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その情報、信じて本当に大丈夫?!  ~富士通と慶應義塾大学が研究しているTrustable Internet(信頼できるインターネット)が正しい情報の見極めを支援します~


こんにちは。富士通 広報note編集部です。
私たちの生活は、今や「食べる、寝る、インターネットを使う」で成り立っていると言っても過言ではないほどに、インターネットは生活に欠かせない存在となっています。
一方で、インターネットには、意図的に誤った内容を含む偽情報や、確からしさが検証できないデータも数多く存在しており、フェイクニュースによる経済損失は年間780億ドル(約10兆円)に達する※とも言われています。

THE ECONOMIC COST OF BAD ACTORS ON THE INTERNET FAKE NEWS | 2019

そこで、今日は、インターネット上のデータの確からしさの確認を可能とする「Trustable Internet(信頼できるインターネット)」についてお伝えします。

「Trustable Internet」とは?

富士通は、自社のパーパスにもある「イノベーションにより社会に信頼をもたらす」ための研究開発を、慶應義塾大学とスモールリサーチラボ※を通じて進めています。その一つに「Trustable Internet」の研究があります。

スモールリサーチラボ:国内外の大学の中に研究拠点を設け、弊社研究員が大学内に常駐または長期的に滞在しながら産学連携の活動を行う富士通の取り組み。

 「Trustable Internet」は、インターネット上のデータの確からしさを確認可能とし、誰もが安心してインターネット上のデータを利用できるコンセプトおよび技術です。​​​​​​​

「Trustable Internet」コンセプトムービー

インターネットで公開されている情報は、嘘や紛らわしさがあり、利用者が混乱することも多いのではないでしょうか?

「Trustable Internet」では、これらのデータに対して、「私が書きました」、「私は本当だと思います」といった情報をエンドースメント(お墨付き)として共有できるようにして、ほかの利用者が同じデータを見たときに、安心感を得られる仕組みを目指しています。
また、エンドースメントは人だけでなく、IoTや装置、サーバなどからもたどることができ、それらの情報を紐づけて共有できるため、接続されるネットワークから、そのデータが「いつ」「どこで」「どの装置から」つくられたかを知ることができます。エンドースメントは人の意図とは関係なく事実を正しく記録するため、もし誰かが故意に誤った情報を流そうとしても、これらの技術によって、それらの情報の真偽に気づくことができるようになり、より安心して利用できるインターネットが実現できると信じています。

 インターネット上のデータの確からしさを確認するためのエンドースメントを活用するためには、多くの人が利用できるように標準的な形式を決めると同時に、相互利用を可能にするプラットフォームが必要となります。
標準形式については、W3CやIETFなどの国際標準化団体との連携を進め、プラットフォームについては、Fujitsu Research Portal に機能として実装するための活動を推進しています。2023年度末には、大学との共同研究の成果を活用し、最初のプロトタイプを実現する予定です。 

SFC万学博覧会へ出展しました

2023年11月25日と26日にSFC万学博覧会に「Trustable Internet」を展示しました。SFC万学博覧会は、慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)最大の研究発表イベント「Open Research Forum 」を始め「オープンキャンパス」「藤沢市民講座」などの様々なイベントが博覧会の名の下に結集する文化祭です。本博覧会で、富士通は「Trustable Internet」を出展し、企業や地元の方々、入学を目指す親子などに、身近で喫緊の課題を解決しようとする研究に共感いただくとともに、産学で取り組みを進めていることにも興味を持って見学いただきました。​​​​​​

SFC万学博覧会での展示の様子
SFC万学博覧会での展示の様子​​

慶應義塾大学 中村 修教授のコメント​​​​​​​

慶應義塾大学 中村 修教授

​​​​​インターネットは、今やライフラインとして我々の生活にとって必要不可欠な重要インフラになってきました。インターネットの技術開発では、“信頼“というキーワードで様々な技術開発が行われています。“信頼“と言ったときに「何を信頼するのか」。それはそれぞれの人によって違うかもしれません。技術的に何らかの付加情報をつけることによって、単純に送られてきた情報を文字だけで判断するのではなく、その情報の確からしさを確認する為のベーシックな仕組みが必要だと我々は考えています。いま、富士通との共同研究で開発をしているエンドースメントを使ったアプローチを、皆さんが使える標準的な技術として開発中です。

現在、情報の確からしさや信頼というキーワードでOP(オリジネータープロファイル)やそのほかの研究開発に注目が注がれています。今後我々も、ほかの仕組みや活動と連携しながら、インターネットがより信頼あるライフラインとなるよう、研究活動を推進してまいります。富士通との本研究は、この取り組みの最初の一歩になる研究開発だと信じています。

関連リンク

 「Trustable Internet」に関するプレスリリース(2022/10/13)


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