【期間限定企画】1か月間IPO(新規株式公開)応募生活(1):ビーイングホールディングス

 経済とか資産形成とかに興味を持つようになって1年半くらい。IPO(新規株式公開)に参加して、抽選に当たれば80~90パーセントは公募価格より値上がりして儲かる!

 「IPOはタダで買える宝くじ!」なんて言っているIPOブロガーたちの影響もあり、僕も1年ちょっとくらい、IPOの抽選に参加しているのです。けっこう証券会社にも口座をつくりました。しかし、現実は厳しい。IPOブロガーたちは「そんなに当たるものじゃないし、コツコツ申し込み続けることが大事」「主幹事優先」「家族にも協力してもらって」などと書いているのですが、いやこれが本当に当たらない。「今回は当選率が高くて大チャンス!」なんていう銘柄でも、僕が目の当たりにするのは「落選」「次点」「補欠当選(という、ほとんど繰り上がることのない「ほとんど落選」)」ばかり。当たらないとは聞いていたけれど、これほど当たらないものなのか、というのが実感です。

証券会社によるものの、応募し、抽選対象になるためには口座に価格分のお金を入れておかなければならないところもあり(応募して当選した時点でお金を用意すればいい証券会社もあります)、ぶっちゃけ、こんなのいちいち応募して落選してガッカリ感を蓄積していくよりは、IPOに応募するための種銭で高配当株か投資信託でも買って運用したほうが良いのではないか、とも思えてきます。

 今年、2020年は新型コロナウイルスの流行で、春は軒並み新規上場が中止されたり、IPOの初値が悲惨な状況になったりしていたのですが、その後、世の中には仕事やお金に困っている人が溢れているのに、株価はグングン上がっていっています。

 今年の後半は、IPOバブルと呼ばれるほど、公募価格を大きく上回る初値をつける銘柄も多数出ています。いや、いました、というべきか。11月下旬に公開されたIPO株は、業界内の大手予想を軒並み下回っており、IPOバブルもやや低調になってきている感じなのです。

 まあしかし、本当に当たらないんですよこのIPOって。

 楽天証券だと、人気どころでは当選倍率が200~300倍、なんて数字が毎回でてきます。初値が公募価格を割りそうな不人気銘柄(実際に割りました)でも、50倍くらいありました。

 とはいえ、当たるときは当たる、というのもまた事実ではあります。

 僕自身は、IPOで儲けたい、というよりは、日常生活のアクセントとして、まさに宝くじ感覚で応募し続けているのですが、そう言いつつも、あまりにも当たらないので、「これ、本当に当たるのか?」という気分ではありますし、当てまくっているIPOブロガーの「当選報告」をみて、「本当にそんなに当たる人がいるの?」と疑念を抱いてもいるのです。

 そこで、26社ものIPOが予定されている、この2020年12月に、いま、自分が応募できる証券会社(十数社)で、かき集めた資金で可能なかぎりIPOに応募してみて、「一般人がそんなに(儲かる)IPOに当選することが本当にありうるのか?」を検証してみたいと思います。いやしかし、26社、それも、上場が12月の後半に集中しているため、ひとつひとつはネットで簡単にできるとはいえ、応募する手間も、資金をうまくやりくりする手間も、かなり大変なことになっています。「これは公募価格を下回るのでは……」という地雷銘柄もあります。

 ちなみに、これまでの僕自身のIPO当選歴ですが、2019年の後半からはじめて、2019年は1銘柄、2020年は5銘柄当選しています。そのうちの2銘柄は初値が公募価格を下回り(とくにコロナ流行期のフォーラムエンジニアリングという会社は……)、ほぼ公募価格と同じが2銘柄、少しプラスが1銘柄、10数万円くらいプラスになったのが1銘柄、という結果になっています。とりあえず応募できるものはかなり頑張って参加してこのくらいというか、もしこの10数万円プラスの銘柄で「本当に当選するんだ、そして、こんなにプラスになるんだ……」という経験がなければ、とっくの昔にやめていたと思います。「こんなの絶対に当たんねえ」とやめようとしていたところでの当選でもあり、けっこうびっくりしました。それも、ここだけはどうあがいても無理っぽい、と思っていた、業界のガリバー、N村証券が主幹事の銘柄だっただけに、応募すれば当たることもあるのだなあ、と。そして、本当に抽選しているのだなあ、とも。

 ただ、そんな幸運は滅多にないのも現実で、「当たるときは当たるんだ」と期待しすぎると、まさに「株を守りて兎を待つ」ことになりかねません。

 まあ、谷村ひとし先生のオスイチみたいなものではありますよねIPOって。当選確率もパチンコのミドル機・ライトミドル機と同じくらいの200~300倍と思えば、そりゃ、最初の1回転で当たるなんてことは滅多にないよなあ。

 ああ、また長々と前置きを書いてしまった。

 今回は2020年12月のIPOラッシュ限定企画として、有名IPOブロガーさんたちみたいな証券会社のアフィリエイトとは無縁の立場の僕が、「素人投資家のIPO投資のリアル」をお届けする予定です。

 とはいっても、抽選結果と愚痴を淡々と書いていくだけ、なんですけどね。自分自身の備忘録として、そして、「IPO投資って、当選自慢ばっかり見かける気がするけれど、実際はこんなに当たらないものなのだ」ということをお伝えできれば幸いです。いや、全然幸いじゃないか。本当は、読んでいる人たちがみんな「こいつ、なんでこんなに当選しまくっているんだよ!」とムカつく結果になることを願ってやみません。まあ、本当にお金も人脈も持っている人は、IPO銘柄を証券会社の優良顧客への裁量配分でもらっているんでしょうけどね。ネットでの平等抽選に賭けている時点で、たかが知れているよね。


<12月4日抽選結果>

・ビーイングホールディングス(9145)【1社め】

 野村証券(主幹事)、三菱UFJモルガンスタンレー、SMBC日興、SBI証券(1000株応募):すべて落選(みずほ証券の結果は明日、auカブコムは後期型)


 当選確率的にも、この銘柄でいきなり当たるとは全く思っていない……はずなんだけど、久々にIPO抽選結果をみると、やっぱりガッカリしますね。まずは悲しいが順当な滑り出し。週明けの12月7日の抽選結果発表は、スタメン、Fast Fitness Japan、バルミューダ、プレイドと、早くも12月IPOラッシュの前半の天王山になりそうです。

 次は(たぶん)12月7日に。俺の「落選」に、また1ページ!


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