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⑦シドニーのフラワーファームで軟禁状態

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2015年8月中旬、アデレードのワインファクトリーでの仕事を終え、少し貯まったお金を持ってシドニーに戻ることにした。

日豪プレスにフラワーファームの求人が出ていて、そこで働くことになっていた。『家族経営の小さなファームで、住み込みで1日3食付き、お給料は出ないが、毎週少しのお小遣いが貰える』ということだ。31歳にして、お小遣いをもらう生活をするなんて思ってもいなかった。

シドニーと言っても、シティから電車で約40分ほどのパラマタという街だ。パラマタはシドニーのウエスタンサバーブに位置し、ウエスタンシドニー大学もある、比較的治安も良く、住みやすい街だ。

パラマタ駅で、ファームのオーナーというかご主人と待ち合わせていた。そういえば、実際にご主人と会うまでは、彼が何人なのかも知らなかったが、中国人だということが後に判明する。(特に中国人ということに偏見があるわけではない)

駅で初対面したご主人Tと軽く挨拶し、車で5分ほどの彼の家に向かった。なかなか優しく真面目そうな印象だった。

これから一緒に生活する家に着いた。結構立派な家で、家の中も清潔に保たれていた。なかなか住みやすそうだ。家族構成は、ご主人T、その奥さんと大学生の長女、高校生の次男の4人家族だ。ちなみに次男は思春期&反抗期まっさかり!

家では奥さんが夕食の準備をしていた。これからほぼ毎日、中華料理を食べる事になるなんて思わなかったが、奥さんの料理が結構美味かったことが救いだ。

自分の部屋はオウンルーム(一人部屋)で、家にある食料も自由に食べてよかった。彼らの英語は中国訛りで勉強にはなりそうにないが、なんとかやっていけそうだ。

次の日から早速仕事が始まった。ファームの朝は早い。6時には家を出発し、車で30分ほどの場所に家族が経営するフラワーファームがある。働いているのはご主人と奥さんの2人と僕の3人だ。そこまで広大なファームではないが、2人だと結構キツそうだ。

ビニールハウスの中に、何種類かの花がギッシリと植えられていて、午前中は2人が花を摘み、僕はその他の雑用をこなした。午前中に摘んだ大量の花をワンボックスの車に積み、家に帰る。これで終わりかと思ったが、昼食を済ますと、午後からは摘んだ花を売れる状態にラッピングしていく作業が待っていた。これが17時〜19時ごろまである。ん?一体何時間働かされるんだこれ?と思った。とにかく1日の仕事が長かった。

毎日昼も夜も中華だとさすがに飽きてくるが、たまにピザを取ることがあって、ピザの日は本当に嬉しかった。ちなみに外食もたまにするが、中華だ。

夕食中に見るテレビは、中国の番組だった。しかも全く面白くない。中華に中国のテレビ番組。会話こそ英語だが、完全にここは中国だった。最初の頃は会話も良くしたが、次第に会話は減っていった。

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