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あなたの企業は、いま何合目?日本企業のDX推進の現状と、本当に必要なこととは?!

こんにちは、富士通 広報 山下です。
富士通グループでも、「フジトラ」の愛称で積極的に進めている企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)。DXの推進はもはや当たり前と言える昨今、日本企業において、どの程度DXが進んでいるのかを調査したDXに関するレポートも多数出ています。
 
今回はやや難しそうでとっつきにくいことが多いDXに関する調査レポートの内容を、Ridgelinez 松本に突撃インタビューし、わかりやすく説明してもらいました。


<インタビュー>

Ridgelinez のDX調査レポ―トの特徴とは?

松本:通常のDX調査では、幅広い規模の企業や、役職の方々に対して実施することが多いのですが、Ridgelinezでは、1,000億以上の売り上げを持つ637社の企業の部長職以上に対し、企業DXに関する調査を行い、2023年12月に調査結果をまとめたレポート「Human Transformation 調査レポート2024」(以下、HXレポート)を発行しました。

今回の調査結果から主に3つのことが見えてきました。
1.        企業DXの推進は、まずは3年継続することが重要
2.        企業DXの成果を実感している企業は特に人・組織に重点を置いている
3.        包括的なアプローチをとっている企業ほど、時間はかかるが十分な成果を得ている

日本企業のDXは何合目なのか?

松本:今回の調査で見えてきたこととして、DXの取り組みは日本企業ではかなり浸透しており、成熟期を迎えているということです。
調査データでは、対象企業のうち約9割は「DX推進中」で、様々な業種、業態の企業の中長期計画を拝見すると、ほとんどの企業がDXを重点テーマとして掲げています。一方で、「十分な成果が出ていると思う」と回答する企業は約2割にとどまり、成熟期を迎えているとはいえ、本来の目指す姿に到達できている企業はまだまだ一握りということが分かりました。

DXの成果が実感できるのは何年必要?

企業のDX化において、限定的な成果は3年以上、十分な成果を実感するためには、10年以上の取り組み期間が必要という結果に。これは、DXの道のりは長いものの、3年という節目が一つのターニングポイントであることを示唆しています。

画像1:日本企業におけるDXの現在地

調査で見えてきたDX推進で1番必要なこととは?

松本:企業DXを推進する上で必要なキーファクターは何だと思いますか?資金力でしょうか、それともデジタルツールでしょうか。最も多い回答は、変革を牽引する強いリーダーシップ、次いで経営陣のコミットメント(熱意)という結果でした。やはり何かを“変える”ためには、強力な突破力・実行力とトップダウンのアプローチが必要と言えるのかもしれません。
また、成果が十分に出ていると実感している企業とそうでない企業では、ある違いがありました。それは「個に対する理解」や「推進組織、組織間の連携」を重要視しているかどうかです。人的資本経営をはじめとしたESG経営に注目が集まっている中、多様な価値観をもつ個人に対する理解や、組織にとらわれない繋がり、外部ステークホルダーとのマルチな関係構築まで、成果の出ている企業こそ人・組織に対して丁寧に向き合っていることが見えてきました。

画像2:"人起点“変革に必要なこと

実際にやってみると難しいDX推進、どうするのが良いのか?

松本:確かに、変革を加速するためのドライバー要素が見えてきたところで、気になるのはどうやって(How)?という点だと思います。クイックウィンという言葉があるように、より短期的な効果の得やすい・手の付けやすいテーマから入るのは日本企業の定石と言えますが、「なんとなく周りがやっているから」、「トップが言っているから」というような理由で目先の効果だけを追い求めるのは、事業環境の変化や競争環境が激化する中では限界がありますし、出遅れてしまうリスクもあるように思います。今回の調査から、より成果を実感している企業ほど、CX、EX、MX、OXの4つの”X”※1を重視しているという結果が出ています。
市場において経営課題として昨今重要視・注目されているテーマのなかでも、LTV※2の拡大、データドリブン経営、バリューチェーン変革の3つを本レポートでは取り上げています。そのうち、全てのテーマにおいて、十分な成果を実感しているグループの約4割は4Xを重視しているという明確な結果が出たという点では、この調査における最大の意義の一つであったと思います。
 
※1  4つのX:「人を捉える2つのeXperiece(カスタマー・エクスペリエンス(CX)/エンプロイー・エクスペリエンス(EX)」と「ビジネス(品質や利益)を高度化させる2つのeXcellence(オペレーショナル・エクセレンス(OX)/マネジメント・エクセレンス(MX))」とを掛け合わせたもの。
 
※2  LTV:Life Time Value、顧客生涯価値

4X全方位的に取り組むにはそれだけの体力と気力が必要ですから、一見遠回りのようにも見えますよね。ですが最終的には、より長期的かつ多角的な視点で4Xを見据えて計画をデザインすることが、結果的に効果を最大化することは間違いないようです。

画像3:チェンジリーダーへの提言

インタビュー終わりーーーーーーーーーーー

企業DXを成功させるためには、どのくらいの期間で、何を、どういったアプローチで進めていけばよいかについて、調査結果をもとに松本に教えてもらいました。
レポートにはこの他にも推進課題や期待・ゴールなど、面白い調査結果が多数記載されています。企業DXが現在どのくらい進んでいるのか知りたい方は、ぜひダウンロード(無料)してみてください。
 
また、Ridgelinezから昨年出版した書籍『HUMAN∞TRANSFORMATION』(ヒューマントランスフォーメーション)―日本企業をリデザインする、人起点の変革リーダーシップ にも4Xアプローチの詳細が掲載されています。

本レポートの調査概要
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年10月11日~10月18日
対象地域:日本国内(全国)
調査対象者:
・30~65歳の男女
・年商1,000億円以上の企業における経営者、役員、会社員(部長クラス以上)でDX業務関与者
有効回答数:637/1,022サンプル

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