つの筋束に分けて考えることができます。
それぞれの筋束の作用は

・上部筋束(Upper bundle)
肩甲骨の回旋運動の固定、前傾運動
・中部筋束(Middle bundle)
肩甲骨の外転運動
・下部筋束(Lower bundle)
肩甲骨の外転、上方回旋運動

このように筋束により作用が異なります。
※筋束や線維ごとに作用が異なることはよくあり三角筋や僧帽筋など広範囲に付着部をもつ筋肉には比較的多いです!

では文字だけではなかなかイメージしにくいと思いますのでスライドでも各筋束の作用を確認していきたいと思います。


上部筋束は第1肋骨から肩甲骨の上角に付着部を有するため肩甲骨の前傾に作用します。
また、Nasuら(2012)の報告によれば前鋸筋上部筋束は肩甲挙筋から分岐した神経に支配されています。

肩甲挙筋と前鋸筋上部筋束の密接な関係、そして付着部からも下方回旋作用もみられるといわれています。

中部筋束は第2.3肋骨から肩甲骨内側縁全長に付着部を有するため肩甲骨の外転に作用します。

下部筋束は第4-9肋骨から肩甲骨下角に付着部を有するため肩甲骨の外転・上方回旋に作用します。

1つの筋肉の中に3つの異なる作用があると混乱してしまいそうですね。

しかし前鋸筋全体の収縮は肩甲骨の外転、上方回旋に作用しますので、基本的には難しく考えなくても問題ありません。

では次に前鋸筋周囲の筋連結についてもみていきたいと思います。

前鋸筋周囲の筋連結

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