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よー、そこの若いの

干支が一周した。あの日ぼくは、トムブラウンのスーツとディオールのドレスシューズを身につけ、成人式の会場にいた(イキってたなあ)。

若い人の目に届くかはわからないけれど、大人や先輩から言われて無視すべきだ(だった)と思ういくつかの発言や現象に触れておきたい。

・「まだ(君には若すぎて)わからないと思うけど、、、」
相手を確実に見くびった物言いの仕方に、ぼくはいつも反発していた。確かに経験がないとリアリティを持ってわからないこともある(と今となっては思う)。けれど、大人になるにつれてぼくたちは現実主義的になりすぎて、知らないからこそ語ることのできる夢想やビジョンを描けなくなっていく。現実に即した発想と現実を超えて描くスキル。どちらも大切にするって難しいなあ。

・甘美に聞こえる概念やフレーズを過度に使うこと、あるいは使う人
身の回りにも怪しげなコミュニティやネットワークビジネスに巻き取られている若者が見られる。ぼくに彼らを救うための力はないし、信じているものから引き剥がしてまで「救う」べきでもないのかもしれない。大学の頃に悪質なビジネスから友達を助けることができなかった経験もある。大人になると、地に足がついていない人はかなりの確率で見抜けるが、理解できない言葉や概念は魅力的に見えてしまうことも確かだ。アクションや現実から浮かび上がってきた強度(裏付け)のある言葉を大切にしたい。

・「それじゃ稼げないよ/どうやって食べていくの?」
ぼくが独立をしたのは25歳だったけれど、この言葉は何度も聞くことになった。その言葉を「相手への心配」や「相手への共感」で発している人は、実は多くない。そうではなく、自分の人生や働き方を正当化するためにその発言をする人が多いようだ。誰も、自分の生き方や人生の物語を否定されたくないし、自分自身で否定したくないからだ。自分の理解や視野の範疇を超える出来事に対して、ポジティブな反応ができる大人は多くない。自分自身に対しての戒めとしても書いておきたい。

よく自分は、上の世代に反発をして生きてきたな、と思う。今でも基本的に「権力」や「前提(常識)」に対しては牙を剥いているかもしれない。それでも多少は丸くなっただろうか。

上の文章を読んでもらって、なにか参考になることがあればうれしい。ぜひ、活かしてもらえるといいな。

最後のお願いだけれど、竹原ピストルの『よー、そこの若いの』を聴いてほしい。

そういうことなんです。そういうこと。また一緒に遊びましょう。

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