微睡みに綻ぶ

このまま微睡みに身を任せようか

誰もいないこの公園で
あてどなく空想の世界を彷徨う

途切れぬ風に唆されて
この身は少しずつ形を失い
大気に解けるだろうか

甘美な誘いの声が
遠くから私を呼ぶ

引き止める者もない私は
そっと声の聞こえる方へ
何も言わずに一歩を踏み出す

梢が肯定するように
頭上から囁く

閉じた瞼の裏に踊る影が消え
身に纏う衣の重さは霧散し
梢の音だけに抱かれた私は
形を失いゆくことに安堵し
最後の息を吐く

暖かく昏い闇がじいっ、と
私が消え去るまでこちらを見ていた

どこか遠くかもしれない。会うこともないかもしれない。 でもこの空の下のどこかに、私の作品を好きでいてくれる人がいることが、私の生きていく糧になります。