私が世界について思うとき

私が世界について思うとき
そこにはいつも空白があった

地平線へと没する荒野
雲流るる果てなき蒼穹

その空間には目に見えない
果てしなく巨大なものが住んでいて
時折、荒れ狂う風の音に、
微かにその吐息が混ざる

その息吹に耳を澄まして
世界の広大さを思い
私は、息苦しくなる

しかしその息苦しさが
私に可能性の在処を思い出させるのだ

だから私は世界について思うとき
いつもそこには空白を置く

新しい言葉を紡ぐために

どこか遠くかもしれない。会うこともないかもしれない。 でもこの空の下のどこかに、私の作品を好きでいてくれる人がいることが、私の生きていく糧になります。