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富士通はなぜ「食べられない」ケーキを創ったのか ~「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI 」とともに、「わたしたちの空気を考えるCARBON CAKES」キャンペーンを展開~

こんにちは。富士通 広報note編集部です。
今回は、皆さんの身の回りにある空気のお話です。大気中のCO2やPM2.5はそれぞれ気候変動や大気汚染といった環境問題の要因にも挙げられています。しかし日々の生活では今一つ実感がわかない、なぜならその脅威は目に見えないからです。

2024年3月19日、富士通のブランドチームは、都内で「わたしたちの空気を考える CARBON CAKES」(以下、「CARBON CAKES」)と題したイベントを実施し、社会課題を体感するキャンペーンを展開しました。本イベントでは、有名パティスリーと協働し、人々の幸福の象徴とも言えるケーキで、CO2やPM2.5などの大気の状態を表現しました。また、富士通のテクノロジーにより、環境、社会、経済の指標で都市をシミュレーションし、その美しくも毒々しい大気の状態を表現した「カーボンケーキ」を通して、社会課題の「自分ごと化」を生活者に迫る!そして「より良い未来への選択肢は何か」を問う挑戦的なイベントです。今回はその内容をレポートします。

イベント当日の様子

富士通が「CARBON CAKES」のパートナーに選んだのは都内の人気店「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI(パティスリィ アサコ イワヤナギ)」です。シェフパティシエール(※1)を務める岩柳麻子氏が創るケーキやパルフェの美しい佇まいはもちろんのこと、食材の原点から考える姿勢、アップサイクル(※2)や食品ロスへのまっすぐな向き合い方が、より良い未来への選択肢は何かを考えるための今回の富士通のイベント開催への想いと共鳴し、コラボレーションに至りました。
※1:シェフパティシエール:デザートに関するすべての業務を取り仕切る製菓長
※2:アップサイクル:廃棄予定だった製品や素材に手を加え、価値をつけて新しい製品へと生まれ変わらせる手法。

ケーキを制作する岩柳麻子氏

「CARBON CAKES」では、実世界のデータをもとに、人や物の状態だけでなく、経済・社会の活動をまるごとデジタルに再現する富士通のR&D部門のソーシャルデジタルツイン技術を活用しました。さらに、人口約10万人の都市で、徒歩・自動車(ガソリン車、EV)などの数や有料走行区域を設定の上、行動経済学を取り込み、人の行動の変化を予測し、施策の効果や影響を事前に検証可能とする富士通のデジタルリハーサルを通じて、CO2、PM2.5の量に応じて、社会(移動時間)や経済(運賃/コスト)などに及ぼす影響をシミュレーションし、その中から、環境、社会、経済の指標をチャート化した6つのモデルを作成しました。

環境、社会、経済の指標を富士通のソーシャルデジタルツインで可視化し、チャートでそのバランスを提示。ENVIRONMENTAL SCORE(環境指数)が3.8の表示のものが漆黒のケーキ。

環境、社会、経済の内、今回は環境の指標に着目し、ベイキングパウダーを大気中のCO2に、また煤(すす)をPM2.5に見立て、CO2 やPM2.5の量に応じてそれらをケーキの材料として練り込んでいきました。
その結果、なんと‥‥、環境指標の最も高い以下のモデルでは、気泡(CO2)が浮き上がった漆黒(PM2.5)のケーキが!? 
漆黒のケーキの他にも、空気が澄んだ状態を表す形の整った真っ白なものまで、CO2やPM2.5の量に応じて6つのケーキが創作されました。来場された方々は、CO2、PM2.5を多く含んだ黒いケーキを見て、「できれば白いケーキを食べたい」と口々に話していました。しかし、ここで重要な点は、真っ白な(空気の澄んだ)ケーキが社会にとって必ずしも最適な解ではないということです。

イベントのキービジュアル、大気の状態を6種類のケーキで表現

真っ白なケーキは、社会性と経済性の値が極端に低い状態であり、それは都市の利便性を犠牲にしつつも、高コストであり持続可能ではないことを意味します。一方、バランスが整った状態が正解とも言いきれず、答えはその都市に住む人々が社会性、経済性、環境の何を重視するかによっても変わってきます。当然ながら実社会においては環境だけでなく、人々の社会と経済活動を考慮する必要があり、「可視化」の次に、どのケーキを食べる未来が私たちにとってあるべき姿なのかを来場者の方々に考えてもらうことに主眼を置きました。まさに、ソーシャルデジタルツインによる社会の可視化とデジタルリハーサルによる選択肢の提示は、人々が環境について考え、ディスカッションする機会をもたらし、より良い未来づくりに貢献する価値を体現していました。

「CARBON CAKES」では、都内湾岸の倉庫を活用した空間を舞台に、これまでの富士通にはないアートミュージアムのような雰囲気の中、カーボンケーキを展示しました。
展示された6種類の「カーボンケーキ」を囲む来場者

展示に続いて、環境アクティビストの清水イアンさん、経済思想家の斎藤幸平さん、起業家のハヤカワ五味さん、タレントの新内眞衣さんに加え、富士通からはコンバージングテクノロジー研究所の山田亜紀子がパネルディスカッションに登壇しました。展示した「カーボンケーキ」の感想から始まり、空気の状態をケーキで表現することで子どもにもその脅威がわかることや、見えることで行動変容につなげていけること、CO2削減と経済政策のバランスについてなど、それぞれの観点から興味深いトークが繰り広げられました。

著名人によるパネルディスカッション

トークイベント終了後には登壇者などがテーブルを囲み、さながら晩餐会のように、私たちの行動なくしては実現できない、未来の理想の環境を象徴している「澄んだ空気」を表現したケーキが振る舞われました。

来場者にケーキを振る舞う岩柳麻子氏

岩柳麻子氏の説明とともに真っ白なケーキがハーブの香りをまとい提供され、このイベントに向けて特別に用意されたアップサイクルティーのペアリングとともにひと時を楽しんでいただきました。

環境問題がテーマの本イベントに使用した材料はコンポスト(※3)で堆肥化し、フォークやスプーン、お皿、コップなどは、埋めると90日以内で土に還るもので、山梨県にある岩柳麻子氏が所有する畑で再利用する予定です。
※3: 「堆肥(compost)」や「堆肥をつくる容器(composter)」のこと

「今回は来場者に、社会課題やその解決を支援する富士通のテクノロジーを、視覚や嗅覚、触覚をフルに活用して体験いただき、これまでとは一味違ったテクノロジーの世界観や伝え方をとてもポジティブに受け止めていただきました。このプロジェクトに熱意を持って向き合い、細部まで拘ったケーキを仕上げていただいた『PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI』、そしてシェフパティシエールの岩柳麻子氏とのコラボレーションによってテクノロジーの新しい表現を紡ぎだすことができました。これからも富士通は、社会課題解決へ貢献するテクノロジーを、よりユニークかつ効果的に伝えられるよう、様々なコミュニケーションを仕掛けていきます」と富士通のブランドチームは手応えを語ります。

【関連リンク】


公式サイト
(日)https://www.fujitsu.com/jp/microsite/carboncakes/
(英)https://www.fujitsu.com/jp/microsite/carboncakes/en/

プロジェクトフィルム
(日)https://youtu.be/EyL1zuOyGKk
(英)https://youtu.be/m03Et8JPbXQ

イベントフィルム
(日)https://youtu.be/yFn1uu5V9ns
(英)https://youtu.be/R7bOGF3q33s

フジトラニュース
ケーキで未来を可視化。富士通がユニークな形で環境問題へ一石を投じる - フジトラニュース : 富士通 (fujitsu.com)

岩柳麻子氏と真っ白なケーキ
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