闇夜の嵐
暴風雨に狼の遠吠えを聞く
孤独が狡猾な蛇のごとく這い寄り
冷気となって五臓六腑を締め上げる
闇を裂く雷鳴
私の声をした誰かの遠吠えが響く
軋む
悲鳴のように 歓喜のように
体の奥の赤い衝動が
腹の底から突き上げ
肉を割いて飛び出そうとする
唸る
悲鳴のように 歓喜のように
理性が築いた最後の防波堤が
今、赤い衝動に押し流されて行く
そして私の衝動は
空っぽの肉体を引っ提げて
何処かへと飛びだそうともがく
そして、吠える
暴風雨の中で仁王立ち
赤い衝動が迸るまま、あらん限りの声を解き放つ
どこか遠くかもしれない。会うこともないかもしれない。 でもこの空の下のどこかに、私の作品を好きでいてくれる人がいることが、私の生きていく糧になります。