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⑧フラワーファームからの脱出と坊主頭

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軟禁状態のフラワーファームで働き出して、もうすぐ3週間が経とうとしていた。毎日お花に囲まれてお仕事ができて、さぞかしメルヘンだね、羨ましい。と言われたことがあるが、いやそんなわけがない。毎日毎日、大量の花の処理で、僕は完全にロボット化していた。

いつものようにロボット活動を終えたある日のこと、仕事を終えて何気なくfacebookを眺めていると、1通の広告が流れてきた。この広告が、僕のオーストラリア生活で一番充実した時間を過ごすことになる、運命の広告になる。

その広告は動画だったのだが、

「シドニーでメルギブソンが監督をする、ハリウッド映画に日本兵役として出演できるエキストラを募集します。オーディションをするので、興味のある方はメールで応募してください。」

たしかこういう内容を日本の方が喋っていたのを記憶している。

そして、僕はすぐに応募のメールを送っていた。
オーストラリアに来てハリウッド映画に、たとえエキストラだとしても出演できるなんてそうないことだ。絶対にこの仕事をやりたかった。

返信はすぐに来た。メールには、オーディションの詳細と、髪型や身だしなみについて書かれていた。

坊主にできる? ヒゲを剃れる?
と書かれていた。僕はここ数年、ロン毛でヒゲが生えていた。

ハリウッド映画のオーディション

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